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コキ使われて追放された元Sランクパーティのお荷物魔術師の成り上がり〜「器用貧乏」の冒険者、最強になる〜  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ
第3章「なんてこった、仮免許でダンジョン」

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第24話「なんてこった、まとめてぶっ飛ばしてやる?!」


 ズドォォオオン────!!



 天井とアパートメントの3階部分が真っ赤に燃えて爆発する。


 その爆風だけでダークスケルトンが何体か薙ぎ倒されているが────本当に恐ろしいのはここからだ!


 さすがにダンジョンが生まれて以来、何年も……いや幾数年も維持されているだけに、天井の構造は頑強で崩落は起きない。


 だが、『大爆破』を食らって無傷なはずもなく、天井が大きく抉れて崩れている。

 アパートの構造自体もぶっ飛んでいき、3階の大半は崩壊し────瓦礫を周囲にぶちまけた。


 そう、今まさに、ビィトやダークスケルトンに向けて大量の瓦礫が降り注いでいるのだ。


「潰れてしまえぇ!!」


 手数が足りないなら、増やしてやれと言わんばかり。

 そのため強引に瓦礫の散弾を量産したビィト。だが、効果は上々! ダークスケルトンはダイパニックに陥り、なにもできぬままに瓦礫に押し潰されている。


 だが、それだけで全滅させられるはずもなし。

 だからビィトは疾駆し、爆発圏外を駆け抜けたのだ。



《ギギギギギギギギギ────》

《ギギギーーーーーー────》

《ィィィエェェェェエエェェェ》



 今や大半のダークスケルトンは背後に置き去り。そして、彼らのほとんどが天井とアパートの残骸に押しつぶされている。


 とは言え、天井もアパートもどちらも頑強な構造だ。


 思ったよりは瓦礫が少なく、無傷な個体も多い。

 ……多いが、────多少なりとも瓦礫が増えたなら、それ即ちビィトの弾丸に他ならない。


 自身に降りかかってきた破片や残骸を辛うじて防いでいたビィトだが、爆発が終わったあとに、素早く背後を振り返る。


 ここで仕上げだ!


 このまま駆け抜けて奥の扉の先に行ってもいいのだが、それでは後背に敵を残すことになる。

 大騒ぎした今、放置していくこともできず……。

 そして、この先に出口があるとは限らないのだ。


 また元の入り口に戻るのが、ルート上の道としては分かりやすい。帰ることを前提にしているのだから、この場を放置するのは得策ではない。

 

 だから……。


「──とどめぇぇぇぇえ!!」


 大量の瓦礫に埋もれた通り。

 そこに、もぞもぞと蠢くダークスケルトンども。


 おそらく、半数くらいは生き残っているのかもしれない。

 破壊しなかった方のアパートからもまだ増援は来る。


 だが、弾丸は豊富で、魔力に限界はない。

 ビィトの魔力ならこの程度なら減るわけもないのだから、下級魔法だけなら射ち放題だ。


 そうとも、瓦礫とビィトの魔法。……連中は地雷原の上にいるようなもの。


 そして、地雷原の起爆装置はビィトが持っている。

 戦いの主導権はビィトにあった。


 キィィィンン!!

 片手と棍棒に魔力を集中。

 発射1秒前ッ──!


 僅かばかりのダークスケルトンがビィトの進行方向──今は背を向けている方向にも少しばかりいるようだが、こちらに追いつくまでまだ時間がある。


 それよりも厄介なのはダークファントムだが、連中も多少は爆発の余波を受けてふらついている。


 ならばいくばくかの猶予はある……。

 その前に決める!!


 すぅぅぅ、

「まとめてぶっとべぇぇぇぇ!!」


 『大爆破』の魔法がビィトにも使えれば決着はもっと早くついていただろう。

 だが、悲しいかな……下級魔法しか使えないビィトは手数で攻めるほかないのだ。


 もっとも、無限大に近い手数ではあるのだが……。

 ──下級魔法限定だけどね。


 それでも、だ。

 その下級魔法限定の無限大の手数が炸裂するッ。


《ギギギギギ…………》

《ギギギギギィィ……》


 瓦礫から這い上がろうとするダークスケルトンども。

 その鼻先に向けて──────。




 おらぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!

 ──発射ぁぁあッッッ!



 小爆破ッ!


 ──ドォォオンン!!!


(……かーーらーのー!!)


 小爆破ッ、小爆破ッッ、小爆破ッ!


 小爆破ッ、小爆破ッッ、小爆破、小爆破、小爆破、小小小爆破ッッ、小爆小爆小爆小爆破ッ!


 小爆破小爆破小爆破、小爆破!! 小爆破!! 小小小小小小小爆破ッッ! 小爆小爆小爆小爆小爆破! 小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破小爆破ッッッッ!!



 ズドドドオッドドドドドドドドドドドォン!!!

 ドッドドドドドドドドドドドドォンドォン!!!

 


 目前に凄まじい閃光の嵐が生まれる。

 閃光、閃光、閃光、爆炎!! 時々爆破!


 そして、

 破片、石くれ、骨片、骨片、骨片!! 頭蓋骨!


 最後は、

 ダーーーーーークスケルトンども!!


 まだまだ吹っ飛ぶのは、小爆破の爆破に巻き上がった地面の瓦礫と瓦礫と瓦礫! そして、骨片ッ、骨片、骨片!!


 ズガァァァァァァッァァッァアアンン!!


「これでどうぅだぁぁぁぁ!!」

 

 連射!

 連射連射連射ぁぁあ!!




 うらっぁぁぁぁぁあああ!────小・爆・破!!!




 ズドォォォン!!

 



 まとめてぶっ飛べぇえ! と言わんばかりに何十発もの小爆破を撃ち込みさらに撃ち込む。


 時折バラバラバラ……とダークスケルトンの欠片が舞い上がっている様子がよく見えた。

 そこにダークファントムも混ざってフラフラと爆炎と瓦礫と骨片に翻弄されている。


 さすがに神聖魔法等の浄化以外では死なないというのは本当らしく、消滅には至っていない。

 だが、ここに集まってきた全てのダークファントムがビィトに襲い掛かれずに未だ空中で彷徨っていた。


 多少は物理が効くというのが災いしているのだろう。

 一カ所にかたまって、炎に揺られる灰のようにフラフラと爆炎に煽られている。


 その下では、もはや物言わぬダークスケルトンが全滅しているというのに……。


 瓦礫と魔法攻撃による物理散弾のコンボは連中をまとめて破壊しつくしたようだ。

 さすがに動く奴はもういな────ポィン♪


 ポィン♪ ポィン……♪

 陽気なドロップ音が響いたかと思うと、


 ポぃン♪ ポィン♪ ポィン♪

 ポポポポポ♪ ポポポポポポポッポポポポポポポ♪ ポィ♪ ポイン♪

 ポ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ ポィン♪


 ポイン♪


 大量のドロップ品が発生……。



「大漁だぜ!」





 さぁ、

 残るは──────ダークファントムのみ!





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