■■2章-昼行燈と名無しは息潜めて睨みあう。-■■①
初評価あざますっ!!
あと良く分かってなかったけど、
ブクマしてくれた方々、お礼遅れましたが感謝してますっ!!
ここまで読まれた方もブクマしてくれると嬉しいっすっ!!
祝3000PV 3000人の方が覗いてくれるとか嬉しいっす!!
ルーファスと名無し回楽しんで下さいっ!
■■2章-昼行燈と名無しは息潜めて睨みあう。-■■
花街門の閉門からしばらく時間が経ったためか、
特別商業特区花街ススキノに隣接する、この小さな商店街も
往来する人も疎らになり、落ち着きをみせ始めた頃。
ルーファスは"健やかなる日々"の軒先で二つの選択に迫られていた。
「1つ、面倒なので無視する。2つ、いっそ殺す。どっちがいいっすか?」
「貴様っ、ふざけているのかっ?!誰に口を聞いている、
私は王都に居を構える「貴族なのはわかってるっす。」…だったら、
平民の分際でっ!!」
十数分前のことだ。
商店街に到着してすぐに"ソレ"を発見した。
女の腕を掴み強引に連れ去ろうとする男、その腕を振り払おうとする女。
連れ込み宿にでも、強引に連れ込もうとでも考えているのだろう。
さてどうしたものかとルーファスが腕を組んで考えていたところ、
腕を振り払う事を諦めたのか女が、急に全身の力を抜いたのが見て取れた。
すると、急に脱力されてしまったためか、必死な形相で腕を目一杯、
腕を引いていた男が姿勢を崩す。
転びかけ慌てて体勢を整えようと腰を落としたところで、
やっと女の腕を離した無防備な男の顔に、華麗な前蹴りが打ち込まれた。
派手に吹き飛んだ男は、白目を剥きその場に倒れ込んだ。
「くくく、見事なもんっすね。」
最近の女性の逞しさにルーファスは、そう独りごちて笑う。
憂いが無くなったため、改めて目的地に足を向ける事にした。
しかし、目的地に近付くにつれて足を止める者の姿が多く目につく。
出し物でもやっているのか、不思議に思っていると
"健やかなる日々"を取り囲む集団が視界に現れた。
「なるほど、出し物って言うよりもトラブル発生ってとこっすか。」
青と黄で統一されたフルプレートの鎧は、王都で何度か見かけた覚えがある。
確か男爵か子爵かは忘れたが、小悪党みたいな貴族の私兵だったはずだ。
先程は、手助けするかどうかを、悩んでいる内に昨今の女性の逞しさを
まざまざと見せつけられる羽目になり、やや鬱憤が溜まる結末を迎えてしまった。
――ぱんぱんっ
さほど悩む事もなく、手当たり次第に蹴り倒した。
20人程いたフルプレートの者たちは、地面に伏せ呻き声をあげている。
清々しい気持ちで服についた埃を払い落した。
「こ、これは一体どういう事だと聞いているっ!!」
そこへ地面に転がる者たちと同じ装備の者たちを引き連れた男が、
声を荒げてルーファスに駆けよってきた。
先程、連れ込み宿に女を引き摺りこもうとし、
見事に前蹴りをくらって失神してた男が、鼻血を垂らし抗議してくる。
"イジート子爵"だ。その顔をまじまじと観察し、漸く名前が出てきた事で、
ルーファスは満足気な笑みを浮かべた。
「笑っている場合かっ!これは、貴様がしでかしたのかっ!!」
そうしている内に、面倒になってきたルーファスの口から、
冒頭の二択が零れでる事態になっていた。
「はぁ…初めましてイジート子爵。
私はルーファス・ルクシウス・ソーと申します。
今陛下の付き添いでここを訪れているんですが、
何か御用っすか?」
鼻血を今も垂らすイジートは、一瞬きょとんとした呆けた顔で、
「陛下?…ルーファス…っ?!」と突如叫び、顔を真っ青に染め上げた。
私兵たちもルーファスの名前と、彼が口にする"陛下"が、
誰を指しているのか思い当たったのだろう、雇主と同じ顔色で呆然としている。
「何も無かった事にして、逃げても構わないっすよ?
追いかけてまで、どうこうする気はないっす。」
「ほ、本当かっ?!」
ルーファスが面倒臭そうに口にした言葉に、イジートの顔に喜色が注す。
それを目にしたルーファスは、最後まで聞け。と言わんばかりに、
顔を顰めて続きを口にした。
「ただ、王国貴族がハンニバルの商業区で、昼間っから女を連れ込み宿に
強引に引き入れようとした事と、ここで騒ぎを起こしていた事は、
当然、きちんと陛下に報告をあげるっす。
何か弁明があるなら明日の中天の時刻に、オルトック辺境伯の居城を
訪ねると良いっすよ。
陛下にしっかりと言い訳すると良い。それとも、俺とやりあいたいか?」
「いやっ!!そんなっ!!しかしっ!!」
「王に馬鹿が何をしていたか報告するのは、大事な仕事の1つだ。
弁明があるなら明日の中天の時刻にオルトック辺境伯の居城を訪ねろ。
……三度目も口にさせる気か? イジート子爵殿。」
「し、失礼するっ!!」
最後に射殺す様な視線を送り、死を宣告するように囁く。
それを耳に一層顔色を損ねたイジートは、
引き連れた私兵たちに金きり声をあげて地面に転がっている私兵たちを
立たせるよう命令して我先にと去って行く。
周囲を取り囲んでいた野次馬たちの耳には、
ルーファスの名乗りややり取りは届いていなかったようで、
方々から「かっけーな!!兄ちゃん!!」「怪我がなくてなによりだっ!」と、
声援があがり、ちょっとした騒ぎになる。
最初は、苦笑いを浮かべて手をあげて応えていたが、
いつまでも止む事の無い喝采に辟易としていた。
店内まで騒ぎが聞こえていたのだろうか、中から従業員らしき姿をした女性が顔を出した。
暗殺派閥名無し-アンノウン-幹部、8柱。
そして、ルイの姉代わりでもあるオーリだ。
「何をされてるんですか、ルーファス様。」
ルーファスは、ストラス孤児院の院長をしていたストラスとは面識があり、
彼女が名無しに在籍した際、彼から紹介された過去があり面識があった。
騒ぎが収まらず辟易としていたルーファスは、これは助かったと嘆息し、
挨拶を口にしながら手信号で手早く用件を伝える。
「…オーリご無沙汰っすね。ちょっと女性らしくなったんじゃないっすか?
(悪いが今の馬鹿共の拠点を誰かに追わせてくれ。少しきな臭い。)」
「本当にご無沙汰すぎますよっ!それ本当に思って言ってます?
(人使い荒いんだから…って言いたいけど、ここ数日ケチつけてくるヤツらね。
宿ならもう調べてはあるけど、他にも拠点あるかもしれないし、
ルー兄の頼みだから、横の繋がりも徹底して調べさせとくね。)」
「ちゃんと思ってるっすよ。
(助かる、それと仇花とサミュルに俺が来たこと伝えてくれ。
秘密の話と言う訳では無い。"ルイ"の近況知りたいなら、お前も顔出せ。)」
「なんでルイ…ご案内します。」
「(お前……名無しは質が落ちたのか?ルイが絡むと酷いなお前たち。)」
思わぬところからルイの名前が飛び出したため、
つい手信号ではなく声に出してしまったオーリは、舌を出して謝罪する。
そんな妹代わりに、ルーファスは呆れた顔を浮かべ手信号で叱責する。
外の騒ぎを聞きつけて様子を見に出たオーリが、
見知らぬ男を連れて戻って来た事に少し騒然とする。
「外の騒ぎをこちらの方が収めてくれたのよ。だから、お礼したくてね。
(彼は、頭領のお客様よ。だから、興味本位で視線をむけるのは止めなさい。)」
「どうもっす。(仕事中、失礼する。俺の事は気にしないでくれ。)」
店舗内に出ていた者達の中には、ルーファスを知る者はいない。
オーリの手信号を受けて、目礼した者たちにルーファスが手信号で
仕事の邪魔をした事を詫びると、全員の顔が困惑に染まる。
そんな彼らに笑顔で手を振りルーファスは、オーリに続き店奥に足を運ぶ。
「ふふふっ、悪戯好きなところは相変わらずね。」
「実際仕事の手を止めてしまったっすからね。
オーリと共に居て手信号でも見せたら、下手な警戒はしないと思ったっすよ。」
「なるほど…何にも考えてない顔してるのに、色々考えてるのも相変わらず。」
「ちょっと会わないうちに口が悪くなってるっすね。
ルイがオーリに似なくて良かったっす。」
妹の軽口に、ちょっとした意趣返しのつもりでルーファスはそう返した。
「そうよっ!なんで、ルー兄がルイの事知ってるのよっ?!」
「その事は仇花達がいる前でするって言ったすよ?」
その言葉に、不服そうに頬を膨らませたオーリが「じゃあ、早く。」と
口にしてズカズカと足の音を立てて先に行ってしまう。
そんな妹代わりの背中に呆れた視線を送り、頭を振った。
店奥を通り過ぎ裏口を開けると、雅で趣のある裏庭が広がる。
それを久しぶりに目にしたルーファスは少し口元を緩めた。
この裏庭の出来には、先代頭領の強い拘りが込められていた。
滅多に笑みなど見せなかったあの人が、完成したこの庭を見渡し、
まだ幼かったルーファスに笑みを湛えて自慢していた姿が、
そこに在るような気すらする。
「ルー兄っ!なにそんなとこで突っ立ってるのよっ!
ここまで来たら案内いらないでしょっ?!私、他の柱呼んでくるからっ!」
そう言い捨てて、オーリは仇花たちを呼びに走り去る。
苦笑いを浮かべたまま、オーリが開け放って行った"奥の間"を進む。
ここも久しぶりに訪れた。ヒンヤリした空気と静かな暗闇を勝手知ったると
言わんばかりにルーファスは、まっすぐに進む。
しばらくすると、蝋燭の灯りが現れルーファスは足を止める。
そして、闇の奥に潜む、よく知った気配に優しい声音で話しかけた。
「奥の間に来るのも久しぶりっすよ…。ここも変わらないっすね。
ダン爺、ほんとに久しいっすね。元気っすか?」
「ああ、ここは何も変わらん。変えさせてなる物か…くくくっ。
ルーファス、ひさしいの。先の事件では活躍だったそうだな。
頭領と"友人たち"から聞き及んでおるぞ。」
ダンザイは、皺だらけの顔を更に皺苦茶にする。
彼なりの笑顔である事は知ってるが、
相変わらず怒った様に見えるその笑顔に苦笑した。
そして、ほんの少しだけルーファスは苛立ちを顔に浮かべ、
すーっと静かな怒気を湧き立て始める。
(ダン爺の側に立つ2人の陰行は及第点。他の21人は問題外…。)
しっかりとルーファスは、ダンサイを見据えた。
その底冷えする瞳は、先程までの柔和さの欠片も感じない冷たい物だ。
あまりの圧力に、ダンサイは身を固める。
そして、その瞳のまま"死神"は呆れたように口を開いた。
「なんだ?俺に試験官でもさせたいのか、ダンサイ。
冗談が過ぎる。それとも全員邪魔だから始末して欲しいということか?」
「っ!そ、そうではないルーファス…お前を侮る気もないっ!待てっ!
だから鋼糸を仕舞えっ!怒りを収めてくれっ!!頼むっ!儂がっ!
儂の独断じゃ!お前から見てどのように今の…っ!」
ルーファスの逆鱗に触れてしまった事に、
遅ればせながら察知したダンサイの悲痛な慟哭が奥の間に響き渡る。
その狼狽ぶりに、左右で陰行していた若い閥員であろうか。
姿を現わせルーファスに対し鼻を鳴らし、腰を落とし構える。
「この程度の者に、何を慌てるのです、ダン爺。」
「そいつの言う通りですよ、どうしたと言うんですかっ?」
「黙っとれっ!決して動くなっっ!」
そんな2人と周囲の21人に、怒気と殺気を撒き散らしダンサイは吠えた。
ルーファスは背後から、5つの気配が急接近するのを感じ取る。
その内、2人は良く知る友人のため若干怒気を散らし腕を、
組んで事の成り行きを見守る事にした。
ルーファスの前に庇う様に、3柱サミュル、4柱仇花が姿を現す。
そして、背後には5柱ラミーエ、6柱、7柱が緊張感を漂わせ、
必死の形相で控えている。
どうやら、こちらはルーファスがどんな存在かは聞かされているようだ。
「3柱が告げるっ!いいか、絶対に動くな。誰1人とだ。声も発するなっ!」
「ダン爺。これは私でも怒るわよ…どういうつもり。」
「も、申し訳ございません。」
「言い訳は後で"頭領"の前で聞くわ。…ダン爺を下げるけどかまわない?
貴方達もどうつもりか知らないけど、彼は"頭領"の客人よ。
私達まで怒らせたくないのであれば、さっさと退出しなさい。
全員あとで覚悟しておきなさい。例外は認めないわ。」
サミュルの横顔からも必死さが伝わる。
仇花はルーファス以上に怒気を撒き散らしている。
余程腹に据えかねたのだろう。眼前の2人叱りつけられ項垂れている。
周囲の者達からも動揺する気配が漂ってくる。
ルーファスは、仕方なく怒りを鎮めた。
「…ダン爺とは、しばらくぶりに会って、
これでさよならするのは流石に淋しいっすからね。
周囲の稚拙技術で粋がる愚か者だけどうにかしてくれたらいいっすよ。」
「去れ。あとで事情はダン爺から説明させる。
言葉を発することは引き続き許さん。」
サミュルが威圧する様に再び口を開き、退室を促した。
だが数人…正確には目の前に姿を現せた2人と15人、計17人が、
退室間際にお粗末な殺意をルーファスに飛ばした。
「……さすがに我慢の限界っすね。」
そう零したルーファスの目が冷たく光る。
仇花はすっかり諦観した表情で「命だけは許してあげてね。」と零した。
沈黙を引き裂く様に、奥の間の出入り口から悲鳴と怒号が響き渡った。
「仇花、質の低下は誰のせいでもない。お前の落ち度だ。」
「言葉もないわ。」
ルーファスの言葉に、仇花は沈痛な面持ちで額に手を当てた。
苦悶の表情を浮かべるダンサイを厳しく叱責する視線が、柱たちから注がれる。
さほど間を開ける事なく、遅れてやってきたオーリは
出入り口の惨状を目にして、ひと目でルーファスの手による物だとわかった。
ルーファスにどういうつもりだと、問い質すつもりでやってきたが、
頭領であり4柱の仇花、3柱サミュル、5柱ラミーエ、6柱、7柱、
そしてダンサイが雰囲気が尋常じゃない事を察して、
取りあえず状況の判断を優先して7柱の横に座す事にした。
「…さて馬鹿共が手痛い目にしっかりあった様だけど…
…ダンサイ、貴様。なんのつもりでこんな戯けた事が起きたのか、
明確かつ客観的に、嘘偽りなく述べよ。我をこれ以上呆れさせるな。」
オーリは絶句した。
頭領である仇花が本気で怒っているのが、漏れ出す魔力で理解出来たからだ。
しかも彼女がだけが怒っている訳ではない様だ。
ここにいる全員が、大なり小なり怒気を込めてダンサイを睨みつけている。
そんな圧力の中、珍しく狼狽したダンサイが悔恨に声を震わせ口を開く。
仇花
「私出てくると、手が良く動くみたいで執筆速度上がるのよね。
ルーファス
「俺の台詞では、よく止まるのになんかずるいっす!




