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ちみっこ魔王は呵呵とは笑わない。  作者: おおまか良好
■■2章-ただ守りたいものを、守れるように-■■
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■■2章-先輩再び、また増える師匠。-■■③

「レオンと一緒の立ち位置をとろう。妾もその幼弟子次第でマサルの案を指示するとしよう。しかし、妾はレオンより厳しい目で評す。妾のできる譲歩はここまでだ。」

「ありがとう、それで十分だよ。それと、この件と直接関係ないんだけどねリズ。ルイの事でエドから僕はある頼みごとをされたんだ。」


 リズィクルが2人を見据えそう口にする。

 言葉はまだ強いものではあったが、リズィクルを纏う空気が穏やかなものに変わっていた。

 そんな彼女にマサルは礼を口にしてそう語った。その言葉に彼女は驚きその金色の瞳を大きく見開いた。


「エドが…頼みごとだと?」

「僕も驚いたよ。もちろんその頼みを快諾した。それで晴れて僕もルイ君を弟子にする事にした。」


 件の弟子がエドガー、レオンだけではなくマサルの弟子にもなったと口にした。

 リズィクルは驚きを通り越え、困惑と疲労感に襲われて少し待て。と零し、一旦席についた。

 そんなマサルの言葉が耳に届いたのか、エドガーとついに殴りあいに発展してたルーファスが少し顔腫らせた顔でマサルとレオンに迫る。


「それっすよっ!どういうことっすか?レオっちはともかく、エドっちがルイの師匠しているってだけ不服なのに、どーーして寄りによって狂王追加っすか?俺っち納得いかないっすけどっ!」

「まじで、こいつ本当にうるせーなっ!!あーっ!!めんどくせぇどうしてこう面子が揃うとギャーギャーうるせーんだっ!!ってか、さっきまじで殴りやがっただろうがっ!てめぇ!!」


「エドっちに言われたくないっす!!自分から事態でかくして、めんどくさくなると人のせいにして騒ぎ出すとこ治すっすよ!!」

「止めよ2人とも。それ以上騒げばマサルとレオンと妾がその喧しい戯れに終止符を打つぞ。……話を戻すぞ、どうしてマサルにそんなことを頼んだ。聞かせろエド。」


 せっかく一度鎮火したリズィクルが再び不穏な空気を纏いだした。

 昔から怒らせるとやっかいな部類に入るリズィクルの明確な怒気を察した2人は黙り込み。

 名指しで指名されたエドガーは頭を掻きながら説明する。


「ちっ…くそ。ああ、わかった。マサルの言う通り。昨日、俺から馬鹿弟子の師匠になってくれないかって持ちかけた。こいつには悪いと思ったが、ルイに異世界の知識に触れさせてやりたかったんだ。俺がマサルに教わった分だけじゃ足りねぇ、レオンのも合わせてもだ。そもそも俺らは足りねぇだらけのお互いを補いあってきた。」


 エドガーの表情がどんどん真剣味を帯びて行く。

 自らが質問しその答えを訪ねたリズィクルはもちろん、レオン、マサル、言い争っていたルーファスまでもがその言葉に耳を傾けている。


「じゃあルイの師として足りないところは誰が補うんだよって考えちまったらよ。その場で目の前にいたマサルに頼っちまって口にしてた。俺が1人で弟子のために出来ることなんて精々武器のふりまわし方くらいなもんだと思ってたけどよ。もう一つ出来ることあるって気付いたからよ。やってみたんだよ……弟子のために頭下げるってやつを。」


 リズィクルは、エドガーが気恥ずかしそうに述べた最後の言葉に目を見張った。

 この男は昔から粗野で傲慢で我儘で問題ばかり起こす。

 だが、その一方で強い心と心地良い矜持をその芯に持つ男。

 当然、その姿に惹かれ人が集まっていった。

 ただ、如何せん若さもあったためか自分のことで手一杯の癖に、他者のため己を鼓舞し、叱咤し自分の身ひとつでどうにかしようともがく姿を何度も見てきた。


 そんな彼が弟子のために他人に頼ったと言う。

 それも頭を下げてまでしてだ。エドガー・ルクシウス・ワトールの成長を目にし、

 リズィクルは驚き、そして心から喜んだ。


「くくくっ、あはははっ!!いい男になったではないかエドっ!察するに妾とルーファスにも協力しろと言うんだな?」

「なに笑ってやがんだ角女。…だが言いたい事はそういう事だ。こんな頭で良ければいくらでも下げる。馬鹿弟子と会ってどんなヤツか見極めてからで構わない。考えてくれないか。」


 喜色を浮かべ褒め言葉を口にしたリズィクルに、照れ隠しに悪態をつくも、すぐにその表情を引き締めエドガーは、ルーファスと彼女に頭を下げる。


「いやいや、頭あげるっす。エドっちに頭下げられるとなんか縁起悪いっす。そけに、俺っちはもともと師匠みたいなもんすからね。断る理由はないっす。でもいいんすか?俺っちが教える事ができる事なんて名無しの家族たちと大差ないっすよ。」


「縁起って、てめぇ……でも、まあ感謝する。つうか、良いも悪いも駄目だと思ってたら頼まねぇよ。てめぇの引き出しの多さはアレの役に立つ。役立つどころか絶対必要になるからな。」

「まぁ、暗器やら符術やらあるっすからね。引き出しは多いっすけどそんな物、ルイに役立つっすかね。」


「僕の知識やレオンの鍛治、錬金術は一旦置いておいて。エドの武器の取り回しに、ルーファスからの暗器や符術、もしリズが首を縦に振ってくれたらそれに魔法と魔術。ルイが持つ特異。これだけ見ても多彩な攻撃手段を的確に自分のものにしてくのって難しいよね?」


「…それで俺っちの力って事っすか。ってか、なんすかその将来のルイ。世界でも滅ぼせそうに聞こえるっすけど。」


 確かに選択肢が多くあると言うことは、良い部分だけではなく逆に悪い側面も持つ。

 その事はルーファスにも経験があるためエドガーが"必ず必要になる"と口にしたのも納得が行く。

 ただ、マサルが口にしたルイを想像すると苦笑いしか出てこなかった。

 そんなやり取りをレオンと傍観していたリズィクルも笑みをこぼす。


「くくくっ、そんな楽しそうな話聞いたら、この場で受けてもいいのだがな。そもそも妾は会ってもない。……そうだな、妾が面倒みる故、オルトックのところに今日この後、一緒連れて行くとしよう。」

「ああ、別に構わねえ。早めにアレと会ってくれるのは助かるしな。それにあいつも滅多な事じゃ外出なんてする機会がないからな良い機会だ。」


 これからマサルを連れて向かう事になっていたオルトックの居城にルイを同行させれば、皆が口々に絶賛する幼き弟子がどれほどの者か見定められる。

 リズィクルはまだ見ぬ自身の弟子となるかもしれない出会いに表情にこそ出さないが心が躍っていた。

 そこでリズィクルはひとつ閃いたことを皆に話すことにした。


「貴様らは、その弟子を皆で育てて行くことに当たって、どうして行こうと考えを持ち、何を伝えて、何を現在させておるか。そこのところ聞かせてみろ。ルーファスも良く聞いておくといい。指導者が多いとこういう事は、予めこういった擦り合わせが必要だろう。」

「師匠になる気、満々っすね。」


 ルーファスはニヤッと笑い、リズィクルをからかう。

 そんな嘲笑など意にも介さず彼女はその金色の瞳を艶めかせて口を開く。


「なんだルーファスたちがそれほど買ってる弟子が妾の眼鏡に叶わぬなんてことあるのか?」

「そう言われると、そんなことないっす。としか言えないっす…。」


「くくくっ、そうであろう?ならばエドとマサルのことだ。最終的には翁たちも巻き込むつもりなんだろ?…ルーファス考えても見ろ。妾たち七人の弟子だぞ…わくわくしない方がおかしいだろ。」


 見事なリズィクルの切り返しにルーファスは白旗をあげる。

 そしてリズィクル自身きっとその幼き弟子は自分の期待を裏切らない逸材なのだろうと確信している。

 であれば、翁たちにも必ず力を貸すだろう。

 その事を告げるとエドガーとマサル、ルーファスの目が好奇心で輝く。


「かっかっかっ、そうだろ?!」

「間違いなく楽しみだね。」

「鳥肌たったっす!!」


 そんな様子を黙って見ていたレオンは、かつてこの3人が今回と同じ様に高揚した時のことを思い出し眉根の皺を含めて嘆息した。


「不安も同じくらい大きいがな。……これほどまでに早く翁と合流したいと切望するほど不安な気持ちになったのは、お前らが悪乗りして"魔窟-ダンジョン-"にタイムアタックするって飛び出した時以来だ。」

「「「懐かしいな(ねっ)(っす)っ!!」」」


 3人も当時のことを思い出したのか、まるで良い思い出だとでも言う様な笑みを浮かべて、レオンは両肩を諫めて首を横に振る。そのやり取りにリズィクルは笑みを浮かべて本題に入った。


「それで、エドは普段どうしている。」


「取りあえず俺が扱える武器の全部。相棒に訓練用に一式用意してもらって、只管"型"と"基本"の繰り返しだ。武器を片っ端から使わせてんのは、ガキの時分から得手だ不得手だ。なんて自分で限界を決めるもんじゃねーって考えと、武器を扱う魔物とやる時や対人の時によ、精通してた方がいいって考えたからだ。

 あとは訓練所で冒険者たちに相手してもらう時は、弟子になる前に身につけた歩法、体術の使用は制限してる。当然特異の使用も認めてねえ。相手してくれるやつらには悪いが、そうでもしないと相手にならねぇ。受けと受け流しの訓練にはタコ殴りにされる方が早いからな。」


 問われたエドガーは現在の状況を簡単に説明した。それを聞いていたルーファスは腕を組んで何度も頷く。リズィクルも感心したように頷いている。


「いろいろ考えてるっすね。感心っしたっす。」

「おや?ルーファスは反対しないのかい?」

「反対?どこにっすか。」


 マサルは、エドガーの発言を受け手放しに称賛するルーファスを意外に思って思わずそう口にした。リズィクルはまだ会ってもいないから無理からぬことだが、てっきりルーファスは自身と同じ気持ちになるのではと考えていたのだ。


「訓練とは言え冒険者たちに一方的に殴られてるの昨日この目で見てしまってね、少し厳し過ぎないかと感じたんだ。」

「んー……それで、ルイは辛そうにしてたり嫌々やらされてる感じだったっすか?」

「いつも笑顔だ。どんなにボロボロになってもな。」


 ルーファスは少し考えて、その時のルイの状態を確認すると黙って腕を組んでいたレオンがそう口にする。それを聞いたルーファスは当然だ。と言わんばかりに破顔して口を開く。


「やっばそうっすよねっ。あの子は教えを受ける事、そして成長する事に貪欲っす。使用制限なんてものがなくても、ルイ自身で思い至って自分で制限かけてたっすよ。そうすれば強くなれると思ったら突き進む、向上心の塊ってイメージっす。第一その証拠っすよね?これが。」


 ルーファスが指した"能力値-ステータス-"の用紙を見て、マサルとレオン、リズィクルは「なるほど、確かに」と声を漏らした。


「俺自身は、主にルイの人間性を豊かにしたいと思って接している。ルイ自身が鍛治に興味を持ったんでな。あとは"錬金術-アルケミー-"と楯術といったところか、さすがに俺は打ち込みや模擬戦の相手をしてやる訳にはいかんからな。今はその程度だ。」

「妾が手をかけた後に、的になってやればよかろう。」

「暗器とかの相手もしてやって欲しいっすね。」

「ああ、なるほどな。ルイに一方的に攻撃させるのも訓練になるな…。盲点だった。是非取り入れよう。」


 リズィクルとルーファスの言葉を受けて、レオンはそう呟き深く頷いた。

 エドガーとマサルは顔を見合わせる。恐らく同じことを考えたんだろう。

 "不沈の城塞"と謳われるレオン・ルクシウス・オーペルを的にした訓練。

 2人はルイが自信喪失しないか少し不安になったが口には出さなかった。


「うん……それじゃあ、次は僕だね。と言ってもまだ昨日1日だけだけど、僕の世界の勉強を教えてみたよ。楽しんでくれたみたいだから続けようと思う。リズにも昔に見せた実験とか、エドに何度も説明させられた人体の構造とかね。機会を見て向こうの武術なんかも僕が知ってる範囲で教えて見ようと考えてる。まだルイ君が体術使ってるの見た事ないけど、体術系統の選択肢が増えるなら喜んでくれそうだしね。」


 マサルの話を聞き終えて、リズィクルはしばし悩んだ素ぶりを見せた後にゆっくりと自分の考えを確認するかのように口にしていく。


「なるほど…妾の時と逆になるのか。…悪くないか、いや悪くない。魔法や魔術の固定観念が無い内に、マサルが先に知識を与えるのは大きいと考えるべきだな。妾は、なるべくマサルの進捗にあわせて教えを授けて行こう。それまでは"属性-アトリビュート-"が未鑑定の様だからそれの確認と…この"特異-ユニーク-"2っの検証じゃな。」


「ああ、俺とレオンじゃそっちは後回しにするしかなくてな。特異の事自体も伝えない様にしてたんだ。その件は、マサルとリズに任せてえ。」


 エドガーは、リズィクルとマサルにそう口にした。2人は笑顔で頷く。

 実際、レオンとの話合いでも何度か特異についての対処は話あわれたが、これといって目覚ましい進捗はなかった。

 そのため誤った固定概念をルイに植え付ける訳にもいかず、その件はルイには伏せ対応を後回しにせざるえなかったのだ。

 ルーファスが先ほどの光景を思い出し、リズィクルに話かけた。


「リズも今度機会があったら朝の冒険者ギルドに来るといいっす。"特異-ユニーク-"に対しての認識が崩れて、新しい扉が開くっすよ。」

「あはははっ、そうだねっ!一度目にするといいよ。」


 リズィクルはマサルにまでそう言われて"なにかあるのか?"と視線でエドガーとレオンに問いかける。

 エドガーは難しい表情を浮かべ、レオンですら難色を示している。


「アレはいいのかよ?最初こそすげー笑ったもんだが、最近あれを見るとなんだか凹んじまうだが。むなしいと言うか…なんというか…。」

「俺とエドは対峙した時に、この身に直接喰らってるからな。その気持ちもわからんでもない。せっかくの非凡な能力を我々では伸ばしてやれないとまざまざ見せつけられる様な無力感を感じてしまうと言ったとこだな。」


 リズィクルはそんな2人の発言を受けてもいまいちピンとこない。

 仕方ないので時間を作って直接見ようと一旦この疑問を端に置きやる。

 そしてルーファスを観やりお前はどうする。と目線で問うた。


「俺っちは、そうっすね。実際任務で使いそうな技術と暗器の扱いっすかね。」

「"符術"も教えるんだろ? "筆記詠唱-スクライブ・アリア-"も妾は教えるつもりだしな。調度よかろう。」

「あーそうっすね。」


 "筆記詠唱-スクライブ・アリア-"とは空間や物質に魔力を込めて魔法を発動する際の

 詠唱を筆記する能力で、符術にも使用されることがある。

 そのため、ルーファスが符術を教える際にも、筆記詠唱を教える際もお互いに都合がいいだろう。

 とリズィクルは口にした。それを耳にしたマサルはそれならばと考えを口にする。


「"王立魔操騎士学校"にも行かせてあげたいね。」

「ああ、確かにな。ここに至って大人ばっかだしな。あいつにも同世代のダチは必要だな。」

「そうだな。ルイの情操教育的にも必要だ。あれは少し大人びているからな、子供同士で過す経験もさせるのも大事だな。」

「あらあら、そこでも後輩ちゃんすね。でも俺っちも賛成っす。ルイには子供らしさがちょっと少ないっすからね。」


 マサルの意見に、"王立魔操騎士学校"の卒業生であるエドガー、レオン、ルーファスが頷いて見せる。


「だいたいの方針と貴様らの意見は出揃ったな。有意義ではあるが、そう悠長にしてられん。妾は皆が自慢する幼き弟子殿に挨拶に行くとしよう。マサルはきちんと用意を済ませておけ。迎えの馬車がギルドに来るまでそう時間もない。」

「では、俺はリズをルイの下に案内しよう。」


 リズィクルはそう口にして立ち上がり、レオンがそれに続く。マサルはアイテムボックスを探って手あたり次第に会議机に礼服を広げ出した。

 ルーファスは大きく伸びたあと欠伸を噛み殺す。

 その視界の端で凶悪そうな笑顔を浮かべるエドガーに気付き、訝しげな表情を浮かべた。


「エドっち、顔だけで人殺せそうな笑い方はやめるっすよ。」

「失礼だなっ、てめぇ。いやよ、さっきのお前の化物発言とか、リズの言った7人の弟子ってやつをな……つい想像したら笑えてきてよ。」

「あははっ、エドの気持ちちょっとわかるよっ。」

「おっ、マサルもか?!かかかっ、だろ?これが笑わずにいられるかよ。」


 ルーファスの言葉に、多少むっとしたものの先ほどまでしていた夢想を再度思い出し、つい顔がにやける。そんなエドガーにマサルも同調してニヤニヤし始める。自分だけが話に乗れずにも悶々としているルーファスにエドガーは舌打ちをした。


「ちっ……ルーファス、良いから何も考えずに目閉じろ。」


 言われた通り目を閉じる。目は閉じて見えはしないが、エドガーがそうだと首を縦に振った気配が伝わってきた。そしてエドガーは言葉を続ける。


「ルイがいる。そうだな、成人して背が伸びてるルイだ。」

「どれだけの背っすか。」


 ルーファスの細かい指摘にエドガーは若干の苛立ちを感じるも、我慢して続ける。


「勝手に決めていい…。そのでっかくなったルイが魔窟の中で、俺ばりに武器をぶん回すんだよ。…そうかと思ったら、今度は、お前並にするする懐に入って急所を短剣で一刺しよっ。ふと見ると距離がある先から魔物の群れにリズみてーにバカスカ魔法打ち込んでよ。その魔法も普通じゃねえんだマサルの世界の知恵でよ、俺には詳しいことはわかんねーから表現できねーけどすげえんだ。それでも倒しきれないヤツがいてよ。そいつをレオンばりの破壊力で拳か武器か…なんでもいいけどぶっ飛ばすんだ。」


「んー、清々しいほどの化物だね。僕たちが相手してきた中でも最上位だよっ。」


 ルーファスに倣って着替えの手を止めて目を閉じているマサルも可笑しそうにそう言って笑う。ルーファスも声を出して笑いだす。


「やり合いたくないっすね…でも、わくわくするっすねっ!!翁たちの要素も加わったら、もう笑える騒ぎを軽く超えるっすねっ!!」

「だろ?!もしかしたらでっかくなったら"刀"ふりまわしてっかもなっ!!翁ばりに体術もキレッキレでよ!!あーっあーっ、早くそうなんねーかなっ!!」

「なにやる気になってるっすか…。」


 自分の言葉に乗っかったエドガーが、突然テンションをあげて物騒な事を口走ったのを耳にしてルーファスは目を開け呆れた視線を送る。だが悪びれないエドガーは更に笑う。


「そりゃあよ、師匠は弟子に超えられるもんだろーがよっ!それをな、俺が弱っちくなる前に至って越されてみろよっ!!たまんねーなぁ…たまんねーよっ!!かかっ!」


 子供のように、将来のルイの姿を夢想してはしゃぐエドガーをマサルは優しい目で見つめている。

 ルーファスも口では呆れた様な事を言っているが、満更ではない事がマサルにはわかった。


 出会ってまだ二日たらずではあるが、マサルもまた静かに目閉じ再び夢想する。

 エドガーのそれとは些か異なるかもしれないが、健やかに育ったルイと見知らぬ者たち。

 まだ見ぬ彼が出会うであろう素敵な仲間たちと共に立つ、自慢の教え子の姿を。

リズィクル

「なんじゃ、妾たちがおらんくなってからも楽しそうな話をしているではないか。

 腹立たしい。

レオン

「5人が好き勝手に楽しむ光景を表現するのが辛いのだろう。

 ほら、エドとルーファスが殴り合いまでさせて、一度距離をおかれていただろう。

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