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捕獲
「アキラ!」
ユキが俺の名を叫ぶ。
貧血で目の前が真っ暗な俺の目でも、一瞬だが微かにユキの姿を捕らえることができた。
“ユキ!”
そう叫びたいのに、のどがカラカラで声が出ない。
首を支える力もなく、頭を地面に擦りつけながらもがく。
だが、もがこうとしても一向に体に力が入らない。
耳を地面につけているせいで、ユキを乗せた車が止まるのが分かった。
もう少し止まっていてくれれば体も動くだろう。
そうしたらユキを助けられる。
車のドアが開く音がして、こっちに向かって走って来る足音。
二人だ。
戦わなければ。
しかし、体がまだ動かない。
いや、体ばかりか、意識までもうろうとしてきた。
奴らが俺の体に触れるのを最後に感じた。
“捕獲”
このまま何もできずに、俺も奴らに捕獲されてしまうのか。
そう思いながら、意識が消えて行った。




