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投降
「いたぞー!」
恋の邪魔をする奴は豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ。
と、そんなことを想いながらも、これからのユキのことを考えると素直な振りをするしかない。
“ユキ。頼むから、ここは我慢してくれ”
そう言おうとしたときに、ユキが俺の横をスーッと擦り抜けて奴らに近づいて行く。
続々と集まった奴らの中には、物騒な捕獲用の武器を手にしている者もいる。
少し躊躇って動けずにいる俺とは異なり、ユキは自ら奴らのもとに近づいて、しかも愛想を振りまいていた。
ユキが生きる決心をしたのは明白だ。
その事を確信すると、俺も生きなければと思ってユキに従うように同じ行動をとる。
何が気に入ったのか分からなかったが、奴らは怒るどころか上機嫌で俺たちを迎え入れた。




