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逃走

 全力で丘を駆け降りる。


 丘の下の道を通るユキを目指して。


 道の手前にある大きな石の上からジャンプして、ユキのロープを握っている監視人に飛びつく。


 監視人は直ぐに倒れてノックアウト。


 簡単なものだ。


「ユキ。行くぞ!」


「アキラ!」


 俺とユキは駆けだす。


 なるべく奴等から離れるため。


 そして、あわよくば此処から脱出する。


 少し走ると柵が見えて来た。


 思ったよりも高い。


 俺一人なら、なんとか越えられそうな高さだと思うが、ユキには無理だ。


 直ぐに諦めて小さな物置と小屋の隙間に潜り込む。


「アキラ、逃げて。あのくらいの柵なら越えられるでしょ」


「俺は、もう逃げない。それよりもユキに大事な話がある」


 ユキは首をかしげて素直に「なに?」と返事をした。


 このユキの仕草が可愛くて思わず抱きしめたくなるが、今はいちゃ付いている場合じゃない。


 時間がないので、直ぐに本題を言った。


「ユキ、生きてくれ」と。


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