表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/24

左端と右端の意味

鉄格子に額を付けて左側に聞いてみたが、何も返事がなかったので今度は右側に聞いてみた。


“ユキの事を教えてくれ”と。


 すると暫くして左側から返事が返って来た。


「君、あの子の知り合い?」と。


“そうだ”とだけ答えると、相手は俺の返事などどうでも良かったように話を続けた。


「あの子は、もう永くないよ」


“永くない?”


「ここに来てから、何度も奴らに歯向かっていてね、この前の……ほら君が掴まった時の野外活動でもあの子は反抗的でね、今や地獄の一つ前の(おり)だと言うのに可哀そうに。そうか彼女ユキって名前だったのか」


「地獄の一つ前の檻?」


 聞き返した俺に隣の奴は教えてくれた。


 この檻が命の期限順に並んでいることを。


 つまり、俺は入ったばかりなので一番左端の独房に居る。


 だから左側に話し掛けても、誰も居やしないから返事も返らない。


 そしてユキは一番右端。


 その向こう側は、もうない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ