3.総文字数の範囲ごとに眺めたら?
連載中だと「今は短いが何倍もの量を意図している」可能性もあります。しかし完結作品であれば、作品の長さは明瞭です。
もちろん結果論にすぎず「途中で打ち切った」「当初の予定を超えて書き続けた」のかもしれません。ただ、ある程度は全体のボリュームを意識して執筆するように思います。
ポイントごとに並べると全体と上位で傾向が違っており、おそらく下位には『なろう』に合わせていない作品が多いと推測しました。
そこで上位25%以内、全体の四分の一までを取り上げます。
総文字数の範囲は、四つに分けました。
・第1群: 10万~20万文字(該当:7,461作品)
・第2群: 20万~30万文字(該当:1,884作品)
・第3群: 30万~60万文字(該当:1,803作品)
・第4群: 60万文字以上(該当:870作品)
第1群と第2群は、冊数を意識して10万文字ごとにしました。第3群と第4群は該当数が減るので幅広くしています。
それと10万文字以上全て、30万文字以上全ても合わせて示します。
表3a: 話数・文字数の平均値・中央値(完結10万~,上位25%,総文字数範囲別)
表3b: ポイントの平均値・中央値・下限(完結10万~,上位25%,総文字数範囲別)
「総文字数の範囲」は作品全体の文字数で分けた集団です。他の各項目の意味は「表2a」や「表2b」と同じです。
なおポイントの中央値は上位12.5%以内の下限に相当します。
たとえば総文字数の範囲「10万~20万文字」ですが、
・話数は40少々
・総文字数は14万文字くらい
・一話文字数は3600文字くらい(平均値と中央値の間を例とした)
・ポイントは平均3400弱、中央値1050強、下限260弱
となりました。
一方で総文字数の範囲「30万~60万」だと、
・話数は100少々
・総文字数は42万文字くらい
・一話文字数は4200文字くらい
・ポイントは平均1万2千強、中央値6870強、下限1770弱
でした。
他も同様で、総文字数が増えると一話あたりの文字数も長くなるのは明らかです。これは、
・長い話を書く人は自然と一話あたりの描写も増える
・書き続けるうちに執筆速度が上がる
・最初に比べ更新間隔が伸びた分、一話ごとの描写が増える
あたりが理由だと思います。
話数が多いからだと思いますが、総文字数が多いほど高ポイントになります。「自作はポイント的にどれくらい」と気になった場合、同程度の長さの作品群を参考にしたほうが良さそうです。
ちなみに、より細かい範囲であれば「小説を読もう」の検索で充分に分かります。
「小説を読もう」の「詳細検索」では総文字数の上限と下限が指定でき、更にポイント順やブックマーク順など様々に並び替えできます。
自作と同じジャンルやキーワードを指定して確かめても良いでしょう。
ただし、あくまで「目安」です。
「完結済み10万文字以上」全体で一話文字数は何千文字台が良いか調べたら、かなり広範囲に分散していました。以下に総文字数範囲別の上位25%突破率を掲載します。
図3a: 一話文字数の千文字台ごとの上位25%突破率(完結10万~20万)
図3b: 一話文字数の千文字台ごとの上位25%突破率(完結20万~30万)
図3c: 一話文字数の千文字台ごとの上位25%突破率(完結30万~60万)
図3d: 一話文字数の千文字台ごとの上位25%突破率(完結60万~)
図3e: 一話文字数の千文字台ごとの上位25%突破率(完結10万~)
図3f: 一話文字数の千文字台ごとの上位25%突破率(完結30万~)
「図3a」~「図3d」および「図3f」は掲載した範囲が狭いですが、これは該当範囲の作品数が少ないからです。
該当範囲が20作品未満だと、一つ突破したら5%を超えます。したがって該当範囲が20作品未満の部分を除外しました。
なお、該当範囲の全作品数と突破数を折れ線で付記しました。前者が極端に少ないと割合の精度は低いので、該当する箇所は参考程度が良いと思います。
「完結10万~20万」でも2千~5千文字に充分なボリュームがありますし、上もそれなりにあります。より総文字数が多くなると、ボリュームゾーンの上限は6千文字や1万文字にも広がっていきます。
したがって分量・作風・ジャンルなどに合わせて、自作の最適値を検討すべきでしょう。
ちなみに何ヶ月もの連載の場合、序盤の話は短めで徐々に長くしている作品も多いように思います。したがって導入部と中盤や後半で一話の作り方を変えても良いでしょう。
最後に、総文字数範囲別のポイントの推移について簡単に纏めます。
表4: 上位5%~50%のポイント下限(完結10万~,総文字数範囲別)
「作品の文字数が増えればポイントも増える」……ように思えますが、少し疑問があります。
「全三巻予定の一巻を書いた。でも当初の予定とは違って、そこで完結させた」など、ありそうです。そして終わりにする理由が「あまり読んでもらえないから」でも不思議ではありません。
つまり長く書いている作品は「打ち切らなかった作品」という可能性です。
予定を変更しても綺麗に纏まればOKですし、むしろ無駄のない良作になるかもしれません。それに書き手が言わない限り、読み手には分からないことでもあります。
しかし「ここらで畳むか?」と頭に浮かんだとき、同じ分量の完結作品と比べるのもアリだと思います。
たとえば「10万文字台で300ポイントなら上位25%以内だし、まだまだ読む人が現れるかも」とか。ただし、その人が納得できる方法で比べての話ですが。
あくまで続けたい場合ですが、まだ一巻分や二巻分なら可能性を信じても良いのでは……と。そんなとき本エッセイに記したことが役に立てば、これほど嬉しいことはありません。
感想、お気軽にお願いします。切り口やレイアウトを始め、お気付きの点を遠慮なくお書きになってください。
完結済み10万文字以上に関しては、該当する全作品の「総文字数、話数、ポイント」を取得して保存済みです。加工で済む範囲、そして私が理解できる内容でしたら対応できます(笑)