2.ポイント順に並べると?
表2a: 話数・文字数の平均値・中央値(完結10万~,ポイント順で上位から5%刻み)
総文字数の範囲: 作品全体の文字数による区分け
話数: 作品に含まれる話(部分)の数
総文字数: 作品全体の文字数
一話文字数: 話(部分)ごとの文字数
話数・総文字数・一話文字数は、一作品ごとに得た値を集計したものです。したがって表内の「総文字数」を「話数」で割っても「一話文字数」と一致しません。
表の下二行は、全作品(12,018作品)とポイント上位25%について同じように集計したものです。
上位25%以内に限ると、一話文字数の平均値が約4300文字、中央値が約3800文字です。作品全体の長さなどで変わると思いますが、やはり「一話あたり4千文字前後」は一つの目安になりそうです。
それはともかく、ポイント上位と下位の違いが気になります。
・話数
上位10% → 平均100話を超える
下位10% → 平均30話以下
全体として → 下位になるほど減る
・総文字数
上位10% → 平均40万字近いか超える
下位10% → 平均15万字くらいか下回る
全体として → 下位になるほど減る
・一話文字数
上位10% → 平均4千字を少し超える
下位10% → 平均1万字近いか超える
全体として → 中間が少し下がるが、下位になると二次曲線的に増える
大まかには、こんなところです。
「話数が少ない=細かく分割していない」と考えれば、一話あたりの文字数が増えるのは当然です。実際に新着に乗せるため、細かく区切る人も多いでしょう。
しかし、それだけなら一話文字数のみに二次曲線的傾向が強い理由が分かりません。
一話文字数の推移のみ、グラフにしてみました。
図2a: ポイントと一話文字数の相関(完結10万~,ポイント順で上位から5%刻み)
やはり下位半分になると、一話文字数が急上昇していきます。
ところでポイント順「95~100%」ですが、平均で総文字数15.4万文字、話数27です。つまり約5750字/話、一部の作品が圧倒的に長いのかもしれません。
そこで下記のように一話文字数の分布状態を表現しました。
図2b: ポイントと一話文字数の相関、作品数の割合の区分別積み上げ(完結10万~,ポイント順で上位から5%刻み)
これで分かりました!
ポイント順で上位50%以内だと、一話1万文字以上の作品は数%しかありません。
しかしポイント順「95~100%」では、実に四割以上が1万文字を超えています。それに2万文字以上も17%少々あります。
少なくとも一部に関しては、こういうことのようです。「ポイントが低い」のではなく「ポイントを気にしていない」のでしょう。
・他サイトから一気に転載した
・パソコンにあった昔書いた小説を保管庫代わりに投稿した
・元々の形式に強いこだわりがある
・単純に『なろう』の形式を気にしていない
こういう方もいらっしゃるでしょう。一気に転載する場合、何十回にも分けて投稿するのも面倒ですし。
表2b: ポイントの平均値・中央値・下限(完結10万~,ポイント順で上位から5%刻み)
ポイント: 作品のポイント(総合評価)
ポイントの下限: 該当範囲で最小のポイント
ポイントの中央値で更に細かく下限を理解できます。
たとえば上位5%の中央値は上位2.5%以内の下限、上位5~10%の中央値は上位7.5%以内の下限に相当します。
なおゼロポイントの作品には、ポイント非公開も含まれます。APIにはポイント非公開を見分ける方法がないのです。
ただしゼロポイントは477作品、全体の4%弱です。そのうち幾らかが非公開でも全体への影響は少ないでしょう。
「完結済み10万文字以上」の傾向は、上記の通りです。完結したとき「さて、どのくらいの位置に?」と振り返るのも面白いかもしれません(ポイントを気にしている場合ですが)。
しかし調査対象(全12,018作品)の総文字数は非常に幅広く、下限の10万文字ちょうどの作品から1200万台という超長編まであります。
ポイントの上位と下位では、傾向が大きく異なりました。総文字数10万文字と100万文字にも大きな違いがあるかもしれません。
やはり、総文字数の範囲で分けてみるべきでは?
およそ一巻から二巻の10万~20万文字、続く20万~30万文字……という感じです。最初から「何巻分に」と構成する人もいるでしょうし、そこまで意識しなくても書く前に「このくらい」と思い浮かべるかもしれません。
次話では、総文字数の範囲ごとの概要を示します。
画像を横長にしすぎると、縮小されてボヤケます。でも580pixel以下なら大丈夫です!
ただ580pixelの図表だとスマホなど小さな画面だと細かくなりすぎ……なので図表の幅は抑えめにしています。見出し文字などは程よい感じなのですが。
ちなみにリサイズの件は、なぜか下記の短編作品云々に同梱されています(笑)