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2.連載中と完結済みの違い 補足:ポイントと各種情報の相関関係

 平均値や中央値のみでは誤解を招くと思い、僅かですが各種情報とポイントの相関を示す散布図を追加します。


 前回は平均値や中央値などを中心とした表を示しました。そのため「このくらいじゃないとダメなのか」と誤解された方もいるかもしれません。

 そこで今回は幾つかの散布図を元に、実際は平均値や中央値のみに固まっていないことを示します。


 総文字数、話数、一話文字数は極めて多様です。あくまで平均値は平均であり、中央値は中央でしかありません。

 その上下には多くの作品があります。高ポイントになると収束していきますが範囲は広く、話の区切り方に関しては様々な形が受け入れられているようです。


 なお今回掲載した完結済みに関するデータは、2018年5月上旬に新規取得したものです。三ヶ月での変化は統計値だと微小なものですし、連載中と同一時点のデータを採用しました。



挿絵(By みてみん)


表19a: ポイント・一話文字数の相関(連載中&完結済み10万~,対数表記なし)

挿絵(By みてみん)


 ゼロポイント付近だと、一話文字数は最小の200字程度から6万数千字まで点が連続しています。それに数万ポイントになっても、一万文字越えが一定数はあるようです。

 したがって千差万別と読み取れますが、詳細が分かりにくいのでポイントを対数表記にしてみます。


表19b: ポイント・一話文字数の相関(連載中&完結済み10万~)

挿絵(By みてみん)


 ポイントは100ポイント以上、一話文字数は1万6千文字までに限定しました。

 前回示した平均値や中央値の通り、一話文字数は3000文字から4000文字が中心のようですが、上下とも充分な幅があります。


 ですから平均値や中央値はあくまで目安とし、自身の書き方や作品の内容に相応しい文字数を選択すべきだと思います。

 これは全ての十万文字以上の作品を纏めた結果で、シリアスからコメディ、現実から空想、老若男女様々な人に向けた作品が含まれています。読書歴何十年でリアリティ重視の人に向けた作品と、未成年でライトノベルやネット小説から入った世代に向けた作品では、おのずと書き方が変わってくるはずです。

 残念ながら数字だと、作者が意図した対象層は読み取れません。あくまで個人的な意見ですが、そのような区分があれば作品を探す際にも役立ちそうな気がします。


 以下に連載中と完結済みの集計結果を添付します。ただし傾向は双方とも同様です。


表19c: ポイント・一話文字数の相関(連載中10万~)

挿絵(By みてみん)


表19d: ポイント・一話文字数の相関(完結済み10万~)

挿絵(By みてみん)


 点がバラけているのは区分ごとに分けたため範囲内の数が減ったためです。そして連載中のほうが完結済みより多いので、点の量や密度にも差があります(連載中=16,633作品、完結済み=12,689作品)。



挿絵(By みてみん)


表20a: ポイント・話数の相関(連載中&完結済み10万~)

挿絵(By みてみん)


 話数も一話文字数と同様に広い幅があります。やはり平均値や中央値で示すあたりに集中していますが、他が受け入れられないわけではありません。


 以下に連載中と完結済みを掲載します。ただし傾向は双方とも同様です。


表20b: ポイント・話数の相関(連載中10万~)

挿絵(By みてみん)


表20c: ポイント・話数の相関(完結済み10万~)

挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



表21a: ポイント・総文字数の相関(連載中&完結済み10万~)

挿絵(By みてみん)


 今回は総文字数も対数表記にしています。

 大まかな傾向としては右肩上がりに伸びています。つまり総文字数が増えるほど高ポイントになるわけですが、一直線というには遠いので単純に文字数のみの比例ではありません。

 やはり面白さや文章としての上手さ、選んだ題材の興味の惹きやすさなど様々な要素が獲得ポイントに絡んでいるのでしょう。


 以下に連載中と完結済みを掲載します。ただし傾向は双方とも同様です。


表21b: ポイント・総文字数の相関(連載中10万~)

挿絵(By みてみん)


表21c: ポイント・総文字数の相関(完結済み10万~)

挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)


 一話文字数、話数、総文字数。一定の範囲に集中するのは確かですが、それ以外も幅広く支持されています。これは『なろう』に様々な作者や読者がいることの証左だと思います。

 文字数や話数を決めるのは作者ですし、ポイントを付けるのは読者です。したがって双方に幅広い嗜好がなければ、どこか特定の範囲のみとなるはずです。


 そのため本エッセイで紹介したデータは、あくまで参考情報として受け取っていただければと思います。

 多くが好むところがどうであれ、自分に合った創作法を選ぶ。取り入れても良いところは取り入れるが、芯の部分は譲らない。趣味の創作なのに人の顔色を窺うなど、本末転倒。

 これも一つの境地だと思います。


 ただし「彼を知り己を知れば百戦(あや)うからず」という言葉もあります。

 本エッセイは、そのような考えで記したもので、特定の傾向を推すものではありません。そのため私自身の好みや、実際に選んだ結果には触れないようにしています。

 偏りのない目で読み取っていただくには、執筆者の私見など邪魔でしかありませんから。


 次回は新規調査分の解析結果に入ります。


追記:

 「ポイント・話数の相関」と「ポイント・総文字数の相関」も連載中と完結済みの図を追加しました。


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