はじめに
多くの場合、小説一巻分は約10万文字だそうです。区切りのよい数字ですし、長編志向なら目指す方も多いでしょう。
そこで『小説家になろう』に掲載中の、10万文字を超える長編の全数調査を思い立ちました。
なお以降では、『小説家になろう』を『なろう』と表記します。
連載中・完結済みの全てを合わせると、10万文字以上の作品は3万8千以上もあります。
『ノンジャンル』を除いても2万8千以上、『その他』大ジャンルを除外して2万8千を少し切る程度。
では完結作品に限ったら……1万2千少々と手頃です!
正確には『恋愛』『ファンタジー』『文芸』『SF』の大ジャンル(以降、四大ジャンルと表記)で10万文字以上の完結作品は、12,018作品ありました。
童話も物語には違いありませんが、少々毛色が異なります。それに完結済み10万文字以上の童話は、25作品しかありません。
そこで、まずは四大ジャンルの完結作品を対象としました。以降では、特に触れない限り四大ジャンルを対象としています。
データは「なろうデベロッパー」に記されている「なろう小説API」(以降、APIと表記)で得ました。
収集時期は、いずれも2018年2月中旬です。
今回は文字数(特に一話の文字数)と総合評価ポイントに焦点を当てました。
一話の文字数をどうするか、書き始めるときに悩まれる方も多いと思います。ジャンルや作風に合わせて変えるなど、新たな作品ごとに模索する方もいるかもしれません。
どのようにすべきかを活動報告などで意見募集しているケースも、実際に何度か見ました。
ポイントは多くの方に読まれたかを表す指標として用いました。より多くに読んでもらうには、と悩まれている方の指針になればと思ったのです。
たとえば、分量が約一巻程度の作品としては読まれているのか否か、など。書き終えたとき、続けるか悩むときに一つの指針になると思います。
なお上記ほどではないですが、話数に関しても調査結果を載せています。
『なろう』での評価は主として総合評価ポイントで表されます。
もちろん総合評価のみで「作品の良し悪し」を語ることは不可能です。また異なるジャンルの場合、作品数や潜在的な読者数自体が違うため、ある数値だからどうだ、とも言えません。
しかしAPIで取れる評価関連の値は、総合評価および元となる情報のみです。
そこで総合評価を「より多くに受け入れられたかを示す基準」、つまり人気度のようなものとして採用しました。
ほぼ一年前、短編作品の文字数についても調べました。下にリンクを作成したので、よろしかったら御覧になってください。
そちらでは、一万文字や一万六千文字の短い連載作品の一話あたり文字数についても触れています。
2018年3月4日追記:
今回の調査を思い立ったのは、風倉@こぴーらいた様の下記作品を読み、データ解析の回(第5話・第6話)に感銘を受けたからです。
作品名: なろう作家の火村君は『コピーライター』から、小説の『売り込み方』を学ぶようです
URL: https://ncode.syosetu.com/n9457dy/
※作品の紹介は作者様から許可いただいております。
※ランキングタグを利用して上記作品のリンクを下に作成しました。
本エッセイでは一話文字数の適正値調査や10万~20万文字など、更に細かく分けての分析も実施しました。
しかし風倉@こぴーらいた様の作品には別の切り口も存在します。ご興味のある方は、ぜひ御覧になってください。またタイトル通り主題は『売り込み方』ですので、そちらに関心のある方にもお勧めします。