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第14話 モノクロームの貴女
初めてカメラを持った。
最初に撮るのはサラだと決めていた。
彼女にお願いすると、照れながらも了承してくれた。
後ろのシダレウメくらいほっぺを赤くしながらも、一生懸命レンズを見てくれたサラを撮った。
すぐに現像に出した。
出来上がりの時間をじれるように待ち続け、腕の中の紙袋の中の写真を抱え、走って家に帰った。
部屋に着くと、上着を脱ぐのももどかしく、テーブルの上に写真を出した。
「え?」
自分しかいない部屋で、オレの声が大きく響いた。
試しに撮った写真はすべてカラー。
しかし、サラが写っている写真だけモノクローム。
とにかくサラの写真だけが白黒。
設定まちがった?
撮った順に写真を並べてみるけれど、やっぱり彼女だけ色がない。
どうして?
あのピンクのほっぺの色もない。
サラ、どんなふうに生きてきたの?
なにがあったの?
こんなに色をなくすぐらい?
おかしくてバカ笑いをしていても、
おいしいものを食べて満足していても、
気持ちよさそうに風に吹かれていても、
どこか遠くにいてひとりぼっちのサラ。
サラが写っている写真をつまみ、ながめる。
ねぇ、いつあなたは色を取り戻すの?




