*不思議 な 夢と柄 の ない 剣
今回は少ないです。すいません。
明日以降はまだ多くなる、はず。(未来の自分に丸投げします。)
俺は気を失っている時に奇妙な夢を見た。
いや、正確にはおそらく二度寝した時に見たのだろう。二度寝した記憶はないが。
そこはダストボックス(世界のゴミ箱)のような空間であった。そこを俺、いや、誰かの中にいる俺が見ているような感覚だった。
その誰かは歩いていた…ような気がする。周りには何もなかったから、進んでいるのか止まっているのか詳しいことはわからなかったが。
そして、俺はその誰かの体内からもやとなって出て行く、そんな夢。その夢を見ている間、俺の声のようであって、俺の声ではない。ついでに言えば俺が入っている誰かの声でもなかったような気がする。そんな声が俺には聞こえていた。その声は俺に何かを伝えようとしていた。だがその声が伝えようとしているのは善意ではない。
悪意だ。
あの声は悪意を伝えようとしていた。そんな気がする。
もやとなって出て行った後、俺はぼんやりとだが目が覚めた。何だったんだろうかあの夢は。
「仁、目が覚めたのですね!良かった〜。」
目を開けると、かなりの至近距離顔を近づけているメディスとその隣に立つチェリスが視界に入った。
「えと、ここはどこだ?」
「ここは試練を受ける人たちが寝泊まりする宿屋です。仁が気絶していたので、ここに運び込ませてもらいました」
「そうか。ありがとうチェリス。」
「いえ、これぐらいは誰かに使えるものとして、当然のことです。」
「む〜、仁私も協力したのですよ〜。」
「あ、ごめん。ありがとうメディス。」
「なんかこの世界にきてからの仁。私に冷たい気がします〜。」
「そうそう、そのことでメディスに聞きたいことがある。」
「なんでしょ〜。」
そして俺はメディスに壁画を見てから起こったことを話した。
「私の加護が、発動しなかった?仁それは本当なのですか!!!!!!」
メディスは前世でリハビリをしていた時と同じくらい鬼気迫った顔をしてそう聞いてきた。
「そ、そうだけど。そんなにやばいことなのか?」
「……仁。あなたはメディス様が何の神なのかを知っていないの?」
「……もしかして、加護の神様だったりとか、するのか?」
「……はい。」
マジか。メディスの加護。つまりは他の神様の加護よりずっとすごいであろう加護。それを貫通、いや、あれは発動が封じられた?今はどちらでもいいが、とにかく効力が発揮していなかった。
となると、なにか?神様より強い何かがこの世界にいたってことか?
「……姉様でしょうか?いやでも王国ですよ?そんな中枢に私以外の神の力が封じられた壁画なんて、置けるはず、ないのに。それに神を殺させようとしている?私の加護を無効にできるような存在が?それにそんな強い呪いならば仁が自力で脱出できるわけがない。となると、加護突破力特化?いやそれでも………」
なんかものすごい勢いでブツブツ言い始めたメディスを刺激しないようにひっそりとチャリスに気になることを聞いてみた。
「そういえば、サディスは何の神なんだ?」
「呪いの神です。」
うんまさしく呪いの神っぽいしな。メディスが加護の神の時点で薄々わかっちゃいたけどな。もうそろそろメディスをこっち側に戻しておこうか。
「おーいメディスー。」
「はっ。す、すいません〜、つい長く考えすぎてたみたいです〜。」
「いや、それは別にいいんだ。まぁそのことん関しては今の所、解決できないんじゃないかな。」
「確かにそうですが…。」
「そういえばあの壁画で思い出したんだが、あの柄のない剣。何なんだ?」
「あぁ、あれですか。」
柄のない剣。つまりは素手で刀身をつかむことになる剣。前世ではブォン!!とかビシィィ!!みたいな音を立てて刀身が出てくるやつならば見たことはあった。
「あれの使い方は簡単です。仁、少し後ろを向いていてくれますか?いま、あれを取ってきますから。」
俺は素直にうつ伏せになる。
「では。」
それは怖いくらい無音だった。
それは怖いくらいすんなり俺の体に入ってきた。
そう、俺は今、チェリスに背中を刺された。
だが、痛みはなかった。今の状態はおそらく物質状態。それでも痛みを感じなかったことを考えると、神経は無くなっているのかもしれない。便利である。
っと、話が逸れた。とにかく今俺は
チェリスに背中を刺されている。