【コラボⅣ】 04
「確か……。凪美のヤンキーを束ねている、秋野くん。その彼女(彼)杉岡さんと、川原さん。それと、連れの真城さんとエミルダちゃんと、あと……武井……壮?」
「まぁ、それでいいから、早く対決しましょう? 私達は時間が押してるかもしれないし」
真城がそう言うと、「太鼓の達ドゥー」の向こうから額を拭いながら「ふぃー」と息をつく朱梨がいて、彼に肩を貸している川原も「あなたの負けだよ」と言ってこっちに来た。
朱梨のさりげないボディータッチ。あれでも男なのだから驚く。二人を見て片方が男なんて思うまい。
天使とかそんなレベル。でも、朱梨が天使なら、川原は女神なんだが。
しかし、海紫の近くには、神というか、創造神が居るのだが、今は気にすることではない。
「これでいいんじゃない?」
南原の妹という紗希が、何か四つん這いの人間を引きずって「こっちこっち」と手招きする。
「ってか、美女がいっぱい!? ひぃ、ふぅ、みぃ、やぁ……片手じゃ足りない!?」
「もう片手を使え。 ってか自分を入れんじゃねぇ、五人だ。美女は五人だ」
えっと、朱梨、川原、蒼依、真城、エミルダの五人だろうか。てか、女子全員じゃないか。何故美人が集まっている?
いや、朱梨は男だ。 それで、片手で足りるな。解決だ!
「てか、これって何? 紗希ちゃん」
「ひっどーい、スルーしないでくれる? ねぇ、私もかわいいよね!! ねぇ!!」
「な……。僕は頭数にも入ってないようだ!!」
白峰が言う。が、お前は男だ。残念。紗希は知っていたようだ。 蒼依は思った。
「後で、言っておくよ」
「蒼依ちゃん!!」「知那!!」
「「「……」」」
みんなは絶句していた。そこまで抱きあう女子は目立つのか?
「そして、何のゲームなの?」
「カプセルに入ってフルダイブする格闘ゲーム。6対6のゲームだから、凪美学園の方はちょうどだね」
「じゃぁ、こっちは蒼依と俺と、後四人だれをだす?」
「ゲームの内容に寄るな~。格ゲーってもいろいろあんじゃん?」
北川は咳払いする。そこに柳井が
「レジェンド四人と、黒崎と白峰でいいんじゃないですか?」
と、言えばケインが、決まったんなら、早速。と言わんばかりにカプセルに乗りこむ。
それにつられて、各チームの六人はコントロールルームに入る。
『店内対戦で、秋野くんが碧チーム。私達が蒼チームでいい?』
と、外からの紗希の声に、ケインだけ
「それは、漢字じゃなければ判らないのではないだろうか」
と突っ込む。
『えっと、じゃぁ。秋野くんが朱チームで、こっちが紅チームってこと?』
「もうそれでいい」
ケインは早くも諦めたようだ。
それで、チーム分けが完了する。
すると、ボイスチャットで朱雄がこういってきた。
『俺らが勝ったら、杉岡を貰う』
『え? ボク商品になるの?』
なんて話があった。了承するが、まぁ負けるはずないだろう。
こんなゲーム自体、海紫と朱梨の得意分野であるんだから。――――「 ゲーム 」だぜ?
「「「「「「ゲームスタート!!」」」」」」 「「「「「「戦闘開始ッ!!」」」」」」