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4-2

 


 セルエユ施療院に顔を出してから三日の時間が過ぎた。


 今日も今日とていつも通りに買い出しへ出て街の掲示板へ情報を確認しに行き、開錠状況や攻略状況を把握して、ソナの拠点を訪れる。情報を貰って、仕事があれば出向き、なければ家に帰って装備の確認をする。


 そんないつも通りだったはずの日常に、滑りこんできた奴がいた。


「ねぇねぇネフィー、これ何!? 俺見たこと無いんだけど! すっげぇ美味そう!」

「けっ、なんだよ、僕食べられないのにこんな美味しそうなものばっかり……! 喧嘩でも売ってんの!? もしくは何かのイジメ!?」


 隣でぎゃいぎゃいとはしゃぐ真っ赤なライと、街中で堂々と飛ぶわけにもいかずそいつの腰の鞄から小さく顔を出したジアの恨めしげな声がネフィーの耳に届いた。遠く中央からやってきた彼らは、バデニッシュ近郊の文化や食べ物に疎い。今も露店に陳列されたお菓子のひとつを指差して、きらきら好奇心に満ちた目でこちらを伺っていた。


 本当は答えてやる義理なんてないのに、ネフィーはため息をついて教えてやる。


「マーロン」

「じゃあこれは!?」

「……多分クッキィ。メリのとこで食べたでしょ」

「あ、そっか、でこれは!?」

「メロルロール、パンの一種」

「じゃ、じゃあこれ!」


 次から次へと物を指差しては、これはなんだ、名前は何。

 そんな質問ばかりを繰り返すライにだんだんイライラしてきて、ネフィーは目を眇めた。


「あんたいい加減にしないと殴るわよ」

「だって知らねぇんだもん。いいじゃん、何なのか聞くぐらい!」

「はぁ? 自分で店の人間にでも聞けばいいでしょ、なんであたしに聞くのよ! っていうか何でついてきてんの!」


 毎朝、絶対に遭遇しないようにと歩く道を変えて街を歩くのに、なぜか必ず遭遇してしまうこいつにもっともな質問を投げた。路地裏でも表通りでも、なぜか行く先々にこいつがいる。なんでつけ回されているのか、いや寧ろ付きまとわれているのか理解不能だ。


 だが、この問いに正答を求めたネフィーがどうも間違いだったらしい。ライは満面の笑顔でこう言った。


「ネフィーといれば面白いかなって! ほら、ここは水先案内人としてさ、俺にこの街を紹介するってことで! ね!」

「うざい。死ね」

「ってうわ、そこまで言う!?」


 おいこらざけんな、ふざけんのも大概にしろ。


 そう怒鳴るのを何とか自制したネフィーは、ひどいなぁと苦笑いを零すライからすいと視線を逸らした。本日こいつと出くわしたのは、ソナの拠点を出た後のことだ。何でも今日は街を歩いて回る心づもりであったらしく、「ちょうどいいや、付き合ってよ!」と半ば無理矢理拉致されて現状に至るのであった。


 なぜだかむしゃくしゃして髪を掻きまわしたい衝動に駆られたが、街中で外套のフードを外すなんて自殺行為だと心の底から思っているネフィーにそんなことができるはずもない。代わりに、重い重いため息を吐きだす。


 自分の価値観に変化が生じていないか慎重に確かめるのは、もうここ三日間の日課になりつつあった。こいつと話していると何かが揺すぶられるから縁を切ろうと決めていたのに、こちらが避けても向こうが寄ってくる。こいつと本格的に絶縁するにはどうすればいいのかと思うが、ネフィーは正直ここまで人に精神的な距離を詰められたことがなかったゆえ、絶縁の仕方など分からなかった。嫌われるような真似ならもう散々しているのに、向こうはそれを意に介さない。これ以上何をすれば距離をおけるのか、わからない。


 ああもうどうすればいいのよ、と言う言葉を吐き出す代わりに息を吐いたそのとき、不意に視界に違和感を感じた。


「――、え」


 その違和感の正体に気がつくよりも早く、今の今までへらへら笑っていたライが急に表情を引き締めてネフィーの横をすり抜ける。次いで、幾重にも重なった老若男女問わない戸惑いの悲鳴が彼女の意識に届き、ネフィーは目を見開いた。


「大丈夫ですか! しっかりしてください!」

「う、ぐぉ……ッ、がはっ、あ、あぉあ、!」


 ライが駆けた先にいたのは、メニノ石で舗装された路上にうずくまる一人の若者だった。


 挑戦者か何かの職に就いているのだろう、腰に吊り下げていた短刀の鞘がきゃいんと鳴いて石畳に落ちた。四肢は見た目にも分かるほどはっきりと震え、声にならない悲鳴を上げて胸をかきむしる様はまるで悪魔に憑かれたようで、彼女は一瞬で自分の顔の血の気が引いていくのを感じる。

 若者の周囲にいた住民たちが悲鳴を上げて混乱する中、彼らをかき分けるようにして若者の元に飛び込んだライは若者を抱き抱えて懸命な呼び掛けを繰り返すが、若者にはその声も聞こえていないようだった。


 駆けつけることも逃げることもできず、中途半端なままネフィーが立ち尽くしていると、ライが不意にこちらを振り返った。


「ネフィー、メリさんのとこ運ぶから案内して! 俺、まだ道覚えてない!」

「……え、」

「早くしないと手遅れになるよ! とりあえずどこかで安静にさせなくちゃ……!」


 切羽詰まって声を荒げながら手早く男を背中に背負ったライの眼に、ネフィーは一瞬怯んだ。意思の籠った、強くて凛とした赤い目。ネフィーの嫌いな目。ああ、こいつは腐っても医者なんだと他人事のように思う。どくん、と心臓が音を立てた。


 今ここでこいつの言葉を無視して逃げ出せば、きっと彼はネフィーから距離を置くだろう。そんな思考が脳裏をよぎった。そうだ、あたしはこいつが嫌いなんだ、こいつと距離を置きたいんだ。なら今が絶好の機会じゃないか。口を開く。あたしには関係ないと、そう言ってしまえ。


「……来なさい!」


 ――それなのに、気がつけばネフィーはそう言って、人混みを突っ切るように駈け出していた。






 三日ぶりに尋ねた施療院は、大きく様相を変えていた。


 がらんとして閑散としていた待合室には、患者の家族なのだろう、すすり泣く人々の姿が見えた。何が起こっているのかいまいち分かっていない様子の子どもを、「大丈夫よ」と言いながら抱き寄せる母親らしき人。両手で顔を覆って悲嘆に暮れる若者。祈るように両手を合わせる老人。皆一様に激しく取り乱した様子であり、それだけでも尋常ではない事態だと思い知らされるようであった。


 ライを先導してこの施療院に到着した頃には、もう待合室は彼らで溢れ返っていた。慌てて搬送してきた若者に出迎えた看護士は目を丸くして応対していて、どうも今日は患者の多い日のようだ。それも、すぐに治る軽度の病ではなく重度の病で倒れた患者が多いらしい。でなければ待合室にこんなにも悲壮感が溢れることは無いだろう。


 いつもは人の少ない診察室側には、せわしなくばたばたと行きかう医者と看護士が緊迫した様子で言葉をかわしていた。カルテらしき紙束を抱えてこちらに向かってきていた顔見知りの看護士のひとりがネフィーに気付いたようで、こちらです、と言葉にせず手招いた。


「……行っていいの?」

「院長がお呼びです」


 簡潔に答えた彼女に指定された病室は、廊下の突き当たりにある一番奥の病室だった。滅多なことでは使わないとかつてメリが言っていた場所だ。

 ネフィーが扉の取っ手に手をかけたところで、看護士が耳元で囁いた。


「叫んだり取り乱したりは極力お控えください。それから、心の準備を」


 背後でライが息を呑む気配がした。ネフィーも少し力み肩が震えたが、ここで引き返すなんて彼女の見栄が許さなかった。わずかな間を空けて、ネフィーは意を決したように扉を開ける。


 ――そこで広がっていた光景に、思わず呼吸が止まりそうになった。


「……っ!?」


 スタリアが、舞っていた。


 木造で清潔感の溢れる病室に、真っ白な、ともすれば氷月(アイヴィルム)に降る雪と見間違えてしまいそうな粒子が舞い散っている。その密度はさほど濃い物でもないが、街中で見かけてよい量のスタリア放出量ではない。三時間もこの空間にいれば体調に異変を来たすことはほぼ間違いないだろう。


 そしてその舞い散るスタリアの向こうに、数人の人間に囲まれた寝台で横たわるひとりの人間の姿が見えた。街中で倒れたあの若者だろうが、丁度上半身を隠すように天井から薄桃色の布が垂れ下がっているために、顔は見えない。だが人の間から見える寝台には、この場にはあまりに場違いなものがあった。


 花弁を幾重にも重ねた、ネフィーの知らない種類の純白の花。


 ネフィーは無意識のうちに一歩、二歩と踏み出していた。かつん、と響いた靴音に、寝台の人物を取り囲んでいた人々が一斉に振り向く。その中に見知った顔を見つけた。


「ネフィーちゃん……患者さん、連れてきてくれたんだね」


 いつもの和やかな雰囲気をどこかへ捨ててきたかのように、疲労の滲む不器用な笑顔を向けたメリがそこにはいた。周囲には他の医者や看護士がいるが、皆一様に暗い表情だ。


「あたしじゃないわ。連れてきたのはライ。……これ、どういうことなの」

「まだよく分かってないんだけど、同じ症状の急患さんが街中で出てるみたいなの……今のところ聞いてるのは百人近く。うちにも十五人くらい来てる。急に倒れたって言って搬送されてくるんだけど、……しばらく経つと、こうなるの」


 布で隠れていた上半身を目にし、そして彼女は息を詰めた。


「……なによ、これ」


 横たわったその男の胸からは、白い花が生えていた(・・・・・)


 ちょうど心臓に当たる場所から真っ直ぐに立つその花は類を見ないほど可憐であったが、同時に得体の知れない恐怖を煽るものであった。ぞわりとネフィーの肌が粟立つ。異常なものを見ているというよりは、おぞましいものを見ている、そんな気分になって微かに吐き気を催した。


 胸と、そして寝台を埋め尽くすように咲き誇る白い花は、まるで彼を黄泉へ誘うために供えられたものであるようにすら思えた。二十歳半ばであろう男の頬は青白くこけ、一瞬死体と間違えても文句は言えまい。規則的に浅く上下する胸の動きに辛うじて生命の息吹を確認できるだけで、とても生きているようには見えない。


 空間にまばらに散った白のスタリアは、彼の花から発せられているようであった。

 花粉か何かのように定期的に、花からぽん、とスタリアが生まれ、宙に舞い上がる。

 幻想的だが、悪夢的な光景だった。


 ネフィーは推測した。恐らくだが、この花は横たわる男の体内のスタリアを放出しているのだ。人が取り込み体内に蓄積しておくべきスタリアは、適量を守らねば毒になる。多すぎることは毒であり、そして少なすぎることは生命力の減退をも示す。


 つまりこの花がスタリアを放出すればするほど、この男は死に近づく。


 それを理解した瞬間にネフィーは一歩後ずさりかけた。どうせ自分には関係ない、そんな気持ちでここまでやってきたが、実際に死ぬかもしれない人間を目の当たりにしたのは五年前が最後である。否応なく横たわった若者の姿が記憶の風景と重なり、顔が蒼褪めて行くのを理解する。死ぬかもしれない人間がこれほどまでに恐ろしいなんて、彼女は知らない。


 これはなんだ。病気なのか。こんな病気、有り得るのか。


 喉にせり上がった気持ち悪さに耐え兼ねてそう質問しようと口を開いた彼女の言葉が、口にされることはなかった。


「――ウィルギスっ、無事か!」


 泣きそうなほどに悲痛な響きを伴った若い青年の声と同時に、病室の扉が荒々しく開いたからだ。ついで飛び込んできた群青色の軍服はネフィーを押しのけるように寝台へと駆け寄る。その男の姿を見て、ネフィーは瞠目した。


「……カル」

「ウィルギス、……これはどういうことなんだ。なんだ、この花、……なんなんだ」


 力無く、カルは呟いた。


 がくりと項垂れて眉を下げた、そんなカルの顔を初めて見たネフィーは、戸惑いのままに一歩横へ引いた。こいつはネフィーに気付けないほどに取り乱していて、先ほど入り口で注意の口上を述べた看護士も、再び注意を述べるのは躊躇われたようだ。今にも泣きそうに表情を歪めたその顔は、いつもとは別人のようだった。


「おい、カル、落ち着け。今叫んだってどうにもなりゃしねぇぞ」


 落ち着き払った太めの声の主は、カルの肩に手を置いたアシュだった。彼はすぐにネフィーに気付き、金色の目を少し見開いたが何も言わない。ただただ、部下を宥めるように肩を叩く。その男の顔にはいつものお気楽な気配がひとつもなくて、ネフィーは戸惑った。こんな顔の男を、彼女は知らない。


「……メリの嬢ちゃん。こりゃどういうことなんだ。ウィルギスが街で倒れたっつぅんで慌てて来たけどよ、……死んじゃいねぇんだよな?」

「ええ、亡くなってはいません。……でも治し方が分からないんです。同じ症例の方々がここ数日多数出ているんですが、どれもこれも治療が上手くいかなくて」


 メリの言葉に病室中が凍りついた。

 ……治し方が、分からない?

 彼女もそれに気付かないほど愚鈍な女ではない。努めて冷静に振る舞いながら、


「治療断術が効かないんです。どの種類のものでも効力を示しません――投薬治療に切り替えようともしたんですけど、なにせこんな病気、これまで確認されていなくて。薬が、作れないんです。……治せないんです、私たちには」

「……なにを、ふざけたことを、」


 カルがか細く慟哭した。


「治療断術で治せない? そんな病気、これまで無かったじゃないか……じゃあ、ウィルギスはどうなるんだ。治らないって、そんな、……言っていい冗談と悪い冗談があるだろう、メリさん。ちゃんとこいつの病気は治るんだよな?」

「……ごめんなさい。何とも、言えません」


 沈黙が、落ちた。

 カルは紫水晶の目をきゅっと見開いて拳を握り締め、肩を震わせる。

 アシュはやるせ無さそうに息を吐いた。

 メリも、他の医者も、全員俯いて何も言わない。

 その沈黙はどこまでも息苦しいものだった。窒息して目の前が真っ暗になってしまいそうな、海底深くに沈み込んだような、そんな空気。白く舞うスタリアでさえ彼らを嘲笑っているように見えて、ネフィーは知らず唇を引き結ぶ。


 しばらくして口を開いたのは、カルだった。


「……すみません、メリさん。言い過ぎました。少し、頭を冷やしてきます」


 顔面蒼白で足取りも覚束ないままよろけるように病室を出て行くカルを、ネフィーはただ茫洋とした視線を向けて見送った。ぱたん。扉が閉じると同時、アシュが謝罪するように口を開く。


「悪かったな、メリさん。ウィルギスとカルは同僚でよ、仲が良いんだ。あいつも混乱してるだけだから、気にしないでくれ」

「……いえ、いいんです。いいんですよぉ」


 メリはそう言ってぎこちなく微笑んだ。

 そんな顔を見ていることに耐えられなくなって、ネフィーは思わず目を逸らした。やりきれない、なんて思ったのは本当にいつ振りだろう。去り際のカルの顔が目に焼き付いて離れない。いつも彼女に突っかかってきて元気に文句と嫌味を並べ立てる、生真面目な男はどこにもいなかった。ただただ友人を案じて自分の無力を呪う男だけがいた。まるでそれは、かつての彼女のようで――、


「……ミア?」


 唐突に、そんな声が背後から聞こえた。悔しいことに聞き間違えるはずもない、ライの声。

 ただしその声には疑問と動揺が込められている。


 ミア? それは何だ、そう訊こうと訝しげな表情のまま背後を振り返ろうとして、ネフィーは硬直した。


 たっと赤い影が彼女の真横をすり抜け、寝台に喰いつく様な勢いで立ち止まる。そして数秒間、まじまじと寝台の上の彼を見つめたかと思えば、そいつは矢継ぎ早に質問をしたのだ。


「メリさん、最初の発症はいつ? 最初の患者さん」

「ふぇ? え、あっと、一昨日だよ……?」

「患者さん――ウィルギスさんは昨日の夜は何してたの?」


 この問いにアシュが即答した。


「あぁ、昨日の夜はエリア攻略だ。そこのネフィーが開けたイグニシア・エリアの第三地帯を攻略してた。特段変わった様子は無かったはずだぜ。今日私服なのはこいつが非番だったからだ」

「メリさん、患者さんに共通点は?」

「え、えっとぉ、北西地区の人が多かったかなぁ……? 一般人の地区だよ?」

「おじさん、第三地帯に昇降断術は?」

「……おぉ、そういやあったな。別に変わったところは何もなかったと思うけど。……じゃなくておい坊主、お前さんも医者なのか?」


 アシュの問いにライは答えなかった。ひとり考え込むように右手を顎に持っていき、不規則に指と指を叩く。まるで何かのリズムを刻んでいるようなその動作の意味は分からなかったが、何やら真剣に考え込んでいるらしいことはネフィーにも察せられる。もぞ、とライの鞄の中のジアが身じろぎする気配がした。


 突然の闖入者にそれ以上誰が何を言うことも出来ず、沈黙した直後。

 ライの真紅の瞳が、大きく見開かれた。


「……やっぱりそうだ」

「は? あんた、やっぱりって」

「何でこんなところで……あれが普通の人に発症するはずないのに……あれはミアにしか発症しないはず、なのに」

「……ちょっとあんた、話聞いてる? ミアって何よ? ちょっと、」

「ごめんネフィー、黙って」


 思わず口をつぐんだ。


 ライにしては珍しい語気の強い言葉に気圧された自分をほんの少し腹立たしく思いながら、そいつの顔をじっと見つめる。その顔には、真剣さと焦燥と僅かな戸惑いがせめぎ合っていた。強酸性の湖で死者を弔ったあの時よりも大真面目で、どこか寂寞感溢れるその顔にネフィーは困惑した。

 あれ、こいつ、こんな顔もできるのか。あんなにふざけたような態度ばかりで、能天気なバカだと思っていたのに。


 メリを含めたほとんどが、困惑と驚愕を孕んだ視線をライに向ける中、奴はぽつんと呟いた。


「そっか……昇降断術だ……あれに引金が拡散されてるんだ。恐らくはスタリア呼応種か、波長類似種への感染か、もしくは無作為抽出……だとすれば感染拡大は防げるけど治し方が……」


 ……?

 聞いた事のない単語がライの口から飛び出して、ネフィーは目を丸くした。スタリア呼応種、波長類似種、どちらも聞き覚えがない。ちらとメリやアシュたちを伺うと、こちらも聞き覚えがないようでぽかんと間抜け面をさらしている。


 戸惑いのまま再び視線が集中した直後、奴はハッとした顔になったかと思えばすぐに真剣な顔になり、そして爆弾発言を投下した。


「治し方、分かった」




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