さみしがり。
ずっとずっと、続けばいいな。
君と一緒の日々が、ずっと。
「おはよー」
元気よく教室に入ってくる彼女。
クラスメイトほぼ全員に挨拶をして自分の席に座る。
そして横を見て、彼女は笑う。
「おはよ、××くん」
「・・っうん、おはよう」
僕は彼女の笑顔が好きだ。
しかし、その笑顔は誰にだって平等に与えられてしまう。
僕だけじゃ、ないんだ。
「ばいばい、××くん」
「・・・・うん、ばいばい」
向けられる言葉も、優しさも。
全て量産されている。まるで義理チョコみたいに。
「あー、宿題忘れたー」
彼女の学校での感情は、全て同じものだ。
本当の意味での彼女ではない。
どこかで聞き覚えのあるフレーズ。
前にも聞いた言葉の使い回し。
そして、彼女はいつも同じ笑顔。
彼女が好きだ。
違う彼女が見たい。
僕の頭に、邪な考えがよぎった。
「いや、だめだよ」
彼女に無体なことはしたくない。
できることなら全て彼女の意思で行わせたい。
でも、どうすれば?
どうすれば、彼女にとっての特別になれるのだろう。
友人、親友にだって見せない顔。
僕がそれを見るにはどれほどの努力が必要だ?
「うぅ」
頭を抱えてもなにも考えは浮かばない。
むりなんだ。僕には彼女の傍らは似合わない。
彼女の中に残れないのだから、せめて。
沢山ある彼女を一つでも多く自分の中に残していこう。
「××くん、おはよう」
「ばいばい、××くん」
彼女の声がする。
夢なのか現実なのか。わからなくて。
ぽろ、と涙が零れた。
「××くん、起きて」
いやだ。
彼女の声に初めて拒絶した。
もう、彼女の声が怖くて。
居なくなってしまうのが、きけなくなってしまうのが、怖くて。
「んーどうしよう。最後に言いたいことあったのに」
今日が最後なんだ。
学校で彼女に会えるのは。今後の人生で彼女に会うことはないだろう。
「しょうがない、かな」
最後まで彼女はこのままなのだろう。
そう確信した、のだが。
彼女の声がとても寂しそうで。
つい、目を開けてしまった。
「あ、おそよう。××くん」
「なんで」
「ずーっと寝てるんだもん。お話出来なくって寂しかったよ」
口を尖らせて彼女は言った。
変わらずあの笑顔だ。僕はなにも変えることはできなかったのだ。
彼女の中にもう僕はいらないのだ。
そう思っていた。
「あのね、××くん」
まるでそれは魔法の言葉。
僕の未来を変えた特別な呪文。
「これからもずっと──」
という夢を見たんだ。れんです。
こんなことあったら私枕で涙がびしょびしょですよ(意味不明)。
うーん、リア充の幸せってわからないですね。
なったことないですし、なりたいと思いませんし。
別に負け惜しみとかじゃないんですよね。
地味な潔癖なので他人に触られるのが根本的にアウトなのです。