元介護員の奮闘
俺は、元介護員で、精神科で患者に背中を向けて後ろから首を締められて死んだ。
ヘルパー一級の資格と介護福祉の資格取ったから、次はケアマネでも取ろうかな?って思った矢先にこれだよ!!生きるのに疲れたからゆっくり休みたいと死ぬ間際に願った結果がデスルーラ的ななにかですよ?なに?新手のいじめ?え?てか、ここどこ?もっかい死んだら帰れるとか?
そんなことを思っているとなんか近くで罵声が聞こえた。死ぬんだったら喧嘩止めてから死のう…そう考えて声のする方向に行ってみた。
「悪魔の子供を産み落としたお前も悪魔だ!!」
…悪魔?どこに悪魔がいるんだよ?俺にはダウン症の子供を庇う母親の姿しか見えないけど?って、なんか外人の言葉がわかる…だと?英語の成績は10段階評価で3以上とったことない俺が?まぁ、言葉がわかるに越したことはないけどもな?…取り敢えず喧嘩止めてから考えよ…さり気なさを装って、
「どうしたんですか?」
営業スマイル120%で物凄く柔和な笑みで語りかけた。勿論、相手を少しでも落ち着かせるために口調はあくまでも柔らかく、
「あ゛?」
物凄く怖いです。体格がガッチリした190ぐらいありそうな人が睨んだら誰でも怖いと思うんだ!!!関係者は引っ込んでろって意味合いのあ゛?ってことだろうけど、ここは少しでも情報が欲しい。怖いという感情を少しでも見せたら何を言っても説得力にかけるのでこの場合は、柔らかく言い聞かせるように、ただし、今回はあまり笑顔を作りすぎると胡散臭さが滲みでるので、苦笑、または困った表情で、
「いえ、悪魔と言う言葉が聞こえたもので…」
先程聞こえた単語を口にすることで相手は少し怒鳴りすぎたと、日本人なら反省はする。だが、外人にこの手が効くのかってところだが…
「もしかして、巡回者か?」
なんかよくわからんが、勘違してる?
「それに近しいものですが、大層なものではありませんよ。」
こういう風に言ったら大層なとこについてる人物っぽく見えると、同期の人が言っていたので、やってみた。なんか物凄く強ばった顔してるけど、やっぱ勘違いしてる?
「まさか、聖職者さまですか!?」
無宗教者なんで神には遣えられねぇよ?
大袈裟になったりしたら後からのフォローが絶対大変だよな…
いや、待てよ?
ここで訂正したら子供を助けられないよな?
「…」
黙って微笑んで見た。なんか、「神々しい…」とか「若返る!!」とか訳の解らんことを言っているが、昔の日本の治療も唾つきときゃ治るとか、電気流しゃだいたい大丈夫とか適当な感じだったらしいしな…この反応もファンタジーの世界じゃ当たり前なのか?
「いえ、この子供の肌をご覧下さい。見ての通り、赤く腫れ上がり、目が釣り上がっているでしょう?この悪魔は生まれつきこの顔でして…聖職者様にお見せするような者ではごさいません!!」
急に手のひら返して…
しかもご覧下さいって言ってるのにお見せするようなってどっちだよ!!
「その幼子は悪魔ではありません。」
少し、声のトーンを下げて、だが声を荒らげては威圧感が勝ってしまうので丁寧な物言いで。そして少し貯めて次の言葉を発する。
「その子供は、ただの幼子です。」
その言葉で子供の母親がハッとした顔をしてこちらを見た。
「確かにその幼子の肌はほかの子供より赤く硬いです。それでも、血は赤く、刃物が当たれば傷がつく。その幼子はほかの子供よりも言葉を覚えるのは遅いかもしれませんがそれでも、ゆっくりと、言葉を覚えていくのです。母が愛を注げば喜びを感じ、怒られれば怖いと思う。どこにでもいる、ごくごく普通の子供ですよ。」
子供の母親は、涙を流していた。
子供を強く抱きしめて、
「ありがとうございます」
と呟いていた。
男は、何も言わずにその場を立ち去っていった。
俺は、ポケットの中に入っていたハンカチを取り出してこう言った。
「子供を守るためには、涙をこらえなければならない時も沢山あるでしょう。けれども、今はまだ泣いても許されます。貴方が涙を堪えられる様になった時にでも、これを返してください。」
そう言って俺も立ち去った。
行くあてもないが、あの母親がハンカチをすぐには返せないぐらいには遠いところじゃないとな…
これは後に、聖母と御使いの出会いの章として謳われたものである。
また、御使いが現れた序章としても有名な戯曲であり、天への帰還の次に有名と評される曲である
この小説は本来長編の予定のものを力尽きて設定を深く決めずに感情のままに書いてしまい、読み返しても何が書きたかったんだ…と思いますが、勿体無いので載せました。今の状態を名言に置き換えいうならば、
「まるでおれがごみのようだー」