1‐1 転生
男は人生に飽きていた。
昔は神童だなんだもてはやさていたが、調子にのり遊び惚けていたら気づいたらニートになっていた…
「神童も二十歳過ぎればただの人」とはよく言ったものだ。
まぁ半分以上自分のせいだが…
自虐しててもしょうがないかと思い、いつものようにネットを見ようとパソコンに電源を入れたところで目の前が真っ暗になり記を失った…
「御屋形様おめでとうございます。元気な男の子にございます」
「でかした‼」
あまりに大きい声がして目を覚ましてみれば知らない男の顔が目の前にあった。
顔が近い近い‼このおっさん誰だよ‼と思いつつ周りを見てみれば、見慣れない和服を着た人が沢山いた。
なぜ和服?と思いながらも先ずはここがどこなのか、
そして誰なのか聞こうと声を出そうとしたら声が出ない‼いや正確には出ているんだが話せない‼ひたすら「あぅあぅ」というばかりだ
さすがにおかしいと思い自分の体を見てみればすべてが小さい‼
まるで赤ちゃんのようではないか…
いや赤ちゃんじゃん‼どうなってんのこれ‼
ビックリしすぎて情緒が不安定になってきたのかおもわず泣いてしまった。
生まれてから久しぶりに泣いた
そう赤ちゃんが泣くように…いや赤ちゃんなんだけどさ…
「おうおう元気な泣き声じゃ」
俺を抱いていた男は嬉しそうに笑み崩れていた。
俺はといえば泣きつかれたのかすぐに寝落ちしてしまった……
それから数か月がたち今がどういう状況なのか、周囲の話していることを聞きながら少しずつ理解していった。
今の時代が戦国時代という事。
俺が蘆名家の嫡男だという事。
そう転生したのだという事を…