第十三話 男女
「平川先生って、男性に生まれたらとか考えたことあります?」
俺はスマホの画面を流し見しながら質問する。
「あー、あるな。でもどうしてそんなこと聞いたんだ?」
「この記事に、女性と男性はどちらが生きずらいかっていうのがあるんです」
平川先生は呆れたように答える。
「そんなもん人によるだろ。性別なんて関係ない」
「そう言われたらそうですが、相対的にって意味で」
すると平川先生は少し間を置き口を開く。
「私は男に生まれてないから分からない。だからあれこれ言う資格はない」
当然の考えである。
俺はさらに深堀しようとさらにスマホに検索をかけた。
「逆にレンは、女に生まれたらとか考えたことはあるのか?」
「そりゃ、ありますよ。女性に生まれたら少なくともこんな所では働かないです」
苛立ちが顔に出ている平川先生をよそにもう一つの記事を見つける。
「こんな記事もありますよ。女性差別をなくそうっていう内容です」
「へ~。なんて書いてあるんだ?」
「女性の社会進出を目指そうとか」
平川先生はそれを聞き俺のスマホを覗き込んだ。
「なんだこの記事。ふざけたことしか書いてねーな」
「なんでです?俺にはまともに見えたけど」
その記事には女性の社会進出の割合などのデータがちゃんと乗っている。
「そもそも女ってもんはな、生物の役割として子供を産み育てるという進化してきた」
「確かに生物の進化ではあってると思いますが、今は令和ですよ」
「令和かなんだが知らんが、少なくとも今更女が~なんていうのはお門違いだとおもうがね」
俺のスマホを取り、さらに続ける。
「女が社会進出できる法律ができたのは戦後のすぐあとだ。その時に色々と文句がでるはずだろ。なぜ今になって差別の声がデカくなるんだよ」
「今の時代は、昔より働きやすくなったからそういう文句が今出るのも不思議じゃないですけどね」
「まぁ、そうだな」
納得する平川先生。
「ただ、実際文句として出ているのは女を出世させろとかもっと賃金を上げろとか言ってるんだろ。そこが意味が分からないんだ」
「なぜです?」
「出世したときや給料が上がった時に必ずついてくるのは責任だ。その責任は男が背負えなんて言ってるから意味が分からない」
「でも責任はだれも背負いたくないですよ」
「確かにそうだが声を上げてる女はこぞって責任は取りたくない、でも金は欲しい、というわがままだ。そんなわがままが通用するのは小学校までだろ」
「さらにいうと今の法律では女は生きやすくなったと思うがね~」
俺のスマホを返してソファに座り、コーヒーをすする。
「女は男と違って、自分の声ってのが通りやすくなっている」
俺はスマホを閉じ平川先生の言葉に耳を傾ける。
「男のやらかしはすぐ批判されメディアなんかがこぞって報道するが、女のやらかしはダンマリだ。さらに男が被害者の場合は証拠なんかを慎重に集めたりして捜査をするが、女は被害者の声だけで証拠になる」
「女に有利な法律がどんどん出てきてきた。男は今まで通りの扱いだがな」
俺は少し納得する。
「これだけでも今の時代は女が生きやすくなってるのは間違いない」
平川先生は俺を見て口を開く。
「まぁでも、女は精神的に楽になっても生理的では楽ではないがな」
「何ですか俺を見て……」
「女のことをもっと知りたいか?」
少し微笑みながら着ている服を脱ごうしてきた。
「誰が三十路に近い人のことに興味を持つんですか」
「お前覚えとけよ」
そう言い、今日は依頼が来なかったことに期待感を薄れさせながらも楽しくアパートで過ごしたのである。
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