表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編小説どもの眠り場

永遠の愛の感じ方

作者: 那須茄子

 バイバイと手を振る彼に。

 私は深々と胸にナイフを突き刺す。

 あっという間に、彼の胸元は朱色に染まる。見ていて、安らぐ。彼は今死に絶える刹那。


 彼は歪んだ顔で、何か口を開けかけて..でも諦めたように倒れた。


 私が欲しかったのは、彼の中。

 ナイフを抜き出せば、血が吹き出た。

 来ていたコートは一瞬で、赤く血みどろに変色する。まだ生温かい。


 髪を耳にかけ、彼のぱっくり空いた胸の穴に口を這わす。

 そのまま、吸い込む。

 

 じゅるるぅぅる。


 口の中が満たされる。

 ぐちゃぐちゃした物で口が一杯で。

 柔らかい物は呑み込んで、固い物は噛み砕いた。

 さっきまで空腹だったお腹が膨れてく。

 ただ無我夢中で私は、彼の中の具を貪った。


 すっかり空っぽになった。

 

 出来た、()()()()だ。


 私は彼との想い出の品々を、彼の中に詰めていく。

 さぞ彼も幸せだろう。

 その体全体で私達二人の幸福を感じられるのだから。


 永遠の愛が手に入った。

 これで彼も他の女と浮気なんかしないだろう。

 幸せの形を私は、手に入れた気がする。

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 


 

 


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ