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原作との乖離

ゲームでは戦闘はターン制だったが、現実となった今はそうはいかない。今回の機械獣が相手なら2人は一撃で倒すことができる。しかし、攻撃音につられて近くの機械獣が集まってきてしまい乱戦状態に。結果として苦戦を強いられている。


「くっ!今度は3体同時か!」

「いきます!え~い!」


機械部品で構成されたイノシシのような見た目の機械獣が3体突進してくるが、1体を遠距離で撃破、残りの2体を焔君が叩き伏せた。


「ふ~、今のでこの近くの奴はいなくなったかな。」

「はい!残りは少し遠くに感じる集団だけですね。」

そう言って2人は休憩し始めた。


やれやれ、ようやく僕も休憩できる。乱戦となり火球を乱れ打ちするようになってからは人手が足りず、分身を増やして対処していた。透明な5人の僕が音もなく火を消して回っている姿はシュールだったが今のところ火事にならずに済んでいる。



「そういえば桜はどうしてこのクエストを受けようと思ったんだ?」

休憩中、ふと焔君が問いかける。


「わ、私!コロシアムでの焔君と犬神君の決闘を見て、その、すごくかっこよく見えて、出来たらと仲良くなりたいな~と思ってたら、焔君がクエストを受けるのが後ろの席から見えたから…迷惑だった?」


だんだんと声が小さくなっていき不安そうに焔君を見つめる奥村さん。


「そんなことはないぜ!これからよろしくな、桜」

「うん!」

「へへっ、なんか照れるな」

そう言って2人は赤面しながら笑いあう。


これだよこれ!これを見に来たんだよ!なぜか消防活動をすることになってしまったけどこのイベントを見に来たんだよ。一人物陰で感極まっていると、遠くに感じていた機械獣のエナジーが跳ね上がる。このことに2人も気づいたようだ。


いよいよこのイベントのクライマックスだ。


「こ、これは…!」

「どうやら長く休憩しすぎちまったみたいだぜ…!」



機械獣は出現してから周りのエナジーを吸収し続ける。そして、吸収したエナジーが一定以上になると進化をするのだ。この際対象の機械獣のレートは2つ上がる。つまりはこれからCレートの機械獣と対決することになるわけだ。


「早く向かおうぜ!」

「うん!」


2人は走ってエナジーの発生源に向かい、近くの茂みに隠れて様子をうかがう。するとそこには、数匹のEレートのイノシシを従えて歩いている2まわりほど大きく、頑強そうな体をした大猪がいた。


「ど、どうしよう、焔君」

「…悔しいが、あいつに勝てる気はしねぇ。一度山を下りて応援を…」


そう話し合っていると、急に大猪が2人が隠れている茂みに向かって突進をしてきた。

距離があったことと、狙いが正確でなかったことが幸いして2人共避けることができたが、2人とも姿をとらえられてしまう。


「くっ!位置がばれたか!」

「こうなったら全力です!」


そう言って奥村さんが両手を上げると頭上に特大の火球が現れる。それが腕を振り下ろすと同時に目標に飛んでいき、爆音とともに辺りが煙に包まれた。




「はぁ…はぁ…、どうですか?」

「やったか…?」


しかし願いもむなしく咆哮により煙が吹き飛ばされ、そこには顔面が多少溶けてはいるもののいまだ健在な大猪の姿があった。周りのイノシシは倒せたものの大猪だけでも2人には荷が重い。


「そんな…私…もう…」


そう言って奥村さんは膝をついてしまう。おそらく今の一撃でエナジーが尽きたのだろう。


…ん?


「桜、さっき言ったとおりに一度山を下りて応援を呼んでくれ。」

「焔君はどうするの?」

「俺はここであいつの足止めをする。」

「そんな、それじゃあ焔君が危ないよ!」

「俺のことなら大丈夫だ。…いけ‼」


そう焔君が叫ぶと奥村さんはためらいながらも学園の方へ走っていった。


おかしい、ここは本来2人で大猪に挑むイベントのはずだ。それが今では焔君一人で挑むことになっている。なぜ原作と違うんだ…なにが…


原作と乖離した原因を考えている間に大猪と焔君の戦闘が始まっていた。大猪の突進をどうにか避けて側面から攻撃を加えようとしているが、大猪の巨体ゆえか完全に回避することができず、致命傷は避けているが傷はどんどん増えていく。それにエナジーもここまでの戦いですでにかなりの量を消費してしまっている。


…傷…エナジー…そうか!ポーションがないんだ!


ゲームでは回復アイテムとして存在していた各種ポーション、それを彼らは持っていなかった。

いや、持つことができなかったんだ。学校の購買や保健室で手に入れることができるそれらを見かけた記憶がない。保健室に青や緑の液体はなかったし、購買にも変わったものは売っていなかった。くそ!こんなところまで現実みたいになっているのか。


まずいまずいまずい!もう焔君は限界だ。いくら強化されているとはいえまだまだエナジーの総量が低いため限界はすぐに訪れる。


「父さん…ごめん…」


そう呟いて前のめりに倒れてしまう。そこにとどめを刺すために大猪が突っ込んでくる。


こんなところで…物語は終わらせない!


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