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自身の強化 そして原作へ

 あれから家に帰ってきて、今目の前には僕だけのものとなったエナジーコアがある。さて、こいつについてわかっていることをまとめてみよう。

 まずはコアの特性として触手みたいなものを出せるし、自分以外のエナジーを取り込むことができる。

 そしてもう一つ、試しにこいつが封印されていた研究所周りの植物などからエナジーを奪ってみたら、こいつの持つエナジーの総量が増えていることに気が付いていたのだ。

  

 しかし、これで大幅なパワーアップは望めないだろう。単純に効率が悪すぎるのだ。コアに比べて、その他の生物が持つエナジーは微々たるものなので、この方法でパワーアップするためには日本中の森を枯らす勢いでエナジーを取り込まなければならないだろう。


 そこでふと「こいつはコアを取り込むことができるのだろうか」と考えた。コアは膨大なエナジーが物質化したもので、それと融合することで本来微弱なエナジーしか持たない人間が強大な機械獣と渡り合うことができているのだ。これでコアを取り込むことができれかなりの強化になるだろう。だが、現状他のエナジーコアを入手することは難しい。機械獣からコアを得ようにも戦闘経験がなく、まだエナジーがさほど多くはない僕では勝つことはできないだろう。それに戦闘に時間をかけると軍隊が来てしまう。仮に見つかってしまえば非常に面倒くさいことになるだろう。


 そこで狙うのはすでに融合されたことのあるエナジーコアだ。機械獣から取り出されたばかりのコアは無垢な状態であり、そこから融合した人物のエナジーに染まるのだが、エナジーは一人一人指紋のように違うため、染まってしまったコアはその人しか使えないのだ。そうなると使用者が何らかの理由で機械獣と戦わなくなった場合、そのコアはどうなるのだろうか。


 答えは研究されたり展示されたりするのだ。ただし、研究はあまり進んでいない。僕は原作の設定などから知ってはいるが、この世界ではそもそもエナジーコアの構造がよくわかっていないうえ、使える人が限られているのだから当たり前だろう。展示に関してはガラスケースの中に「○○が使用したエナジーコア」として使用者の経歴の概要と共に展示されている。


 …どうにかして展示品を奪えないだろうか?




 今、僕は博物館にいる。率直に言ってすさまじい圧だ。エナジーコアと融合したものは他者のエナジーを認識できるようになり、作中でも主人公勢が強大な敵のエナジーに屈しそうになるシーンが何度もあるが、今その気持ちがよく分かった。コアから噴き出すように見えるエナジーに気を抜くと押しつぶされそうに感じる。これが実戦を経験したコアか、ぜひとも手に入れたい。しかしどうやればいいのだろうか?


博物館内をぶらぶらしていたら、ある扉の奥から複数のエナジーを感じた。これはコアか?でも扉は締まっているし、展示スペースでもなさそうだ。…あ!保管庫か!おそらくこの扉の奥に展示予定のエナジーコアが保管されているのだろう。ここならば展示されているものを盗むよりも発覚が遅れるだろう。そうと決まればさっそく行動…といきたいが、残念ながら人目も監視カメラもある。実行は夜間になるだろう。親は…夜にこっそり抜け出せば見つからないだろう。



深夜、親が眠っていることを確認し、自分の部屋の窓から飛び降りる。エナジーコアと融合した人間は超人的な力を得る。子供の体の僕でさえ家の2階から飛び降りてもかすり傷一つしないし、車と同じくらいの速度で走り続けることができる。そうしてやってきたのは例の博物館だ。中にはさすがに入れないので外から攻めよう。裏手に回り監視カメラに映っていないところに行くと、コアから触手を伸ばす。そして壁面のコンクリートに触手で針金ほどの穴をあけそのまま床下を掘って保管庫を目指す。時間はかかるがコンクリートを削ることはできている。昼間の記憶を頼りに保管庫まで触手を伸ばし、感じ取れるエナジーを頼りに近くのコアに触れて取り込もうとしてみると…


 やった!取り込むことができた!触れたコアが溶けるようにして触手に吸い込まれたのだ。しかもエナジーの総量が取り込んだコアの分増えていることがわかる。

 しかし、ここであることに気づく。コアがなくなったと知られれば警備が強化され今後同じような手段を取りづらくなってしまう。何とかできないだろうか?そこで思いついたのは「取り込むことができるなら分離することはできないだろうか」ということだ。


 やってみたらできてしまった。しかも分離するコアをいろいろいじれるようなので、外見はそのままにコアとして成立するぎりぎりのエナジーを与えて分離した。これでエナジーを知覚できない一般人からはわからないし、エナジー自体は元のものから変えていないのでエナジーを知覚できる人間からしてもコアのエナジーが少なくなっていることはわかっても、それ以上は分からない。

 僕の体質とこのコアの特性の合わせ技だ。この調子で保管庫中のコアを取り込んでいこう。今後、展示物の入れ替えなどもあるだろうし、定期的にここにはお世話になるだろう。


 家に帰り、元の窓から部屋に入る。ここまで誰にも見つからなかったはずだ。今回の収穫は大量のエナジーともう一つ、このコアの新たな特性がわかった。それは取り込んだコアの特性を使えるようになるということだ。

 気付いたきっかけは、コアを取り込んだ時、急にエナジーの探知範囲が広がったり、視界が広がったりしたからだ。

 人のエナジーに特性が発言することはめったにない。しかも特性があってもエナジーの量が少ないので、ほとんど効果がないこともある。例えば身体を強化する特性のエナジーがあっても人間が持つ程度のエナジーであれば強化倍率も低い。

 しかしエナジーコアは染まったエナジーによって何かしらの特性を発現する。すでに特性を持っている人はその特性が強化されるし、持ってない人でもコアに特性が発現する。融合した際、手から火や水を出せるようになることは珍しいことではない。


 これはかなり使えるな。場面において適切な特性を使うことができれば生存率は大きく上がるだろう。幸いにも保管庫にあった分のコアの元の持ち主については調べがついている。しかし、特性がわからないコアを取り込んでも、それが能動的に発動させるものであれば特性を使うことは難しいので、取り込む際は下調べが必要だろう。

 能力の把握ともう一つ、今回だけでもエナジーの総量がかなり増えてしまったのでこれを一般人レベルまで抑えるようコントロールすることも必要になった。

 やることは山積みだが、ようやく原作突入の準備ができた。今のうちからワクワクが止まらない。


待ってろよ、原作!



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