最強を超えるであろう力を手に入れる
初投稿です。
目が覚めると見知らぬ少年になっていた。
…いや、なんで!?
少し記憶を思い出してみよう…えーと、確か会社を出て家に帰る途中で、後ろから悲鳴が聞こえたと思ったら、、、
あぁ…きっとトラックにでも引かれたのだろう。だって横からものすごい衝撃受けたからな。
じゃあここはどこだろうか? こんなことになってるからには転生とかしたんだろうな。
そんなことを考えながら部屋を見渡してみると、テレビがついていた。おっ、現代か!と思っていたら流れていたのは
ニュースキャスターの声とロボットみたいなパーツでできている獣と戦う軍隊の姿だった。
結論から言うと僕は「機械獣と5つの願い」というゲームの世界に転生していた。
「機械獣と5つの願い」は約50年前に突如として世界中に現れたゲートから出てきた機械でできた獣“機械獣”と戦うRPGである。
現代兵器は機械獣が常時展開しているバリアのせいでほとんど効かず、機械獣を倒すことで得られるエナジーコアと一時的に融合し攻撃することが一番効果的なので、そのための人材育成機関がいくつかある。その中の一つである「国立東京機壊高校」が主な舞台だ。名前から殺意があふれている。
そして気付いたことがもう一つ。
母親らしき人から呼ばれた名前と幼いけれど垂れた眉毛と常に眠そうな目から分かった。この転生先の体
「宇治 優矢」は原作では主人公の友人ポジションのキャラだ。ストーリーシーンでは目立った活躍はしないがバトルにおいてはヒーラーポジションであるため重宝された。
作中では15歳になるとエナジーコアとの適合率を図る「適合検査」がおこなわれ、適合率が高かったものは晴れて機壊高校に強制入学となる。
ここが僕の知っているゲームの世界なら、このまま成長すれば主人公たちと出会い死にかけながらも世界を救うのだろう。
そう、死にかけるのだ。それも一度ではない、何度もである。
そのたびに主人公たちは勇気と絆のパワーで立ち上がるのだが、あいにくそんな目にあうのはごめんだし、
何かの間違いで死んでしまうかもしれない。
それなら主人公たちとかかわらなければいいのだろうが、ここは僕が前世で大好きだったゲームの世界。
できるなら主人公たちと話してみたいし、経験するであろう波乱万丈なストーリーを体験したい。
これらから僕の目標は、(強くなり安全を確保したうえで)主人公たちと強大な敵に立ち向かい、苦戦を(するふりを)しながらも、世界を救うことだ!
そうと決まればさっそく行動だ。この体の記憶を思い出してみるとゲームの設定通りおっとりしていて、インドア派の子供のようだ。僕の考えた強化プランのためにも、まずは外に出ても怪しまれないようにしなければいけない。そこで
「お母さん、僕近くの図書館に行ってくるよ~」
「あら、一人で大丈夫?」
「大丈夫~」
現在の肉体年齢は5歳、体力をつけつつ強化プランに必要なことを調べていこう。
あれから1年たった。体力はそこそこついたし、何も言わずに出かけても違和感を持たれることはなくなったと思う。
「今日もどこかに出かけるの?」
「今日はちょっと遠くへ行くんだ~」
「あらあら、気を付けてね」
さあ、けいかくをはじめよう
突然だがこのゲームに登場する敵は機械獣だけではない。例として、機械獣を神の使いとする狂った宗教団体や、機械獣を憎むあまりそれらから得られるエナジーコアを使うこちらまで憎んで攻撃をしてくるテロリスト集団などがある。
朝早くから電車やバスを使いやってきたのはそんなテロリストどもが放棄した研究所の一つ。ここは主人公たちがストーリーの中盤に訪れる場所だ。ここで「汚染されたエナジーコア」が手に入る。これは自分たちで従順かつ強力な機械獣を作成しようとした結果、作成途中に弱い自我のようなものがうまれてしまい、なおかつそれが近くのエナジーを無差別に取り込みはじめたのだ。あらゆる生物に微弱ながらエナジーが宿っているため、このままでは自分の身体が危ないと判断した研究者たちに施設ごと封印されたのだ。
しかし原作知識で封印をパパっと解いて施設に入る。最奥の台にお目当てのものがあった。近づくと相手もこちらを認識したのか触手のようなものをものを伸ばしてくる。しかしあわてる必要はない。僕の身体にはある特性があるからだ。
その名も「感応体質」
本来一人一人違うはずのエナジーだが、僕は相手に合わせて自身のエナジーを変えることができる。
自身のエナジーを汚染されたエナジーコアにあわせてへんかさせると同時に、目標を見失い困惑するように引いていく触手のようなもの。今相手は僕を自身と同じものと認識している。
そこですかさず手に持ち融合を行う。この状態の僕のエナジーコアとの適合率は驚異の100パーセントだ。
そして融合した状態で本来の自身のエナジーに戻す。すると、融合している汚染されたエナジーコアも僕自身のエナジーと同様のものに変化した。これで融合を解くと、
手の中には僕だけのエナジーコアができていた。