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本当に欲しいモノ 終

「レナのお父さんはね、花道に生かしてもらえたから死に物狂いで研究したんだよ。花道の細胞をどうやって次の時代に移していこうか。それから、あの科学だけの世界もちゃんと壊したんだよ」


俺の前には、かつて科学者に殺されたサーウがいる。勿論、かつてとは違った容姿を持っているサーウだったが、前世の記憶すらも思い出した俺にはわかる。


「レナのお父さんはサーウというレナと花道が大切にしていた獣の存在を知っていた。僕は嬉しかったよ。レナの父の助手として再び生を持てたことを本当に喜んだ」


「その命は何年続くの?」


俺の質問にサーウ、いや菜園は首を横にふった。

「この命に限りはない。本当はレナのお父さんも、もう少し生きられる予定だったのに頑張りすぎたんだよね。あ、今は花道のお爺ちゃんか」


そう言われ俺はいつかの事を口にする。

「この世の出来事は全部本当なんだって教えられた。そりゃそーだよな、あの科学都市に生きてた人間なら命を繋ぎ続けることも、次元を抉じ開けることもなんだって、、なんだって、できるよな?」


話しているのにふとおもった。命を繋ぎ直したり繋ぎ続ける科学が出来たならなぜ、自分は転生という手段になったのか。

なぜ、すぐにレナを別次元から出してあげられなかったのか。


考えた末に繋がる一本の糸。

俺は菜園をみて口を開く。

「サーウと爺ちゃんがこの現代を作った創造者だったのか。そうか、古代都市は壊せたけど科学者は宇宙に逃げたんだね、だから現代ではUFOとしてあのときの乗り物が取り上げられる」


「やっぱり花道頭よくなったよね。昔は見るからにアホだったのにな~」


そういって笑う菜園をみて俺も笑みを浮かべていた。そのことは川辺に映る自分をみてようやく気がついた。


菜園は笑うのをやめ真剣な表情を作り俺に問いかけてきた。

「それで、僕は、僕とレナは花道の答えを知りたくて来たんだ。弱音を吐いて、死にたいと思って、十万年も昔の記憶を思い出して、現代の仕組みを知って、花道はどうしたい?」


そう問われたから、俺も問い返した。

「その質問は昔と今、どっちの俺に言ってるの?」


いやな返しをしてしまったのだうか、菜園は目元に涙を少しばかり溜めくらい表情を作って見せた。そして、「僕もわかんない」と呟いた。


その声色はどこか申し訳なさそうで、そんな声を出されると俺自身が申し訳なくなる。


「昔とか今とかどうでもいいじゃない。私の好きな花君は昔も今もそう変わりはしなかった」


声のする方に視線を向けると目に涙を浮かべるレナが立っていた。その涙の訳は分からないが知りたいとも思えなかった。


涙の訳を聞いたら思い込んでしまいそうだから。

本当に欲しかったモノは君だった…と。

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