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九つの主人公と一人の黒幕─七つの大罪を添えて─  作者: オルタナ
第一章─平凡たる強欲(プレーン・グリード)の平凡たりえない物語(旧題:三人目の主人公編)─
9/57

勇者に融資や

予定は常に変わりゆくものってことです。


タイトルは内容とそこまで関係がないです。

ちなみに女貴族はヒロイン(予定)です。

作者としては王道なろうファンタジーを書きたかったのですが、なんかずれてきたので開き直って普通に書いてます。

「お怪我はありませんか。アイリーン様」


俺はそう言って女貴族に手を差し伸べた。

自己紹介の時に聞いた名前を忘れていなくてよかった。

いや、護衛対象の名前を忘れるなど論外なのだが。


「はい、私は無傷です。勇者様」


女貴族、アイリーンがそう答える。



そういうわけで、アイリーンの兄の謀略をはねのけた俺たちは、一度アイリーンの家に戻ることになった。


道中は休憩を挟みながらの歩きだった。御者とアイリーンの兄は馬車で去ったようだ。



アイリーンの家は王都の郊外にある、廃れた集落の中心に位置していた。


「ここが、私が領主をやっているオルレアン領です。大した歓待はできませんが、どうぞ我が家に」


そうアイリーンに誘われるままに俺はアイリーン家の門をくぐった。


アイリーン家の応接間らしき部屋でアイリーンと話をし始める時には、すでに月が妖しく光を放っていた。



「勇者様、改めて自己紹介をさせていただきます。

私の名前はアイリーン、アイリーン・ダルク。このオルレアン領の領主をしています」


アイリーンが改まるのでこちらも改まる。


「わたしも改めて自己紹介させていただきます。

わたしはプレーン・グリード。Eランク冒険者ではありますが、この時代の勇者です」


なし崩し的に勇者を名乗ることになってしまったことを少しだけ後悔した。だが、アイリーンは俺に恩を感じているだろうし、政争の道具として扱われることはないだろう。


「行き路の際は勇者様とは知らず、無礼なことをしてしまいました。お許しください」


身に覚えがないが、おそらく敬語を使っていなかったことだろう。


「いや、構わないよ。これからも公の場以外では敬語を使わなくても気にしない。こちらとしてもその方が気が楽だ」


敬語を使われるのはあまり好きではないので、やんわりと止めておいた。


「勇者様のご厚意、感謝します」



「本題に入っていい?」


そう尋ねるアイリーンに俺は首を縦に振ることで返事をした。


「勇者はどこかの領主と契約をして、その土地を拠点とすることが国から推奨されているのは知っているわね?


本題っていうのは

──このオルレアン領の領主である私との契約をあなたにお願いしたいの」


答えは俺の中で決まっていた。


「わかった。契約しよう」


「そうよね、契約してくれるわけないわよね。


ってええっ!? 契約してくれるの!? こんな廃れたところなのに? ろくな援助もできないのに?」


アイリーンの疑問は正しいものだ。

本来、勇者は契約した領主から資金面、人材面などで援助をしてもらい、魔王討伐の地盤を固めるのだ。


「いや、別に俺は援助なんて最初から当てにしてなどない。俺は自分の力で魔王を倒すし、世界だって救ってみせる」


決意をアイリーンに明かす。


「そう、ありがとう。廃れてはいるけど、オルレアン領として出来る限りのことはするわ」


責任感の強いアイリーンの発言だ。



というわけで、夕飯はご相伴にあずかった。

援助は当てにしてないとは言ったが、もらわないとは言っていない。


ちなみに、オルレアン領がどれだけ廃れているかというと、領主であるアイリーンの家に召使いも何もいない、というほどである。

思っていたよりこの地の状況は良くないらしい。


というわけで夕飯はアイリーンの手作り料理だった。

女将の料理と同じか、それ以上に美味しかった。



夕飯を食べ終わったあと、一つの客室に案内された。


「ごめんなさいね。あまり家具がなくて」


「いや、大丈夫だ。最低ベッドさえあればそれでいい」


まあ強がりを言うくらいは出来る。



転生して二日目の夜はどうやらちゃんと眠れそうだ。

主人公は殺風景な部屋は嫌いです(強欲的な意味で)。

あと主人公が自分の力で〜とか言ってるのは強欲さの表れです(適当)


なろうあるあるの主人公が快諾して快諾された側が驚く例のアレをやってみました。大満足です。


ちなみに勇者関係の制度とかは主に主が作りました。

主に主とか読みにくいんだよなぁ(適当)

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