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九つの主人公と一人の黒幕─七つの大罪を添えて─  作者: オルタナ
第一章─平凡たる強欲(プレーン・グリード)の平凡たりえない物語(旧題:三人目の主人公編)─
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ニアの街

そういえば、3部分投稿後から今までに大幅な改稿を行なっています。ご承知ください。


最初の街です。あと世界の設定とかも少し書いてます。

森は案外すぐに抜けられた。

というか雑な見立てだが、5平方メートルほどもなさそうだ。この森を抜けるのに苦労するわけはないか。


転生前に先輩方に聞いていた、この世界には転生者の願いが反映されるという話を思い出した。つまり、俺は森に転生するというある種のテンプレをなぞりたいのだ。


森を抜けたところに広がっていたのは、草原だった。

だが、割と近いところに街のようなものがみえる。

おそらく前世の文明よりは遅れているだろうが、それでも文明があるという事実に俺は胸を撫で下ろした。


とりあえず街に入ることにした。

街の出入り口にある看板によるとこの街は『ニアの街』という名前らしい。


その看板の隅のコラム欄のようなところにこの街の歴史が書いてある。

なんでも世界を救った勇者がこの街を設立したらしい。

この話は──おそらくこの世界に転生した一人目である主の話だろう。


ニアという名前は英語で『近い』とかそういう系の意味だったことと照らし合わせて考えると、転生した時最寄りの街だから、という由来だろうか。まあそもそも主が名付けたとも限らないのだが。



と、ここでこの街の紹介を歩き回ってわかった範囲でしておこう。

この街は勇者に作られた街で、なおかつ二人目の勇者も最初に訪れた街ということらしく、観光資源として勇者を活用している。

勇者スープに勇者チキン、勇者ギルドまである。

なお勇者ギルドとは勇者を目指すものの互助会のようなもの、というわけではなく、勇者を輩出した街を訪れた証明書みたいなものを発行してもらえる。俺もしてもらった。


ちなみに製紙技術や印字技術は魔法に依存しているらしく、そういうところも含めて勇者がこの世界に及ぼした影響は大きいらしい。

付け加えておくと、この世界にはもともと魔法の概念は存在していた。戦闘に使うものがメインだったが。


話を戻すと、街並みはよくある中世ヨーロッパのそれによく似ている。これも転生者である俺の願いに依拠しているのか。よくわからなかった。


一通り施設は揃っている。

飯屋に酒場、宿屋、服屋、アイテム屋、それ以外も普通に。


あとこの街独自の店という意味では、聖剣屋というものがある。

なんでも過去二人の勇者はどちらも聖剣を使って戦っていたらしく、そのレプリカを作って販売している。


聖剣のレプリカは、装飾こそ聖剣のそれと一切同じだが、流石に素材は同じではない。聖剣がプラスチックでできているのに対して、レプリカは鉄である。

この世界にプラスチックなどないし、あっても聖剣と同じ内部構造にはできないだろう。複雑だし。魔法陣とかあるし。


なぜこんなにも聖剣の話ができるかというと、実際に持ってるからだ。森の奥深くに突き刺さっていたのを抜いた。


とかそういうのではなく、純粋に二人目の転生者であるオルタナティブに餞別としてもらっただけだ。他にも餞別として送ってもらったものはたくさんあるが、紹介はまた今度するとしよう。



などと落ち着いて物思いにふけることができているのは、宿が簡単に取れたからである。なぜかこの宿屋にはあまり人が近づいていなかったからだ。うーむ厄介ごとの気配がする。

それとは別件だが、飯がうまい。普通に前世で食べた料理より美味しく感じる。




そんなこんなで転生した日の夜、時刻は多分丑三つとかそこらへん。

なにやら宿屋のロビーから粗野な声が聞こえる。

女将のそれではないし、ゴロツキが来たのだとしたら、見に行って助けてあげるのが良いだろう。


(部屋からロビーまでの廊下に曲がり角があってよかった)

そんなとこを思いながら廊下の角に身を潜めて聞き耳をたてる。

聖剣についての話は実際に使うときにまた。

それ以外の餞別についても使うときで。


ニアの街がどんな街かは皆さんのご想像にお任せします。多分私のイメージを無理やり押し付けるより皆さんのイメージに合わせた方がどちらにとっても楽です。ちなみにあと2部分くらいで去ります。


次回主人公の殺戮シーンです。悪人に容赦する必要ねぇよなぁ?


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