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黒白(コクハク)  作者: あいちょ
2/2

2枚目



私、小さな頃からスケッチブックと生きてて、


いろんな景色とか人とかを書いてきたんだけど、


気づいたらだんだん色がなくなっていっちゃったの。


クレヨンでぐしゃぐしゃにした絵とか、部活で書いた水彩画とか、


いっぱいあるんだけど、


先生と出会う少し前は無機質な鉛筆画しかしてこなかった。


「自分の心は絵に表れる」


その通りだなぁ。



『ねぇ。聞いてる?おーい。』


あ、ごめんね。あんまり聞いてなかった。


『珍しいね。ぼーっとしてるの。でもちゃんと聞いててよ。』


うん。気をつけるね。さっき何話してたっけ。


『コンクールの話。昨日言われたでしょ?』


あ、そうだったね。



この子は橋本友紀。


同じ美術教室に通ってる子。


私の通ってる美術教室は生徒が4人しかいないの。


今日からコンクールに出す絵を書くんだ。


コンクール、私好きなの。


だって、入賞したら先生が褒めてくれるから。


先生のために絵を書いてるみたいなものだから。


あぁ。


先生の事考えたら、先生に会いたくなっちゃった。



『今日、教室行く?』


うん。行くつもりだよ。


『そっか。やっぱり行くよねぇ。』


友紀ちゃんは行かないの?


『悩んでるの。だってめんどくさいじゃん?』


もー。友紀ちゃんめんどくさがり屋すぎるよ。


『だってー…私、自分から美術教室行きたいって言ったんじゃないんだもん。』


でも続けてるんだからなんだかんだ言って教室のこと好きでしょ?


『まぁね。だって先生優しいし。』


とにかく、もうコンクール始まるんだし友紀ちゃんも来なよ。


『そうだなぁ。じゃあ今日だけ行こっかな。』


毎日来てよ。友紀ちゃんの絵、楽しみだから。


『ありがと。あ、もう授業始まっちゃう。私戻るね。じゃあまた教室で。』


うん。また後でね。



あーあ。


早く授業終わらないかな。


先生、会いたいなぁ。



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