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5幕 ノンストップ

 バカ2人のせいで長びいたが、朝会が終わったので、ウィリアム先生は教室から出ていった。

 そして、太宰治先生が教室に入ってきた。さらに、先生は、

「自己紹介をします。国語の担当をする太宰治です。私は病んでます。大事なことだからもう一度。私は病んでます。ご注意を。」

と言い始めたのである。

「とんでもない方がお出でになりましたね!」

思わず、そう言ってしまう。それから、しばらくの沈黙があったが、それを破って、先生が

「えぇ、私はネットで小説をしています。『陰元失格』と『窶れメロス』です。」

と言った。『人間失格』と『走れメロス』なら知ってるけど、『陰元失格』と『窶れメロス』って何だよ!?と、思っていると、

「すみません。『人間失格』と『走れメロス』でした。」

そう訂正が入った。僕は、そんな間違い方する!?と驚く。が、バカ2人はそれだけではなかった。

 「『陰元失格』って何ですか?」

「『窶れメロス』何それ何それ最上川。芭蕉、疑問の一句。」

と聞き始めたのだ。すると、何と言うことでしょう。先生がおノリになられました。

「え~...。『陰元失格』は、他豆に対してはおどけて、本当の自分を晒せない陰元豆の人生の物語です。そして、『窶れメロス』は、餓死承知の上で食べ物を貢ぎ続けたメロスが、人間不信の王に人の信じることの大切さを知らしめる物語です。」

と。僕は、耐えきれなくて、

「バカ2人は黙ってろー!あと、先生!こんな奴らにノラないでください!」

と、つい罵声をあげてしまった。

 それが恐かったのだろうか。太子の目を涙が湿らせた。さらに、それを見た、松尾芭蕉は、

「涙目を見つめて嬉し妹子川。芭蕉、妹子がSな件についての一句。」

と詠った。いや、嬉しい訳じゃねぇし。Sじゃねぇし。妹子川って何だし。それに、補足長いな!おい!何て思っていると、松尾芭蕉の歌を聞いた太宰治先生が、

「良い歌だ!君はかなりの文系と見たぞ!ご褒美としてプラス点をやろう!」

とかれを誉め始めたのだ。

「えぇぇぇぇぇ!?」

僕は大いに驚く。

「本当にプラス点くれるん最上川。芭蕉、驚きの一句。」

「こんなに即興で、そんなに良い歌が出来るとは...。さらに、プラスしておこう!」

「えぇぇぇぇぇ!?」

僕はまた驚く。

 それからは、詠ってはプラスされ、詠ってはプラスされの無限ループだった。ループするごとに、松尾芭蕉の授業点がプラスされていく。そして、それだけで授業が終わってしまった。

 その後、太宰治先生が帰ると、僕は、頭を抱える。

「本当にとんでもない方がお出でになった。」

そう、呟きながら。

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