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ヒストリカル!法隆寺中学校  作者: プリンアラモード
第3部 名門私立学校との出会い
28/32

28幕 友情回復

 その次の日。僕は松尾芭蕉と話している太子をテニスに誘った。

「えー、めんどくさいー。」

と言って芭蕉とどこかへ行ってしまった。

 もうひとおし必要か...。そう思った僕は、片手を口の真横に縦に添え、

「勝ったらカツ丼奢ってやるぞー。」

と言ってやった。すると、その瞬間、歩いていた太子の動きが止まった。


 「よっしゃ、こいやっー!」

放課後。その前までが嘘かのようにラケットをブンブン振り回している。物に釣られるとは、あまりにもチョロい彼である。

 僕は少し呆然としながらも、サーブを打った。僕は時々テニスをやるが、太子はやっていない様子だ。腕が鈍っててあっさり負けたりしないよな...。と、多少な不安を投げつつ、太子の動きを見て取る。

 ルールはあの時と同じシングルスの3ゲームマッチ。特に変わったことは無い。強いて言えば、カツ丼な掛けられていることぐらい。反則行為の判断基準もやはりとても甘い。

 「せいりゃぁぁぁっっっ!」

怒号と共にレシーブを打ってくる太子。だが、あの時のような威力は無い。やはり、彼は鈍っている。その一方で、あの時より上達している僕はそれをスライスであっさりと返した。初心者が鍛えるべきストロークトップ5には入るのでは無いだろうか。

 「おりゃぁぁぁっっっ!」

「せいやぁぁぁっっっ!」

「ひやぁぁぁっっっ!」

そんな怒号の割には、そこまで強烈では無い。ルーキーの域は遥かに越しているが、以前のようなヒューマンの域を遥かに越える物ではない。僕はスライスを中心に強烈バックハンドなどで相手に点を取らせない方法を選び、ラリーを続けた。

 そして、絶妙な位置へボール。僕はスマッシュを決めて、15点を手に入れる。それを見た瞬間、太子の顔が真剣になったろ。いや、今まで真剣じゃなかったのかと言うと怪しいものだが。とは思ったものの、やはり今までが真剣じゃなかったらしい。

 僕がジャンプサーブを打つと強烈バックハンドで返して来た。僕は両手持ちの少し強いフォアアンドで返す。すると、ボールは太子の遠くへ言った。だが、それを何とスライスで返されてしまう。遠距離を苦手とするスライスなのに、だ。

 それでも、やり方はある。ボールの軌道を予測して落下地点へ走る。それから、利き足をボールに近付けて、ボールが横に来た瞬間、低くスライスを打つ。簡単そうに見えて意外と難しいこのやり方を簡単にやってのける太子はすごいものである。

 そして、僕は驚きの余り固まってしまい太子にも15点を奪われてしまう。

「やっぱり、鈍っていなかったか。」

僕もより気を引き締めて次のサーブを打った。

 そのから、僕はどんどん点を決めていき、相手が40点の所で1ゲームゲット。その後は、お互い五分五分の大接戦が繰り広げられる最終的に勝利を得たのは僕であった。ちなみに、太子が2ゲームの状態であっちがマッチポイント。僕はそれをデュースで凌ぎ、何とか2ポイント差を着けて勝てたのである。つまり、超危なかった。

 「強くなったな、妹子よ。」

そう言われ、僕は

「ありがとうございます。」

とお礼を言いつつ、太子の人並外れた運動神経に関心を抱いていた。彼は2ゲーム目でベースラインからサーブエリアへ戻るサーバをして見せ、「シライ3」からのストロークや磨きあげられたドロップショットを打てるのか、知りたいななどと。

 「さ、カツ丼屋行きますよ!」

そんな僕は太子にそう言うと、太子が

「でも、勝ったらって言ってたよ。」

と言うので、僕は首を横に振って、

「いや、正直勝敗はどうでも良かったんです。久しぶりに太子とテニスがしたかっちげです。」

 「ふわーい?なんで、参加賞にしなかったのー?」

「それは、賭けた方がやる気でるかと思っただけですよ。」

「ふわっつ?」

あの時のような顔になる太子に僕は思わず吹き出してしまった。

 僕と太子の出会いの切っ掛けでもあるテニス。それは、何度でも僕たちの友情を回復させる。そんな気持ちで、僕は太子と共に近くのカツ丼屋に足を踏み入れた。


 そして、次の日。相変わらず遅刻しそうな時間まで寝てる太子を僕は起こしに行った。

  「太子、起きてください。学校行きますよ!」

僕はそう言う。しかし、当の太子は鼻提灯を膨らませながら、くっすり眠ってしまっている。そこで、今度は、彼の体を揺さぶりながら、さっきより大きな声で、

「太子、早く起きてください。遅刻しますよ!」

と言った。まだ、起きない。流石にキレたので、僕は

「起きろっーーー!」

と耳元で叫んでやって。すると、鼻提灯が割れて、彼は飛び上がった。

「うわぁぁぁ!」

と驚きながら。そして、しばらくの沈黙。それが、終わると彼はふと、時計を見た。すると、

「何でもっと早く起こしてくれなかったんだー!妹子ぉぉぉ!」

と逆ギレされた。僕は、

「いや、何度も起こしましたけども...。」

と返す。

 それから、僕たちは朝食を済ませ、学校の準備を整え、ドアを開けた。

「妹子、早く行くぞ!遅刻する!」

「いや、待ってたのはこっちなんですが...。」

「うるさいぞ!妹子!走るぞ!妹子!行くぞ!妹子!ついてこいよ!妹子!」

「ああ!!妹子、妹子うるさいな!そんなわかってんだよ!」

「妹子、ショートコントをしてる場合ではないぞ。走るぞ!」

「ああ、もうわかりましたよ!行きますよ!」

 入学式の日と全く同じ下り。僕は太子と走りながらやっと帰って来た彼との日常に喜びを覚えていた。

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