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ヒストリカル!法隆寺中学校  作者: プリンアラモード
第3部 名門私立学校との出会い
26/32

26幕 太子との出会い

 小学3年の夏。僕はクラブの帰り、芝生に設けられたテニスコートの前を通りかかった。そ子で、隣のクラスの聖徳太子が旧校舎に向かって壁打ちをしていた。

 「はいぽん♪はいぽん♪はいぽんぽん♪」

その太子君は変な歌を歌って、ラケットでボールを打ち、跳ね返ったボールをまた打ち返す。

「おりゃぁぁぁぁぁ!」

時に思いっきり打つと、跳ね返ったボールで頭を強く打つ。そこには、一瞬でたんこぶが出来、太子はゴロゴロ転がる。

「あぁっ!いってぇ、クソいってぇ!」

転がりながらたんこぶの辺りを押さえている。

 「こいつ...」

僕は唖然としながらも、囁く。

「絶対、バカだ。」

正門横の扉は軋むような音で開き、同じく軋むような音で閉じた。

 そして、その次の日。また、同じ場所で太子は壁打ちをしていた。しかも、また

「はいぽん♪はいぽん♪はいぽんぽん♪」

歌を口ずさんでいる。さらに、昨日と同じ下りで頭を打つ。

「ほんっとバカだ、こいつ!」

 そう言うと、そのバカと目が合った。

「と、隣のクラスの妹子。宜しく。」

僕は手を翳して、そう言う。すると、太子は目を細めて、

「ん~?こんな細い壁見たことないぞ?」

「いや、僕壁違うから!」

僕はそう言ってみせるのだが、

「ふあーい?」

とどう見ても、わざとらしい首を傾げる。

 そして、何の躊躇も無く、僕に向かってボールを打ち始めた。しかも、器用にも鳩尾の辺りを狙ってくる。

「ぐはっ!?」

「ごふっ!?」

「げほっ!?」

ボールが当たって僕の口からそんな声が漏れる。

 「いや、待てよ!」

僕は足下の地面を踏みつける。

「壁がしゃべった!?だ、大スクープだぁぁぁぁぁっっっっっ!!」

太子は吠える。

「そうじゃなくて!」

僕が否定するが、また僕に向かってボールを打ち始めた。

 「おい、ナチュラルに再開すんなよ!」

僕はまた足下の地面を踏みつける。

「ワタシガイコクーンダカラ、ムズシイニホンゴワカラナーイデース!サイカイーッテナーンデスカ!」

そんな僕に、太子はわざとらしい片言でそう聞いくる。僕は彼を指差し、

「いや、あんた、今さっきまで流暢に日本語話してたでしょうが?」

と言うと、彼は

「ふわっつ?」

と言って、また首を傾げる。

「こいつ...!」

僕は歯軋りをする。

 と、太子が

「で、再開って何?」

と真面目な声で聞いてきた。それマジだったのか!本当にバカだ、こいつ!僕はそう思いつつ、

「良いでしょう!そっちがその気なら勝負です、勝負!テニスのシングルス、3ゲームマッチで!」

そう言うと、グッドポーズをした。顔は嫌そうだが、真面目に戦ってくれるそうである。

 それから、僕は太子と共にテニスコートに入り、彼から貰ったラケットの柄を強く握る。こうして、僕と彼の真剣勝負が始まった。

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