20幕 これで良いのか、体育館
僕は元明理事長の説教の後、1人で家に帰った。
「ただいまー!」
そう言って、ドアを開けた。
「おー。遅かったじゃないか、妹子くん!」
バカ太子はポテトチップスをボリボリと食べて、散らしながら、肩をポンポンと叩いてくる。
「ポテチ食べながら喋らないでください。」
僕は彼を引き剥がした。
「ちぇっ、ノリ悪いな。」
えっ?いま、ノリツッコミ的なことしなきゃいけなかったの?
と、ピンポーン!インターホンがなった。僕は、何とか太子を振り切って、
「はーい。」
と言いながら、鍵を開けて、ドアも開けた。すると、そこには平城中学校の学生がいた。どことなく、元明理事長と似ている。
「だ、誰ですか?」
僕は聞く。その人は、
「げ、元明理事長の孫の、聖武天皇です!」
やっぱりか...。
「で、その理事長のお孫さんがなぜここに?」
そう聞いてみると、その人は
「あの、我々、体育館で部活をやっているんですが、見に来てください!」
お、おぉ、そんなことか...。僕は、
「わかりました。行きます。」
簡単には断れないというのが、日本人の悪い癖(?)だ。太子は嫌がったが、僕は襟で引っ張って、無理矢理、平城中学校に連いてこさせた。
そして、聖武天皇に連れられ、外京エリアにある体育館まで行った。それを見て、僕は囁いた。
「これで良いのか、体育館?」
なんと、その体育館は超巨大で寺のような見た目だったのだ。しかも、本来舞台があるべき場所には大仏がある。
「何ですか、これ!?」
僕は聖武天皇さんに聞く。すると、彼は
「東大寺風にしてみました。」
と言った。僕は
「いや、『してみました』じゃないでしょ!?校則とか大丈夫なんですか!?」
と聞く。彼は、
「大丈夫です。元明理事長から許可をもらっています。」
と言った。あの、理事長、孫には甘いんだな。僕はそんなの想像出来ないなと思った。
「で、こんなの作って授業は出来るんですか?」
僕はまた質問した。聖武天皇さんは東大寺風の体育館のドアを開けた。僕は彼に連いていった。彼は大仏に触れていた。
と、その時だった。体育館の木の壁から6つのバスケットゴールがあらわれ、縦向きの大コート1つと横向きの小コート2つがあらわれた。さらに、大仏から6号球のバスケットボールが出てきた。
「何さの、ハイテク機能!?」
僕は、驚愕する。体育館はバレーボールコート、テニスコート、ドッジボールコートとどんどん姿を変えていき、その度に、ネットやボールなど、用具があらわれた。
その後、僕たちは家に帰った。太子はご飯を美味しそうに食べ始めたが、あまりにも驚愕過ぎて僕の喉はご飯を通さなかった。あの日本風の見た目に、あの超近未来的な機能はギャップが強すぎたのだ。




