19幕 遷都ならぬ遷校
「この学校の歴史は今から70年、終戦直後まで遡ります。」
元明天皇理事長は目をつぶる。
「はい?」
僕は、首を傾げる。いきなりの回想!?
「あの日、日本は敗戦しました。今まで負けたことのなかった敗戦したのです。」
言われみれば、日本ってすごいよね。第二次世界大戦まで敗戦しなかったんだから。
「全く、ファシズムかっけー!ドイツとイタリア最高っー!
だとか、ほざいているから負けたのです。調子に乗ったから負けたのです。本当にバカですよ、日本人は。」
お...おぉ、結構言うねぇ...。
「そして、終戦。その直後、藤原中学校が出来ました。青空教室でありましたが。当時は、復興のため、多くの人々が動員され。生徒数は伸びませんでした。せっかく、学生が来ても、学校の前でblackmarketが常に開かれていたので、大体がそっちに流れてしまいました。」
いや、そこは闇市で良いでしょ。失礼ながら、調子乗ってる感が半端なくて、腹立つんですが。
「しかし、復興が進むと、やがて校舎が作られました。すると、生徒数は次第に増え、1学年で約300人の生徒を保有しました。だかしかし!」
「...。」
僕ばかりでなくみんなが言葉を失った。
「藤原中学校を集団食中毒が襲いました。腸管出血性大腸菌O157にゆろ食中毒でした。この食中毒を恐れた当時の校長はそこを廃校としました。」
食中毒だけで!?O157って確か加熱すれば大丈夫だったよは?だったら、生の給食を出さなければ良いんじゃ。
「それから、ここに平城中学校が建てられました。藤原中学校は公立でしたが、ここは知っての通り、私立です。」
え?藤原中学校とここって関係あんの?
「最後の校長は、自分でこの学校を作りました。かなり、金持ちだったので、かなりの土地を買い占め、平城京を元に建てました。」
なるほど。そらなら納得。あと、やっぱり、平城京がモデルか。
「いわゆる、遷校です。」
遷校って何!?意味わからん!
「良い話だ...!」
バカ太子がバカみたいに涙を流す。まぁ、実際にバカだが。
「良き話それはこれだよ最上川。芭蕉、号泣の一句。」
松尾芭蕉もわんわんと泣いている。
「い...良い話っ!」
さらに、信長先輩までが啜り泣いている。マジで?今のどこに泣ける要素があったの?
「祝砲を!」
与一くんはバズーカを出した。
「お前ら、やめろぉ~!」
僕は4人を必死で止めた。彼らを叩いたりしながら。それを見ていた理事長の顔はなぜか曇っていた。
そして、僕たちの帰る時間となった。え?これだけ?どうでもいい歴史の話しかしてないじゃん!何のたまに招待されたの、僕たちは!?そう思いながら、僕は出ようとした。すると、
「待ちなさい。」
と止められたので、
「僕ですか?」
と自分を指差す。
「はい。」
理事長はこくっと頷いた。
ちなみに、
「全くあなたはこんな泣ける話でどうして感動しないんですか。まさか、涙腺に病気でもあるんですか。」
と言われた。えー?僕、そんなしょうもないことで説教されてんのー?僕は、心の底から驚いた。




