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冒険者ギルドの受付嬢? さん  作者: くれないこがね
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33 おしえてアキムさん!! 魔法編 2

「はい先生! そもそも魔法ってなんなんですか」


 アキムさんに連れられてギルドの外にある広場まで来た。ここは冒険者達が訓練したりする場所になっている。

 そのまま湖にも繋がっていて、そこから吹く風がすこし冷たいが心地よい。


「簡単に言うなら魔力を使って行われること全般のことをさしますね」


 ふむふむ、魔力を使えば魔法ね。なんだかすごく当たり前な話な気がする。


「はい先生! その魔力というものは何ですか? 自分のいた世界ではそういったものがなかったので」


 いや、元の世界にも魔力はあるよ。とおっしゃる方もおられるかと存じあげますが、少なくともわたくしめは見たことがありません。


「それが私達には不思議なんですけどね。こうして当たり前にある物ですから。」


 アキムさんはそう言うと、片手で持ち上げるようにだいたいバスケットボールぐらいの大きさの輝くシャボン玉みたいな物を作り出した。


「なんですかそれ?」


「魔力を練ったものです」


 うんうん、なるほどね。魔力を練ったものね。うんうん、あれねーあれ、練り物ね。おでんに入れると美味しいやつ。うんうん、なるほどなるほど。何言ってんだこいつ。


「はい、先生! おっしゃってることがわかりません」


 ただでさえよく分からない物でよく分からないことをしないでほしい。


「そうですね。どこから説明しましょうか」


 そう言うとアキムさんは、手のバスケットボール大の輝くシャボン玉を四散させた。


「諸説はあるのですが一般的に魔力は万物を流れるその物がその物であるための力と言われています」


「その物がその物であるための力ですか?」


 どういうことだろう。全然ピンとこない。

 そんなふうに悩んでいるとアキムさんはおもむろに足元に落ちていたの拳大の石を拾い上げた。


「簡単に言うなら、例えばこの石が石として存在するための力ですね」


「なるほど、ちんぷんかんぷんですね」


「そうですね。説明するより見せた方が早いでしょう。ちょっとこれを持ってください」


 アキムさんに持っている石をわたされた。


「これをどうするんですか?」


 受けとった石は本当になんの変哲のないただの石だ。


「それをちょっとこういうふうに持ってください」


 言われたとうりにアキムさんに差し出すように石を持つ。

 その上にアキムさんが手をかざす。

 まるで手品をするマジシャンみたいな手つきだ。いや、魔法を使う人だから、そのままマジシャンであってはいるのか。


「いきますよ。はい」


 アキムさんのかけ声とともに石が淡く光りだす。

 するとつぎの瞬間に石はホロホロと崩れ始めた。浜辺の砂のように指のすき間からこぼれ落ちていく。


「えっ、何が起きたんですか?」


「この石の魔力を放出させました」


「なるほど、なるほど、そういうことですね。うんうん。つまりどういうことですか?」


 うん、これは見ても全然わからないやつだ。


「つまりですね。魔力を失ったこの石はその存在を保てなくなって崩壊したということです」


 え、どういうこと。魔力を失うと崩壊すんの。なにそれ、今まで習ってきた物理学と全然違うんだけど。分子構造とかどうなってんの。もしかして元の世界とこの世界はは物理法則そのものが違ったりすの?


「ちょっと今までの自分の常識と違いすぎて理解が追いつかないです」


「まあ、そのうち慣れますよ」


 そういうものなのだろうか。でも、そうだな。ここで悩んでも仕方ないし。細かいことは高名な物理学者でも転移してきて解明してくる事を祈ろう。

 それよりも気になる事を聞こう


「もしかしてこれは人も魔力を失えばこうなるですか?」


「理論上はなりますね」


 なるほど、人間も魔力を失うと崩壊するのね。うんうん。

 えっ?


「それは魔法を使うのものすごく怖くないですか」


 たしかに魔法は使ってみたい。でもそんな命をかけてまではいいかな。

 あれ、アキムさんなんか震えてない? と思ったら吹き出した。あれ、俺なんか面白こと言ったかな。


「プックック。あ、いやごめんなさい」


 なんかツボに入ったらしい。


「こどもみたいなことをおしゃられたので。たしかにこの説明だと魔力を知らない人はそうなりますよね。

 大丈夫です。安心してください。息を吐き続けて死ぬ人間がいないように魔力を出し続けて死ぬ人間もいません」


 なるほど。そういうものなのか。


「でも、さっきの石みたいに外から放出させられたらどうなるんだ」


「それも大丈夫です。あれは生き物にはできないんですよ。意思があるものは魔力を出し切る前に抵抗されるので。

 あと大きい物とか金属なんかも放出させ切ることができません。さっきみたいに崩壊させることができるのは手の上にのる小石ぐらいなもんです」


 なら、まあ、安心か。


「はい、先生! そろそろ魔法の方を教えていただいていいですか?」


「そうですね。じゃあまず基本の魔力を練ってみてください」


 オッケイ。魔力を練るね。大丈夫。大丈夫。得意だよ水飴とかねるの。

 うんうん、ホント何を言ってんだこいつ。

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[一言] 練れば練るほど……うまい! \テーレッテレー/
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