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プロローグ 激闘 これで世界は救われた!?

魔王の城 


「ついに来たか!勇者ユウト!」


そう言い放ち魔界に伝わる伝説の『カオスの杖」を突きだす。


同時にユウトは伝説の剣シャイニングソードを前に突き出す。


「あぁ。覚悟しろ!魔王サタン!お前を倒して世界を救う!」


「お前だけはこの俺が息の根を止めてやる!!」



.....俺はどれだけこの日を待ち望んでいたのだろう。


先代の魔王。

つまり俺の親父は7年前に殺された。


親父を殺したのは今や伝説の勇者と呼ばれる。「ブレイブ」


目の前に居る「ユウト」の親父だ。


親父が殺された理由はただ魔王だったから。


親父は自分から人間に危害を加えたり、街を襲ったりしたことは一度もなかった。


俺は親父が生きてるときに一度だけ何の罪も無い人間を襲ったことがある。


俺はその時初めて親父に叱られた。


俺を怒鳴りつけた後親父は続けてこう言った。


「魔王ってのはただ魔物の中で一番強いって言う称号みたいなものなんだ。分かるか?人間って理由だけで人をを襲うな。人間と魔物。どちらも訳隔てなく接しろ。そうすればいつか人間と魔物がともに支え合って生きていける。俺はそ んな世界にしたいんだ。」


幼かった俺は親父が言った言葉に深く納得してうなずいた。


その時から俺は力も魔力もスピードも魔族より劣る数が多いだけの「人間」って種族を好きになろうと努力した。



それからしばらくした俺は人間の親友ができた。


勇者「ブレイブ」の息子。


そう。目の前に居る「ユウト」だ。


ユウトと出会ってから一年がたったある日。


一ヶ月ほど出かけていた親父が帰ってくるなり俺を呼び出して。


「サタン。お前人間の冒険者学校に入れ。」


「え!?急にどーしたんだ!?」


「あぁ俺はもう魔力が落ち始めている。そろそろ魔王はお前に任せようと思ってな」


「それと冒険者学校ってなんの関係があるんだよ?」


そんな質問に親父は俺の頭にポンっと手を乗せ。


「お前に昔話した事があっただろ。人間と魔族が共に支え合って生きていける世界にしたいって。だからお前が魔王になったとき、優しい魔王だってみんなが分かるようにするんだ。心優しいお前が魔王だってだけで恐れられないようにな」


俺の事を心優しいと褒めてくれた事は少し照れくさかったが心からうれしかった。

そんな照れ臭さを隠すためにわざとらしく深いため息を着き。


「分かった。俺もユウトと同じ学校なら楽しいと思うし、弱った親父の後を 継ぐためにもな!」


「おいおい。魔力が落ち始めてると言ってもまだまだ世界最強の魔力は誇っているぞ?」


「はいはい。んでいつから行けばいいんだ?」


「入学は明日だ!」


「はえーよ!!何でもうちょっと早く言わねーんだよ!」


「俺もなかなか忙しくてな。すぐ準備しろ「イーストグラム」に宿を予約して  る。今日はそこに泊まってそのまま入学式に行け。いいな?」


「むちゃくちゃ言うな!大体親父はいつもいつも急なんだよ!二ヶ月前のドラゴントードーの件だってそ...」

「『テレポート』!!」


有無を言わさずテレポートさせられた俺はどこかの宿に飛ばされていた。


きっと「イーストグラム」の宿だろう。


糞親父め!


そう思った俺は戻って一発講義してやりたかったが、超級魔法の『テレポート』は...というか超級魔法自体まだ使えなかったため泣く泣く宿に泊まることにした。


入学式が終わったらすぐに城に戻って下手な魔法使いが放つ上級魔法より威力がある俺の中級魔法『アグニ』を本気で唱えてやろう。




しかし、親父に俺の『アグニ』が放たれることはなかった。



入学式を無事に終えた俺は「イーストグラム」から城に向かった。


もちろん何も一日かけて城に向かうつもりは毛ほどもない。


「イーストグラム」から隣町に行くために通る平原に、普通の人間には見えない結界がある。

その結界の中の小さな小屋で、俺が子供のころに執事をやっていたジィという魔族が住んでいる。


ジィというのは城で一番年配者だったから俺がそう名づけた。


そのジィに『テレポート』で送ってもらうと言う一番効率的な方法で城に向かおうという寸法だ。


そして結界が張られたその小屋に着く。


久しぶりに再開したジィに今までのことを話したところ快く城まで『テレポート』してくれた。



そこで見た城の光景に俺は驚愕した。


「親父ぃ!!!」


血だらけで倒れこんでる親父に駆け寄る。


いくら呼びかけても返事をしない。


目の前で倒れこんでる親父がもう助からないであろう事を血の量が物語っていた。


「待ってろ親父!今俺が全てのスキルポイントで最上級回復魔法を覚えるから...『ステスフィア』!」



そう唱え、出てきた円盤のステータス表に、今まで超級魔法を覚えるために貯めていたスキルポイントを全て使い、上級回復魔法「エクスヒール」をそして回復強化のスキルを習得した。


そして全ての魔力をつぎ込み、。


「『エクスヒール』!!!」


回復魔法は傷は癒えるが血を増やすことはできない。


そんな事は分かっていた。


それでも俺は信じたかったんだ。


親父が助かるという事を。


「ごほっ...」


「親父!!!」


息を吹き返したが目の焦点が合ってない。


「サタンか...」


「あぁ!今助ける!『コンバージョン』!!!」


そう言って魔力が尽きた俺は元々覚えていた相手に自分の体力や魔力を魔法に使った力の半分だけ分け与えられる魔法を唱えた。


そして少しだけ生気を取り戻した親父は俺に申し訳なさそうに。


「サタン....悪かったな....」


「もういい!これ以上喋るな!」


親父はそんな俺の言葉を聞き入れず。


「俺が間違ってた....お前をそんな顔にする位なら....人間と...ゴホッ..」


「もう良いって言ってんだろ!」


血を失った親父は体力をいくら回復してもすぐに昏睡状態に陥る。


それはもう親父が助からない事を示唆していた。


それでも俺は親父を死なせたくなかった。


そして自分の体力を全て注ぎ込んだ『コンバージョン』を親父に唱えようと詠唱を始める。


しかし親父は、俺がコンバージョンを唱えようとした口を掴み。


「もういい...俺はもう助からない...」


「俺は親父にまだ何も恩返しできてねー!お願いだから...死なないでくれよ...」


自然と涙が零れ落ちた。


口元から離された手を握り締め祈った。


「最後に...お前は魔王として生きろ...」


「嫌だ!最後とか言うなよ!」


「じゃあな...サ...タ...」


「...うっくっ...........」


名前。


呼んでもらえなかった。














「....あああああああああああああ!!!」



ぐったりとした親父を目にし俺は号泣した。



後日。俺は親父が「ブレイブ」と言う勇者に殺された事を知った。




それから俺は人間と対立する本来の魔王としてこの世界に君臨した。













「「 行くぞっ!!」」


二人が対峙しカキンカキンと二人の武器がぶつかり合い激しい物理戦闘が始まる。


「俺の足元にも及ばなかった奴が良くここまでレベルを上げてきたな!だがな。 この最上級魔法で終わらせてやる!!!」


距離を取ってそう言うと杖を天高くかざした。


その瞬間、辺りの空気が淀んだ黒でつつまれた。


すぐに詠唱を始める。

 

「偉大なる時と重力を司る魔神よぉぉぉ!」


親父の仇は...俺が討つッ!!!


ブレイブの一族はこの俺が殺すんだっ!!



危険を察知したのか、ユウトはシャイニングソードを地面に突き刺し、最大級攻撃魔法、エクスライトニングの詠唱を始める。


突き刺した剣の回りに赤い魔法結界が出来る。


ユウトは悲しげに。


「偉大なる光を司る女神よ、、、」 


そして二人は同時に詠唱を始める。


「今一時、我に闇の力を、、「エクスグラビトン」!!」

「今一時、我に光の力を、、「エクスライトニング」」



二人が放った魔法はぶつかり合い、回りすべてを破壊する衝撃波を作った。そしてやがて二人の体を衝撃波が襲う。


「うぉおおおお!!!!!!!」

「うあああああ!!!!!!!」


ドゴゴゴゴッ


そんな効果音とともに魔王城が崩れ落ちていく。







そんななか二人その光景を見ていたものがいた。


二人は黒い羽衣を身に纏い、全身をバリアで包み浮遊しながら魔王城の崩壊の中で呪文を詠唱し続けていた。

そして隣に居る同じ格好をしたは女はそれをただ見守っている。


そしてその呪文の詠唱が終わる。



「リーンカーネイション!!!」


ユウトと俺に青い光が降り注ぐ。


「ははっ!去らば魔王!!これから永遠の苦しみを味わうがいい!」


ドゴゴゴゴッ

ドゴゴゴゴッ



そしてついに魔王城は完全に崩れ落ちた。



「これ...で....世界は平和に....な.......る....」 


バタンッ.....






魔王城崩壊。


その知らせは直ぐに世界に広まった。








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