1ページ目…不思議な不思議な出会い
「…おーい、葵、まだか?」
「ち、ちょっと待って…。…直らない…」
「珍しく寝坊した上に寝癖か。…随分ぼけっとしてたんだな」
「…うぅ、勇樹君意地悪だ…」
「恨み節は後にして早くしろよ?このままじゃ俺も遅刻する」
「はぅ…」
3年になり1ヶ月、俺は今日も葵と一緒に行動していた。…まぁ今は葵が寝坊した上に寝癖が直らなくて遅刻の危機が迫っているのだが…
「で、出来たよ?」
やっと葵がセットが終わり出てきた。…うん、問題は無さそうだな
「じゃ、少し飛ばすぞ?結構ギリギリだからな」
「う、うんっ。…いってきます」
「いってらっしゃ~い」
とりあえず葵と一緒に小走りで駆け出す。…とは言うものの、今の葵は運動が少し苦手で、早歩きのペースくらいだ。…まぁ、間に合いそうだから良いけど
「…あれ?」
「ん、どうした葵」
その道中、葵は何かに気づいて足を止めた。…いったいどうしたのかと思い、葵の見ている方を見るが…誰もいない
「…何も無さそうだが?」
「…うーん…おんなじ制服姿の人がいたような気がしたんだけど…」
「同じ制服?…この時間帯にここにいたらさすがに遅刻すると思うけどな」
「…いいや、急ご?早くしないと遅れちゃうし…」
「…そうだな」
とりあえず俺たちは先を急いだ。…少し気になることではあるが、まぁ…いいだろう
「…到着、だな」
「…案外普通に間に合ったね?」
「次からは置いていくからな」
「ぅ…気を付けるよ…」
結局俺たちは普通に学校に到着、自分達の席につく。…葵が復学してから何ヵ月か経ち、クラスは昔のような時間が流れるようになった。葵もクラスに溶け込み、今は沢山の友達に囲まれている。…大きいのは真実の働きだろう。…彼女は葵をクラスの友人連中に引き込み、1日でも早く溶け込めるように尽力していた。…本当に、持つべきは良い友達だな
「はい、皆席についてな。出席取るぞー」
担任が教室に入ってきて、HRが始まる。…あぁ、何て平和なんだろう…
「…勇樹君?勇樹君…?」
「…んぁ?…あれ」
気づいてみれば既に夕方、西日が差す教室で目が覚めた。…隣の席には葵が座っていて、俺を呼んでいた。…俺、いつから寝てたんだ?
「…随分ぐっすり寝てたね?朝からずうっと寝てたよ?」
「朝から?…てことは、あのとき…」
どうやら朝のHRからずっと寝てたらしい。…そんなに疲れてたかな、俺…
そんなとき、教室の出口のドアに人影が見えた。…どうやら、教室の前に立ち止まって中の様子を伺っているように見える。…俺はとりあえず寝て凝り固まった身体を無理矢理起こし、出入り口に向かう
「?勇樹君?」
「…せいっ」
葵が見守るなか、ドアを開ける。…そこには…
「…あれ?」
「…どうしたの、勇樹君。誰か居た?」
…誰もいなかった。…でもさっき、確かに人影が…
「…帰るんなら、荷物は持たなきゃ駄目だよ?」
そんなことに気づいてない葵は俺の荷物を渡してくれた。…なんなんだ?
「…じゃあ、またね?」
「またねって言ったって、隣の家だからすぐ会えるがな」
そのまま帰宅してきた俺達。葵が家に入るのを見届けると、俺は来た道を戻ることにして歩き出す。…気になる。朝、葵が言ってた人の気配、さっき教室の前に居た人…なんとなく、繋がってる気がした。それなら、今俺達の後をつけていた可能性があると思ったからだ。…とりあえず戻り出す
「…偶然とか、錯角なら良いんだけど…」
そんなことをぶつぶつ呟きながら歩く。…端から見たら変質者だなこれ
「…あれ?」
朝、葵が気にしていた道にやってきて、見ていた場所を見る。そこにはうちの制服を来た女子たっていた。…見慣れない子だな。まさか、葵がみたのって…
「…あの」
俺はとりあえず声をかける。するとその女子はこちらを向くと歩み寄ってきた…胸のバッジを見る限り1年生か…
「…何でしょうか」
彼女はとにかく一年にしては異様に大人っぽかった。容姿といい体躯といい…本当に1年なのか…?
「あ、あぁ、少し気になってて…君、きょうの朝、ここにいなかったかな?」
「…いえ、それは気のせいかと。私はこれでも真面目に学校には行っていますので」
少し言い回しが引っ掛かるところがあったが…どうやら違うらしい。…やはり葵の見間違いなのだろうか
「そ、そうか。ごめんな、変なことを聞いて」
「いえ、よくあることです。…では、失礼します」
それだけ言い残し、彼女は歩いて行ってしまった。…なんだったんだろうか…