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 産み女達の屠殺場への侵入は、右足の後に左足を出して歩くことくらい、簡単なことだった。今時電磁シールドさえ張られていない灰色の建築物。三百年も昔、この街がお台場と呼ばれていた頃には、通りに並ぶ他の廃ビルと同じく、オフィスとして機能していたであろう、五階建ての薄汚れた箱。

 切子きりこは、両目に被っている散切りの前髪をうるさそうに払い、腰のベルトに差してある小振りの刀の位置を直した。迷彩の軍用ズボンで両手を拭い、ガラスの両開きドアの取手に、申し訳程度に巻かれている鎖をレールガンで焼き切った。あっけなく提供された入口から、ビル内に入っていく。

 少し前までは、ドア自体を破壊しなければならなかった。だが、幾度か侵入しているうちに、とうとう非常にクラシックな南京錠が掛けられるだけになってしまった。これなら壊されても、大した損害にはならないということなのだろう。

 血の臭いのこびりついた一階エントランスから、冷ややかな照明を辿り、正面にある階段を上る。女達が押し込められている三階に至ると、一階とはまた違う悪臭に鼻腔が刺激された。汗や垢や排泄物が混じり合った、生きているものが輩出する臭い。

 通路を左に進む。塗料が剥げ落ちた壁は所々崩れ、廃墟のようなありさまだった。

 右手に錆びた鉄のドアが並んでいる。その向こうには、薄いコンクリートの壁で囲われただけの部屋があり、その一房々々に、用無しとなった産み女達が詰め込まれていた。

 産み女――《ホストマザー》が正式名称だが、母という言葉が小石より軽いこの時代では、呼称の方がずっと通りがよかった。

 切子は、突き当たりの右手にある部屋の取っ手を前に引いた。相変わらず鍵は掛かっていない。室内の空気が排出されるのと同時に、吐き気を覚えるような、より生々しい臭いに襲われた。だが、臆せず足を踏み入れる。何度か通っている内、最初は耐え難かった悪臭にも、ある程度は慣れてしまった。

 汚れたコンクリートの壁に囲まれた八メートル四方ほどの部屋の中に、二十人ほどの女達がひしめいていた。まだ年若い者もいるが、ほとんどは中年の域に達している。皆虚ろな目をし、痩せた体に身に着けているのは、白い貫頭衣のような粗末な服一枚だけだった。床には、極限まで使い古されたフロアマットが点々と置かれている。その上に、疲弊した体をさらけ出すように、女達が横たわっている。

 右奥に飲料水の出る洗面台、左奥に便器が一つ設置されていて、女達は、この狭苦しい場所で寝食のすべてを行い、一日一回係員が運んでくる家畜の餌のような固形食糧で、残り少ない命を繋いでいた。

 切子がここに来るのは、もう十度目だった。けれど何度来ても、この酷い光景には慣れることができなかった。女達は、つい数ヶ月前まで、それなりに人道的な環境で暮らしていたはずだ。それが、用済みが決定した途端、こうして廃棄物そのものの扱いを受けることになるのだ。

 この部屋にはたった一つだけ、不似合いな文明の利器が置かれていた。果てしないほど退屈な、屠殺までの待ち時間、できるだけ大人しくさせておきたいという当局の意図が透けて見える。それは、電波を受信し、映像と音声に変える装置。だが、プロジェクタが主流になっている昨今、ほとんどお目にかかれなくなった重々しい機械。いわゆるテレビジョンだった。幅が一メートル、高さが七十センチほどもあり、四角く薄いパネル状になっていて、右壁際の中程に置かれていた。

 当局の期待通りにか、半分ほどの女達が、そのパネルに映し出される映像に見入っていた。すでに過去の遺物と化した、奥行きの感じられない二次元映像。安っぽい画面だが、ある程度残っている正気を、垂れ流され続けるくだらないテレビショーに熱中することで、麻痺させているのだろう。そうしていない者は、もうすでに精神が現実から乖離しているのだ。

 切子はここに来る目的を見つけた。うずくまる女達の間を縫い、近づいていく。

「エフ、ニーイチゴーナナハチハチ」

 横に立ち、呼びかけたが、目的はテレビ画面から目を離そうとしない。

「エフニーイチゴーナナハチハチ」

 さっきより声を強める。他の女達はこの情景に慣れてしまったらしく、まったく無反応だ。

 切子は小さく舌を鳴らし、いつもと同じ方法で反応を引き出すことにした。

「おかあさん」

 すぐに、テレビに見入っていた目的の視線が動いた。

「その呼び名は使うなって言ったでしょう。私はあんたの母親なんかじゃないから」

 足元の女が顔を上げ、虫酸が走るとでも言いたげに、きつい眼差しを向けてきた。体はがりがりに痩せ、実際の年齢より十は老けて見えるほど肌がたるんでしまっているが、その目の奥にまだ光が残っているのを見て、切子は安堵した。

「じゃあ何て呼ぶ? いい加減名前教えてよ、シリアルナンバーじゃなくてさ。そしたらそっちで呼ぶから」

「そんなもん忘れたわ。私みたいのには、シリアルナンバーがあれば十分でしょう」

 女は、それが自分のあまりにも小さい価値の証左だと顕示するように、焼印が押されている剥き出しの左腕を見せつけてきた。F215788と入っている。

「じゃあさ、月子つきこさんって呼ぶよ。その胸のペンダント、三日月の形だ」

 切子は、女が首から下げているペンダントを指さした。前から気になっていたのだ。ここに集められた女達のほとんどは、この部屋に過去の私物を持ち込まない。それは、すでに己が権利を失い、情など差し挟めるような余地のある存在ではないのだという、痛ましい自覚の表れなのかもしれなかった。だが切子の目的は、初めて会った時からそのペンダントをつけていた。記録には残らない彼女の思いが、そこに残っているように感じた。

 月子は意識を逸らすように、テレビに視線を戻してしまう。そのわざとらしい態度を、切子はいい兆候だと思った。多少なりとも、自分に気持ちが向いているような気がしたからだ。月子と同じところに視線を動かしてみる。テレビの中で格好いい男子達が、きれいな服を着て、お洒落な部屋で寛いでいた。ここに来ると、大抵この番組が映っている。

「どこがおもしろい、それ?」

 切子は、何度か繰り返している質問をした。番組の内容は知っているが、会話の糸口をつかむためだ。だが月子は、画面から視線を離そうとしなかった。

 テレビの放送局は、許可無許可合わせて百以上もあり、それぞれ毎日、星の数ほど番組を垂れ流している。そんな乱立状態で、これは多くの女達が、身分の違いなく楽しんでいる数少ない番組の一つだ。切子もたまに見たりするが、時々何がおもしろいのか自問してしまう。長時間きれいな男達を見られるのは目の保養にいいが、彼らは別に、興味を引くパフォーマンスで楽しませてくれるわけではなく、画面の中で日常生活を展開しているだけなのだ。普通なら退屈極まりないはずだ。ただ、この退屈には、結末が用意されていた。おそらく多くの視聴者は、それを見逃さないため、チャンネルを合わせずにいられなくなっているのだ。

「ねえ」

 いい加減横顔に飽き、どうにか月子をこっちに向かせようと、切子はまた話しかけてみる。

「美人の月子さん、その番組はここから出ても見られるから、一緒に行こうよ」

 月子が顔を上げた。目の奥に憎悪が閃いている。

「誰が美人だって?」

「あなたが」

「からかってんじゃないよ。怒らせて、気を引こうとしてんの?」

 確かにそういう狙いはあった。だが、月子の顔立ちが整っているのは本当のことだ。化粧をして、身なりをきちんと整えれば、かなり美しくなるのではないだろうか。自分とは全然似ていないなと、切子は思った。当たり前のことだが。

「冗談じゃない。ここから出たりなんかしたら、今より酷い目に合うことになるわ」

 疎ましそうに言い捨てる月子。

「だから、私が守るから」

「この街で、私みたいなのを守れると本当に思っているのなら、あんたはどうしようもない馬鹿よ」

 月子が鼻を鳴らす。

「あんたがどんなに強かろうと、自分一人の身を守るのが精々でしょう。そのうち手に負えなくなって、あんたは私を捨てることになるのよ」

 確かにそれは、冷静な見解と言えた。この施設から出てしまったら、まだわずかながら残っている生存権を、月子は即座に失うことになる。当局の管理を離れれば、どんなに悲惨な運命が降りかかろうと、シリアルナンバーさえ残らなくなる。彼女がこの世界に存在していた事実さえ、跡形もなく抹消されるのだ。

 切子は、《境界》と呼ばれる無法地帯に棲んでいる。ありとあらゆる魑魅魍魎が、我が物顔で闊歩しているエリアだ。法は意味をなさず、どれだけ殺戮が行われようとも、警察は意に介さない。月子のように銃を撃ったこともないインサイドワークタイプでは、外に出た途端、瞬く間に街の餌食になってしまうのがオチだった。

 だが切子はどうしても、月子にここから抜けて欲しかった。彼女の生存権は、近々消滅してしまうのだ。一緒に来てくれさえすれば、命を賭して彼女を守るつもりだった。それだけの実力は備えていると自負している。一見したところでは、ただの冴えない小娘にしか見えないだろうが、世間に轟かせている悪名は、その力を十分反映するものだった。

 切子は、長期間の政府との鬩ぎ合いのお陰で、冷酷なテロリストとしてその名を知られていた。二年前に逮捕され、刑務所で死刑執行を待っていたのだが、自殺した双子の妹の代わりにA級市民としての特権を得、死刑を免れた。代わりに半年前、この街に永久追放の身となったのだった。

 この街は《国家機構不可侵領域》――それが正式名称だった。だが通称として、資源の確保が発端となった泥沼の戦争を繰り返す世界と、その悶着から一歩引きながら、国家を運営する日本との境界線として、《境界》と呼ばれるようになった。遠い昔、商業地だったお台場を基盤にして、有明や東雲、ごみ処理場まで合わせて広げた人口島であり、ほとんどの国民には足を踏み入れることが許されない、知られざる地域だった。

 島内には、鎖国と表してもいいほど世界で孤立した立場を守る日本が、各国と渡り合うために運営する後ろ暗い施設が、数多存在していた。それらが、五十平方キロメートルほどの狭隘なエリアに密集している。それは、善良な市民の視界に醜悪なものが入らないようにとの、政府側の配慮の結果だ。けれど実際のところ、市民にとっても、それは安定した社会を切り盛りするためのやむを得ない措置と認識されている。

《境界》は、日本国民が外界の混乱から目を逸らし、平穏な生活を維持するための生命線だった。そして、不要と判断されたものを隔離し、処分する場所であり、良識的な市民生活を守るための境目だった。

「だいたいなんだってあんたに、私の経歴がわかるのよ」

 突っ立ったままいつまでも去ろうとしない切子に、いい加減キレたらしく、月子がぞんざいに聞いてきた。

「特権があるんで」

「特権? 死刑になるはずだった凶悪犯に? 笑わせる」

「今はA級市民だからね。何人殺したって優遇される」

 月子がまた鼻を鳴らした。

「で、その権利で、私のシリアルナンバーを探し出したってわけ?」

「ヒト資源データベースのホストマザーの項目を検索した」

「特権があれば、犯罪者でも、重要なデータが見放題とはね」

「ヒト資源のデータベースは、それほど重要と位置付けられてはいない」

「そりゃそうか」

 歪んだ笑みを浮かべ、月子はまた視線をテレビに戻した。画面の中、たたずむ美男子達を見つめる。

 少し経って、番組のBGMが変わったことに、切子は気づいた。明るい軽やかなメロディから、不安を煽るような不気味な曲へ。途端に、ぼんやりと魂が抜けたようだった女達が色めき立った。

 単調な日常を映すだけだった番組が一変する。

 画面の中で、切り裂かれる喉の白と、噴き出す真っ赤な血の色の対比が、鮮やかに浮揚した。そこで展開されているのは、おぞましく残忍な殺人の光景だった。

 つぶらな瞳の愛らしい顔をした少年が、無慈悲な死神に捕えられ、そのあえかな命をはかなく散らそうとしていた。彼は髪の毛を掴まれ、晒された喉に月鎌の湾曲した刃を掛けられても、顔を強張らせるだけで、叫ぶことさえできなかった。

 絞められた鶏のように易々と首をちょん切られて、切り離された肢体が床に崩れ落ちる。死神の手にぶら下がっている頭。その切り口からどろどろと血が滴り落ちて、ここまで腥い臭気が漂ってくるようだった。目を覆いたくなる酸鼻を極める光景。それでもその画は、蠱惑的で美しい悪夢を表現したビデオアートのようでもあった。

 そう見えてしまう理由は、おそらく彼らの容姿のせいだろう。同情心を煽るのにお誂え向きの美貌を持つ、殺される者。そして、トロフィーでも掲げるように生首を誇示している殺す者は、嫌というほど醜いものを見てきた切子でも、目を見張ってしまうほどの異形の持ち主だった。

 殺戮者は、黒光りするボディスーツを身に着け、均整の取れたしなやかな女の身体を持っていた。だが、その首の上に付いているのは、悪鬼を思わせる不気味な顔だった。額が前に迫り出し、鼻はつぶれてへこんでいる。出っ張った目玉には白目が無く、肌は乾燥する土くれのようにひび割れ、断層に似た口は耳近くまでぱっくりと裂けて、矢尻のごとき犬歯を露わにしていた。それは、人の体の上に醜悪な化け猫の首を繋ぎ合わせたのかと思わせるような、グロテスクな姿だった。

「悪趣味なショーだ」

 切子は、食い入るように画面を見る月子に言った。残酷な死の光景を前にして、今、彼女は何を考えているのだろうか?

「この番組好き?」

 重くなる気持ちを振り切るように尋ねた。

「割と。ここまであからさまな死なんて、目にすること、普通ないからね。生なんて、ただの夢でしかないとわからせてくれる。でも、気に入った子が処分されてしまうのは、少し残念だわ」

「気に入った子なんているの?」

「この間入った新人、私が最初に生んだ子の面影があって」

 確かに、夢を見ているように、どこか上の空で月子は語る。もしかしたら彼女の心も、もうほとんど現実には残っていないのかもしれない。

 ヒトの外見が似ているのは珍しいことではなかった。だが、何人もの子を宿した産み女も、一番最初というのは思い入れがあるものなのだろうか。切子は気にかかり、新入りの顔を思い出してみる。凛々しいながらも愛らしい顔立ちをした、自分と近い年頃の青年。まだその死は画面に映ってはいない。

 映像はクローズアップからロングショットに変わり、惨劇が終わっていないことを視聴者に見せつけた。獣面人身の怪物は一人だけではなかった。コピーしたのかと思えるほどそっくりな異相をした女が四人、別の獲物を捕え、その手足を一本ずつ持って、磔のように床に押さえつけていた。

 カメラが新しい犠牲者の顔をアップにする。涼しげな面差しをしていて、平時ならきっと爽やかな笑顔を見せてくれそうな、人好きのする容姿をした少年。だが、既に抗う気力を失くしてしまったのか、人形のような虚ろな目で天井を見上げていた。

 そして、画面の中にもう一人、女がフレームインする。さっき、つぶらな瞳の少年の首を切り落した女なのだろうか、手に持った月鎌に血が滴っている。女は、少年の頭頂近くで軽く腰を屈めた。微塵のためらいもなく振り下ろされ、少年の額に深々と突き立てられる刃。

 月鎌が引き抜かれ、ぱっくりと開いた額から、真っ赤な血がどくどくと溢れ出る。少年の整った顔が塗り潰されていく。彼の生きていた時間など、爪の先ほどの価値も無いとでも言うかのように。

 その時、切子は一つの賭けを思いついた。月子がこだわっているものの糸口を見つけたのだ、利用しない手はない。擦り切れた軍用ズボンの尻ポケットから、銀色のシートを取り出し、中の錠剤を指で押し出した。十錠ほどまとめて口の中に放り込み、ぼりぼりと噛み砕いた。

「ほどほどにしたら? 長生きできないわよ」

 テレビから目を逸らさないまま、月子が警告した。

「元々生きている方が不条理」

 苦笑する切子。妹の特権が移行しなければ、とっくに消えていた命だ。

「私と賭けをしない?」

「賭け?」

 切子の初めての提案に興味を引かれたのか、月子が顔を上げた。

「あなたのお気に入りの新人、私が助け出すことができたら、月子さんも私を信用して、一緒に来るって」

「信用して?」

 月子はかすかに笑い、再び顔をテレビに戻した。

「そう。必ず連れて戻ってくるから」

 切子は、このチャンスを逃したくないと、必死に訴えかけた。その真剣さにほだされたのか、それとも、いつも変わらない番組の結末に、新しい風を吹かせてみたくなったのか、月子が答えた。

「いいわよ」

 切子のつぶらな瞳が輝く。頑なな月子を、ようやく軟化させられたことが嬉しかった。腰の刀の柄を右手で強く握った。

「なら、すぐに行くよ」と、切子は踵を返した。月子の気が変わらないうちにと、焦っていた。

「あんたの活躍をここで見ているよ」

 その声が、初めて耳にするほどに優しくて、切子は思わず立ち止まり、振り返った。

「放送事故になるかもよ?」

 照れくさくて、少し無愛想な声を返してしまう。そして、ちらりとテレビ画面に視線を走らせた。次の犠牲者の命が露と消えようとしていた。

「行ってくる」

 かなり早い殺害のペースに、切子は早足で部屋を出る。救助の前に賭けの対象が殺されてしまっては、元も子もなかった。必ずあの青年を助け出し、そして、月子をここから連れ出すのだと、強く誓っていた。

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