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5話:自分の能力確認

 あれから俺はネオンと一緒に行動することになった。ネオンは俺の後ろをぴったりとついてきている。

 とりあえず話しをするために宿へと向かう。

 け、決して不埒(ふらち)なことをするわけじゃな、な、ないぞ!

 てかそんな勇気はナッシブル……俺の意気地なし! あ、でも意気地があったら襲うということに……って何を考えているんだ俺は。

 なんて自分と戦っていると胸ポケからフワンが話しかけてきた。もちろん外には出てこず、胸ポケットの中から俺だけに声が聞こえるように。


「あなた、なにしてるの?」

「え? どゆこと?」


 急にわけの分からないことを言われ、聞き返す。

 フワンは怒ったように、


「だから! なにあの子助けて、ましてや仲間にまでしてるのって聞いてんの……よっ!」


 そう言いながら俺を蹴る。

 全く、この暴力はどうにかならないものかね?

 俺は小声でフワンに言い返す。


「だから言ったろ? 俺は暇つぶしをしてるんだって。これ育成ゲーム……とは違うけど面白そうじゃん」


 俺は至極全うな顔でそう言い切るとフワンは手を額に当て、ハァ~とため息をついた。

 よく分からないが、もうよさそうなので前を見て宿屋へと向かう。


 しばらく歩くと俺の拠点である宿屋へと着いた。

 

「それじゃ、とりあえずここで休んでこれからについて話し合おうか」


 俺は振り返ってそういうとネオンはコクリと頷く。

 ぉふ。悶え死ぬ。これはこれからの旅が楽し……辛くなりそうだ(いい意味で)。

 俺とネオンは扉を開けて宿屋の主人へと向かう。


「おう、お前か。今日も泊まってくかい?」

「もちろんだ。今日は二人分頼むな」

「……ベッドは一つかい?」

「部屋二つ!」


 主人はニヤニヤとしながらからかってくる。

 そういえば、主人はここに来たばかりの俺に優しく声をかけてくれたんだよな。

 金を騙し取ろうと思ってるんじゃ? なんて考えてたけど本当に良心からの声かけだった。

 思えばこの人に出会ってから俺は変わった気がするな。

 感謝の気持ちを込めた視線を送っていると、主人は両手をクロスさせ、自分の体を抱きしめた。


「うぉ、お前なんだその目は? 俺はそんな趣味はないぞ」


 どんな趣味だよ! とはあえて言わないでおく。

 いつものようにふざけ合いながら金を支払って鍵をもらう。

 このゲームの通貨は普通のゲームと同じで『ゴールド』だ。

 一ゴールドは一円くらいだ。

 貨幣は一ゴールドは銅貨。

 一〇〇ゴールドは銀貨。

 一〇〇〇〇ゴールドが金貨だ。随分と普通だな。ちなみに銅貨が一〇〇枚貯まると自動的に銀貨に、銀貨が一〇〇枚貯まると自動的に金貨へと上がっていく。

 ちなみにその上に白金貨という一〇〇〇〇〇〇ゴールドの物もある。ま、俺はそれ一○○枚は持ってるけどな。クリアしまくってたらいつの間にか貯まってた。

 

 そして、俺らは部屋へと向かう。

 まずは話し合いをするために俺の部屋へと入る。ちなみにフワンはここで明かすつもりだ。

 部屋は六畳くらいで一人用ベッドが一つ。小さな机と椅子が一つずつ置かれているだけの簡素な作りだった。

 俺は椅子に背もたれが腹に当たるように座った。

 ボーっと立っているネオンに「ベッドに座っていいよ」と促す。

 相変わらず無表情だが、ふと猫耳を見ると、


(めっちゃプルプル震えとる……)


 先っちょのほうが軽く折り曲がっていて怖がっているみたいだ。

 あ、ベッドに座らしたからかな?

 俺がネオンに襲い掛かると思ってるのかな? 大丈夫だ。俺にそんな勇気はない。

 ……さてと、話しだすか。


「さてと、それじゃ話し合いますか」

「(コクリ)」

「まずは、現在の状況の確認」


 ちなみに俺はみんなと同じように初心者プレイヤーとして話す。

 だって俺が何回もクリアしてるって知られると支配者になにかやられそうだし(でもこれは神様がどうにかするとか……)育成に支障が出そうだしな。

 ほら、育成って知識を与えてその子がその知識を使って成長するのが楽しみじゃない? 人それぞれだが。

 精霊については俺が召喚師という風に説明するつもり。


「俺らはこのゲームをやったらゲームの中に閉じ込められた。しかもこの世界で死ぬと現実でも死んでしまう。ま、コンティニューなしってことだな」

「(コクリ)」

「そんでこのゲームの情報などはほとんどない」

「(フルフル)」


 ん? ネオンが首を横に振る。


「え? なにか情報をつかむ方法があったの?」

「(コクリ)説明書。あと、掲示板。前にやってた人の掲示板を見た」


 なに?! 説明書は俺らもあったけど、掲示板だと!

 てかそれならこれがデスゲームだと知ってるはずじゃ……

 まあ、それくらいなら支配者がどうにかするかもね。


「そうか、知らなかったな。んじゃ、次に。この世界はいくつもの大陸があってその大陸のボスを倒すと次の大陸への転移装置が作動する。これはあってるのよな?」

「(コクリ)」


 確か確認して来たのは全部で一〇個くらいかな。

 でも、俺がクリアするたびにその奥に大陸を増やしていくという、神様の嫌がらせのせいで四回目クリアのときは一三個に増えてたけどな。

 しかも厭らしいことに、俺は出ている大陸の中で一番最後の大陸をクリアしないと報酬をもらえないそうだ。

 まあ、ずっと同じ大陸をやるより暇つぶしにはなったけどね。

 ちなみに海を渡って次の大陸に行くことは出来ない。

 なんでも、神様が「それずるくない?」ということで海を渡ろうとするやつは神様が全力で阻止している。一回目は忠告。二回目は排除。

 

「そして、俺らの弱点は頭。これもあってるよな?」

「(コクリ)」


 俺らは唯一頭だけ防御力関係無しにダメージを食らう。というかほぼ即死。

 ここで一番弱いゴブリンに棍棒で頭を殴られてもそれだけで初心者は死んでしまう。まあ、俺でもHPが九割は減らされるけどね。

 ただ、強度が現実と同じというだけで、かすったりした程度じゃ死なない。HPもそこまで減らない。現実で死ぬと判断された攻撃は即死につながる。ちなみに俺が九割しか減らないのは、防具スキルのおかげ。神様に頼んだらくれた(クリア時の報酬)。

 死ぬのは嫌だけど、完璧すぎるとスリルがなくなるので俺的にはちょうどいい。

 ちなみに頭の判定は眉より上だ。俺はレベルが高くて防御力も半端ないので眉よりしたの、大抵のモンスターの攻撃は無効化する。ダメージを食らうのは八個目の大陸からあとだな。そこから鬼畜な強さになる。


「あとの情報は掲示板でも見れば手に入るだろう。ここで死ぬと現実でも死ぬ。クリアするには大陸のボスを倒して転移装置を作動させて移動する。頭の攻撃は即死。最低限確認することはこれくらいかな?」

「(コクリ)」

「それじゃ、お互いのステータスを……」


 といったところで気がついた。

 俺のステータス見せたらばれるじゃん……俺の馬鹿。

 ステータスやレベルは個人の任意で相手に見せたり見せなかったり出来るので開いても設定の【見せる】にチェックを入れなければ見られない。

 そういえば二回目クリアからステータス見てなかったな。ちょっと見てみるか。最後の時は確かレベル一七五くらいだった気がするな。

 俺は、設定、と念じて目の前に横三〇cm、縦二〇cmほどの半透明の画面を出す。そこからステータスをタッチしてステータス画面を出す。



-------------------------------



【名前:スバル】


・レベル:二二六(レベル制限二五○)


・職業:召喚師(フワン固定)


HP(ヒットポイント):三四四○


MP(マジックポイント):二三一○


STR(ストレングス):一○五四


VIT(バイタリティー):二九四三


DEX(デクステリティー):二七一七(クリティカル率:二七,一七%)


INT(インテリジェンス):三三九五




《特殊能力》



・HP超回復:一定時間毎にHPが超回復


・MP超回復:一定時間毎にMPが超回復


・アイテム効果『大』&『広域化』


・精霊の暴走:使用することで精霊のINTが五倍になる。が、言うことを聞かなくなり、敵味方無差別に攻撃する。時間が経てば戻る

 

・レアドロップ率超絶アップ:モンスターのレアドロップ率が大幅に上がる


・絶対防御:MPを一〇〇〇使い、即死攻撃以外は無効化する。即死攻撃でもHP一割は残る。



・罠見破り&解除:罠があると、視界にその場所が赤く光る。罠よりもレベルが高いとどんな罠でどれくらいのレベルなのか分かる。解除は罠のレベル×三のMPを消費すれば解除できる。しかし、自分よりもレベルが高い罠の場合二○%の確立で失敗する。失敗すると代償としてMPが半分になって罠が作動してしまう。



--------------------------------



(見せられるわけねぇだろぉぉぉおおお!)


 上から、体力、魔力、攻撃力、防御力(物理、魔法一体)、クリティカル率、知力(魔法攻撃力に関する)。

 ちなみに回避などは個々の運動神経でなんとかしろとのこと。これだけは手抜きといわざるをえないな。

 

 ネオンが不思議そうに首をかしげてる。

 あ、さっき言葉が途中で終わってたな。


「……ってステータスはみんな一レベだし同じか。じゃあ、職業だけ確認するか」

「(コクリ)…………私は魔法使い見習い」


 お~、見た目どおり魔法使いだったか。

 ちなみに職業は熟練度によってクラスアップする。全五段階からなり、魔法使いの最上級職は『大魔導師』だ。

 それじゃ、俺も言って…………って召喚師の見習い職ってなんて名前だ? モンスターテイマー? 魔物使い? とりあえず見習いをつけてりゃいいでしょ。


「俺は……魔物使い見習いだ。それじゃ、今日はこれで解散としますか」


 ネオンは頷くと立ち上がった。緊張は大分ほぐれたようだ。猫耳もリラックスしている。

 俺は立ち上がったネオンをまじまじと見ていた。別にこっち見てないしばれてなきゃ平気でしょ。

 そういえば背低いな。一五○くらいかな?

 俺の時って現実の容姿がそのまま反映されたけど今回はどうなんだろう?

 そのまま反映だとしたらこの子めちゃくちゃ可愛いんですけど。

 そのまま出て行こうとするネオンに一言。


「あ、ネオン。ネオンの姿って現実と同じ?」

「(コクリ)」


 ネオンは振り返って頷くと扉を開けて出て行った。

 へぇ~、今回も現実と同じか。

 美人さんたくさんいるかな~。

 ……まあ、俺に声をかける勇気なんてないんだけど……


 よし! 今日はもういいや。 宿でゴロゴロしよっと。

 今日の収穫は、数年ぶりでも普通に現実の人とも喋れた! だな。この世界での人との関わりがよかったっぽいな。

 












御一読していただきもう感謝の言葉が口から溢れています。そのうちあなたの枕元へ届いて…………

ここまで一気に投稿してあとは一日二話投稿していく予定です。一話が短いので……

時間は、まあ適当にw

最後に、感想・アドバイスフンヌラバー!とお待ちしております《何回も言いますがスルーの方向で)

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