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13話:さあ、五回目の冒険の始まりだ!

 なんやかんやで誤解を解きながら草原をひたすら歩いていると日が暮れてきた。

 歩いて一日で着くほど近くはなかったか。

 とりあえずネオンが誤解を解いてくれたのでよしとする。

 俺はアイテム袋からテントを取り出して地面に固定する。四隅を杭で固定して風で飛ばされたりしないようにする。

 夜の間はフワンが結界魔法と言う便利な物を使ってくれたのでぐっすりと眠ることが出来た。

 ちなみに結界魔法は大魔導師でも使えなかったりする。精霊特有のやつだな。特に最高位の精霊のフワンの結界はなかなかのものらしい。

 ただ、連続で使ったり出来ないし、一度出したら一定時間は任意で消せないらしいので戦闘では不向きだ。

 ともあれ、こうやって野宿する際にはとてもいい。最近は宿でしか止まってなかったからな。

 ま、野宿もいつもと違った感じで風情があるというものだな。俺は寝袋を二つ取り出して一つネオンに渡す。

 そうだ、ちょうどネオンがいるのだし一般プレイヤーと同じように冒険してみるか。

 久しぶりだな~。俺が一般プレイヤーだったときって何年前だ? って今はどうでもいいや。寝よ。

 俺は寝袋に深くもぐって深い眠りに落ちた。















 朝日がテント越しに俺を照らす。

 俺はゆっくりと寝袋から這い出て体を起こす。

 いつの間にか日が昇っていたようだ。日の傾きから考えると八時くらいか。よく寝たな。

 ネオンはとっくに起きていて外でフワンと話していた。

 俺はテントから少し顔を出して、なんとなしにその会話を聞いてみた。


『……フワンちゃんって妖精さん?』

『ううん、精霊よ。ネオンは獣人なの?』

『……うん。猫が好きだからこれにした』

『これにした? まあ、いいわ。その耳とか尻尾って自分で動かせるの?』

『……う~ん、意識したことない。動かそうと思えば動かせる……かな?』

『ちょっと動かしてみてよ』

『……うん、えいっ』


 両手を胸の前で小さく握りこんでお尻を突き出して尻尾を動かそうとする姿は萌えた。

 顔も目を瞑ってなんだか力を入れているのが分かる。萌えた。

 ついでに猫耳がギューっと縮こまってグッと力を入れていた。悶えた。

 俺はこのまま聞いていると悶えて仕方がなくなりそうだったのでテントから出て声をかける。


「おはよう」

「おはよう。あんたいつまで寝てんのよ。こんなに日が昇っちゃったわよ」

「いや~、悪い悪い。久しぶりの野宿だし、俺時間にルーズというか時の感覚がおかしくなってるんだよね」


 今までのんびりと風の向くまま気の向くままって感じだったからな。

 好きなだけ寝て、好きなだけ遊んで、好きなだけ戦ってたからな。金なんて有り余ってるし。

 でも、これからは一般プレイヤーと同じような行動をとるんだ。もっとしっかりしないとな。

 

「……行く?」

 

 ネオンがコテンと首をかしげて聞いてくる。

 コテンとかしげる時に流れるように落ちる髪がこれまた萌え……もう言い飽きたな。そうだネオンは萌えの固まりなんだ。俺はひたすら萌えていればいい。

 と思ったところでネオンがズズズと後ずさりをした。どうしたんだ?


「……サイト顔が下品」

「はっ!」


 妄想を膨らましていたからか顔が疎かになっていたようだ。

 俺は顔を引き締めて、ついでに気も引き締めて歩きだした。テントはアイテム袋に入れといた。本当に便利だ。某アニメの青い狸が持っているポケットにそっくりだ。巾着だけど。

 

「よ~し、いくぞ~」


 俺は気のない声を出してネオンたちを呼ぶ。

 って早速やっちまった! 一般プレイヤーはもっと気合を入れていくはずだ!

 …………ま、それをやると二人が引くと思うので止めておくことにした。


 俺たちは今度はやや早足でダンジョンへと向かった。


















 しばらく歩き、日が一番天高く昇ったあたりだろうか。ダンジョンへ入るための転移陣が見つかった。

 思えば、三、四日で一番目の大陸をクリアなんて普通じゃないよな。

 ちなみに神様が言っていたダンジョンを攻略するレベルの目安は、

 一個目……レベル一五

 二個目……レベル二八

 三個目……レベル三五

 四個目……レベル四三

 五個目……レベル五〇

 六個目……レベル五七

 七個目……レベル六四

 八個目……レベル七一

 九個目……レベル七七

 一〇個目……レベル九九


 これはパーティーメンバー四人で前衛二人後衛一人回復一人とバランスの良いパーティーで行った場合だ。

 九番と一〇番の差がすごいが、気にしない。

 てかレベル最大じゃないとゲームクリア出来ないとかもうクリアさせる気ないんじゃないの?

 ちなみに俺用の一一個目の大陸は目標レベル一二○だ。鬼畜過ぎると思ったね、聞いた時は。

 まあ、それをソロでクリアしまくってた俺が言うんじゃないことだが……

 でも準備とか手間取ったんだよ。HP回復薬とかMP回復薬とか、攻撃力と防御力を一時的に上げる薬とか、一度だけ攻撃で受けたダメージを代替わりしてくれるミサンガとか、etc……

 それらを最大限に活用して俺は幾度も大陸を踏破して……って今はどうでもいいか。

 俺は転移陣の前で振り返った。


「よっしゃ、それじゃダンジョンに入るぞ。先に注意しとくけど、罠には絶対引っかかるな。この大陸には危ない罠はないが、これから転移罠みたいなのも出てくる。今の内に罠を踏まない癖をつけておけ」


 ネオンはコクリと神妙に頷き、フワンはふわふわと浮きながら「わかってるわよ」と腕を組んでいた。

 俺は転移陣に足を踏み入れた。転移陣は半径二mほどの中に変な形をした文字がびっしりと書かれたものだ。それにネオンたちも乗って来た。

 するとあたり一面白い光に包まれ、ほどなくして光がおさまると俺は小部屋にいた。一〇m四方の天井も床も壁も土の部屋だ。

 俺は無事に転移出来たかネオンたちを探す。

 フワンはすぐに俺の隣に来ていたようで分かった。フワンは転移に驚かなかったらしい。

 ネオンは俺の後ろでボーっと突っ立っていた。転移なら驚いて無表情以外の表情を見れると思っていたが別に驚いていなかった。

 ネオンも驚かないのか、と思ってたら猫耳が右左とせわしなく向きを変えていたので内心はかなり驚いているのだろう。やっぱり心情は猫耳に出やすいな。

 俺は両手をパンと鳴らして二人の意識をこっちへむけさせる。


「よし、無事にダンジョンに入れたぞ。ここは一個目の大陸だから比較的簡単なダンジョンだ。丁寧なことにチュートリアルのような作りだから勉強になるぞ。罠の位置とか宝箱とかモンスターハウスとか。まあ、油断してると頭をやられて死ぬぞ」


 俺はそういうと部屋にある来たときとは異なる転移陣へと乗る。

 ダンジョンはこのように転移陣をたくさん使い、ボスの部屋を目指すと言う作りだ。

 転移陣は行き来が可能で人によって転移場所が違うなどということもないから安心だ。モンスターハウス行きの転移陣はモンスターを狩りつくさないと帰れないがな。

 なお、この部屋の帰る転移陣に乗れば普通に地上へと戻れる。ちなみにダンジョン脱出のアイテムもある。

 

 俺が転移陣に乗るとフワンは普通に着いてきていたのだが、ネオンはハッと我に返って慌てて乗って来た。

 そんなに慌てなくても転移場所は同じなのに。と思ったが、ネオンは一人が心細いのではないだろうか? やべ、抱きしめたい。けど俺には無理だ。妄想でもしとくか。


 とそんなことを考えていると光がおさまっていき、なにかに抱きつく姿勢をしている俺の姿も露見した。

 …………まずは周りの確認だ。

 ネオンは…………まだ転移に慣れていなく驚いたままだ。

 フワンは…………すっごい軽蔑の目で見てくる。止めて、なにかが来る!

 とまあ、冗談は置いといて、普通のいつもの俺に戻って歩きだす。

 転移陣先は何度と見慣れたいいつもの空間だった。

 ずっと続く土で出来たダンジョン。たまに工事現場かと思うような見た目。

 さあ、五回目の冒険の始まりだ!





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【名前:スバル】


・レベル:二二六(レベル制限二五○)


・職業:召喚師(フワン固定)


HP(ヒットポイント):三四四○


MP(マジックポイント):二三一○


STR(ストレングス):一○五四


VIT(バイタリティー):二九四三


DEX(デクステリティー):二七一七(クリティカル率:二七,一七%)


INT(インテリジェンス):三三九五


《特殊能力》


・HP超回復:一定時間毎にHPが超回復


・MP超回復:一定時間毎にMPが超回復


・アイテム効果『大』&『広域化』


・精霊の暴走:使用することで精霊のINTが五倍になる。が、言うことを聞かなくなり、敵味方無差別に攻撃する。時間が経てば戻る

 

・レアドロップ率超絶アップ:モンスターのレアドロップ率が大幅に上がる


・絶対防御:MPを一〇〇〇使い、即死攻撃以外は無効化する。即死攻撃でもHP一割は残る。



・罠見破り&解除:罠があると、視界にその場所が赤く光る。罠よりもレベルが高いとどんな罠でどれくらいのレベルなのか分かる。解除は罠のレベル×三のMPを消費すれば解除できる。しかし、自分よりもレベルが高い罠の場合二○%の確立で失敗する。失敗すると代償としてMPが半分になってしまう。



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【名前:フワン】


・レベル:???


・職業:最高位精霊(主人:サイト)


HP(ヒットポイント):二○○○(不死なのでHPがなくなっても復活する。ただし、復活までは一時間かかる)


MP(マジックポイント):六七三五


STR(ストレングス):五二


VIT(バイタリティー):二五五


DEX(デクステリティー):一○○○(クリティカル率:一〇%)


INT(インテリジェンス):七五○○


《特殊能力》


・飛行:空を飛ぶことが出来る。移動速度はSTRではなく、INTに反映される


・フェニックスの加護:パーティーメンバー全員、全ての火属性魔法大幅に強化される


・最高位精霊の権利:火属性の精霊たちを意のままに動かすことが出来る。乱用すると謀反を起こす可能性がある






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【名前:ネオン】


・レベル:一五


・職業:見習い魔法使い


HP(ヒットポイント):八○


MP(マジックポイント):一六○


STR(ストレングス):三五


VIT(バイタリティー):四八


DEX(デクステリティー):三八(クリティカル率:○,三八%)


INT(インテリジェンス):一三○



《特殊能力》


・MP微回復:一定時間毎にMPが微量回復する





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お読みくださりあびばどぶどばびばず(ありがとうございます)

感想・アドバイス…………へい! お待ち! が来ることを願っています。

お気に入りと評価をこんなにもらえて感激のあまりまたゲリラ豪雨を呼びそうです。明日で完結です(え?)

まだまだ続きそうですが、たくさんの小説を完結させていきたいのでこれはとりあえず完結にしておきます。またしばらくしたら書くかもしれません。

次回は明日の9時です

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