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そろそろ大団円・・・なのか?

 何とかこの場もそれなりに落ち着き、香陽も打ちひしがれるのをやめてモニターに向き直る。

 主席の後ろは相も変わらず様々な人が動いている。

 こんな状況でもよく調教された職員達だ、と香陽は感心する。

『父上、いつまで私は首根っこ捕まれて猫の子よろしくこんな格好をしてねばならないんですか』

『・・では放り投げますか』

 言うなり本当に放り投げる主席。

 しかし子供は綺麗にくるくる回って着地する。

「ぼ、ぼうりょくはんたーい!!!」

「見事な身体能力してんなー、あのお嬢ちゃん」

 わあああ、と叫ぶ香陽と感心するベイジル。

 しかしそんな二人に全く気にせずに主席はこちらを見る。

『とりあえず、帰るにしてもその・・・霊体のお二人をどうにかしない事には戻っても後々大変なのでは?』

「って言うか引っこ抜いちゃって下さい。ロマンチックに言うなら二人を成仏させてあげてください」

「全くロマンチックじゃないぞそれ・・・・」

 領主の突っ込みをまるっと無視しながら香陽はクラゲ二人を見る。

 そもそもこの赤クラゲのお陰で妙な夢を見続けている事をすっかり忘れていたのだ。

『成仏させたらお二人ともそのまま一緒に成仏しますが、よろしいですか?』

「それは困りますよ・・・主席」

『となると・・・・困りましたね・・・・』

 霊体を切り離すのは難しいのだろうか。

 香陽は主席の動向を伺う。

「そもそも霊体切るって言うけど元が混じって繋がってるんじゃそっちの嬢ちゃんも領主も一歩間違えたらおだぶつじゃ?」

『その問題もあるんですが・・・・切れそうな人が今留守をしてるんですよ』

「え?」

「・・・・・・まさか」

 領主は心当たりがあるらしく、呟くなり青ざめる。

「なに?怖い人なの?」

「・・・・・宰相閣下ですか・・・?」

『他に出来ると言われると理論上だけならばこの子の母親もやれなくはないと思うんですが・・・・』

『母上は現在ものすごくお怒りなのだー』

「あら・・・・夫婦喧嘩中だったのねぇ」

 その言葉に領主は盛大にため息を付く。

 何というかものすごく苦労人なのかもしれない、と香陽は同情せずにいられない。

『と言うより彼女の場合失敗したら死にます』

「是非宰相閣下でお願いします!」

 流石の領主も突っ込んでしまう。

 自分の命の危機なのだからまぁ当たり前だろうけれども。

『それなら向こう半年はお待ち頂く事になりますけど、よろしいですか?』

 残酷な言葉ってこう言うのを言うんじゃね?なお言葉だった。

 半年って、どれだけ売れっ子?と香陽ががっくりうなだれる。

「それって半年もここで過ごさなきゃいけないって事・・・?」

 寒天のようなモニター。

 あり得ないクラゲ状態で幽体を引っ付かせた自分。

 そして何よりありえないのが自分の前世を殺したと思しき男が目の前にいる状態で半年!

 まじありえねぇぇ!の世界だ。

『まぁ・・・・気にしないのであれば半年後またこちらに来て貰えばいいかと思うんですが』

「え、そんな事出来るんですか?!」

 画面の向こうの主席は出来ますよ、と頷く。

「この世界と他の世界は向こうからこちらに来るのは運だけどこちらから向こうへ行き来は簡単に出来るぞ」

 領主が振り返ってそんな簡単そうに言う。

『ただ、その場合迎えを出すために目印を付けさせて頂きますけど』

「被害が及ぶような何かでなければ構いません!」

「あの、それって私も可能なのでしょうか?」

 あまり喋らなかった水輝がおずおずな感じで話し掛けてきた。

 彼女の目的は明白だ。

 これだけの筋肉天国、手放したくないに決まっている。

 そんな彼女への領主の答えは、是だった。

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