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ぱねぇ親子の喧嘩は突っ込み待ち?

 地球世界の映像並に鮮やかなその映像はとても魔法には見えない。

 しかもこの赤髪の男。

 全身真っ白だった。

 と言うか真っ白い服を着ている。

 わっしょい万歳ファンタジー!な衣装がここに来て現れた感じがする。

「あら・・・・まぁまぁ・・・・」

 ほう、とこれまた夢見る表情の水輝である。

 つまりこれはあれ、である。

「こいつもか・・・・・筋肉付いてるのか・・・」

「少し物足りないですけれども・・・・・それでも美しい肉付きをしてるわぁ・・・」

「・・・・・何故あんな格好の体格が判るんだよ・・・・ほんっとうあんたが判らない・・・」

 主席、と呼ばれた男の格好はいわゆる所のずるずるとしたローブとマントのあいのこみたいな格好をしていてパッと見では体型は全く判らない。

 確かに首回りなどで判断が付くのかもしれないが、この男の髪型は緩く右側に長い髪を流しているのでぶっちゃけ首なんて正面向いて貰わないと見えない。

 と言うか首回りもハイネックと言うか詰め襟のような服を中に着ているので香陽には全く判らないのだが。

『おや・・・・久しいですね』

 聞こえてきた声は高からず低からずの声。

「こちらに日本からの女子高生が迷い込んできたんですが・・・・・」

 アイヴァンが赤髪の男に話し掛ける。

 こうやって見ている分には先ほどの巫山戯た理由は全く見あたらない。

 通常営業中のような気がするのだが。

 そう考えた瞬間だった。

 画面の後ろに赤い頭がひょっこり生えた。

『父上、覚悟ー!!!』

 叫びながらなにやらバケツを抱えた子供が男に向かって放り投げるのが見えた。

 しかしそのバケツは男に当たらず、モニターに当たった。

 べっとり、ぬるぬる。

 ずるずると粘性を持った何かがモニターの上で滑り落ちていった。

『・・・・・また、ですか』

『はなせー!父上のあほー!!!』

 ひょい、と襟首を捕まれた子供は父親と呼ぶ男に向かってあらん限りの罵声をぶつけている。

 なんなんだろう、この状況としか言えないモニターの向こう側。

『いい加減にして頂きたいのですがねえ・・・・・というか子供をけしかけるなと・・・・』

『違う!母上は悪くないぞ!私の一存でやっているんだ!最低父上ー!』

 よく口の回るお子様ですね、悪ガキですね。

 そういうまなざしで全員がモニターの向こうを見守っている。

 そう、クラゲ二人ですら。

『大体父上はいっつも母上を泣かせてるんだ!知っているんだぞ!!』

『何をですか・・・と言うか父は仕事なんですがね・・・』

『うるさいうるさい!このセーヨクマジン!!って母上が言ってた!』

「ちょっとまたんかーい!!!!!」

 ここに来て子供の単語にうっかり突っ込みを入れてしまう香陽。

 今なんと言いましたかこの子供。

『・・・・・おお、女子高生』

 子供がぱぁっと微笑む。

 ファンタジーの例に漏れず麗しいお子様だった。

 しかし台詞がおっさんくさい。

『ちょっと父上どういう事ですかこれは。母上のみならずこんなタイプの違う女子高生をモニター越しに用意してるとかパネェっす』

 本気で言ってると見受けられる子供に赤髪の男は笑ったまま冷気をまとわりつかせるという高等テクニックを披露してくれた。

 が、ぶっちゃけ怖いので見たくない。

『そろそろ黙りましょうか』

 ファンタジーの怒り方は日本人と何ら変わりのない日常溢れる怒り方なんだなあ、と香陽は何故か忍び寄ってくる冷気に自分の身体を抱きながら苦笑した。

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