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それってどんな人たちなのさ?

「責任者がいない時ってだいったい夫婦喧嘩なんだよな・・・・」

「本当、あの方々にも困った物だ・・・・」

 はあ・・・、とついた二人のため息に香陽は目を丸くする。

 今、なんと言いましたか?と聞き返したい。

 確か夫婦喧嘩と言った。

「夫婦喧嘩・・・・ですか?」

「ええ、夫婦喧嘩です」

 ドがつくほどきっぱり毅然と言い返したアイヴァンとベイジル。

 二人の表情は至極本気に真面目だ。

「・・・・・念のためにお尋ねしますけれど、その夫婦喧嘩って・・・・・世界戦争って意味じゃないですよね?」

「違います。れっきとした普通の夫婦喧嘩・・・・と言ってもお二人ともとても力のある方なので一度暴れ出すととんでもない事になるのはなるんですけど」

「すいません、それどこの怪獣夫婦ですか?妖怪大戦争ですか?」

 すかさず香陽が突っ込む。

 確かにこの世界はファンタジーな生き物の世界だと目の前のクラゲを含んで再三言っている。

 だがしかし。

 仮にも国の研究機関として成り立っているであろう施設が夫婦喧嘩で営業停止になるのか。

 本来なら答えは否の筈である。

「怪獣・・・・・奥方はある意味怪獣より酷いでしょう・・・・」

「すげえ可愛いんだけどな・・・・あの人・・・」

 やれやれ、と首を横に振るベイジルと遠い目で窓の外を見るアイヴァン。

「って旦那より嫁さんのが酷いのかよ!!」

「純粋に力(物理)だったら嫁さんのが強いんだっけ?」

「確かそうだったかと・・・・それほど頻繁にお目に掛かる方ではありませんしねぇ」

『やんごとなき高貴なお方なのか?』

 エーヴァルトが考えるような仕草で顎を撫でながら尋ねるとアイヴァンとベイジルは同時に首を横に振った。

 何だかんだ息の合う二人だな、おい・・・と香陽は冷たい視線を送るが全く通じていない。

 スルー力はファンタジー生命体の方が上なのかどうなのか。

「生まれはそこのお二人と同じです」

「日本人の元女子高生だったな」

 元女子高生なファンタジー住人。

 テッパンすぎる・・・・!と香陽が悶える横で水輝は麗しいお顔がほころぶように微笑む。

 あの顔はおそらくロマンチックだとでも思っているのだろう。

 そう言う意味では彼女の脳内はお花畑に近いかもしれない。

「色々な意味で規格外なお方だからなぁ・・・」

「王妃様とも仲が良いし」

「と言うかあの黒衣様がべったべたに甘やかしていらっしゃる唯一の人物だからな・・・」

 また誰とも知らない名前が出てきた。

 なんだ黒衣様って・・・と水輝と顔を合わせる。

「黒衣様こそ類い希な美貌と恐ろしいまでの魔術の能力をお持ちでいらっしゃるからな・・・・」

「あの方が敵に回ればこの世界ぐらい平気で壊してしまうだろうな・・・・」

 それはどんな妖怪ババアなんだよ、と香陽はもはや付いていく気力も失い、べったりと座っていた椅子の背もたれにもたれ掛かった。

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