圧勝
【初期ダンジョン――二階層目】
何故か、ダミアンに、ハンデを与えられた。あいつはまだ、一階層にいる。
ハンデ内容は、二分後にダミアンが、動き出すという、内容だ。
まぁ、ハンデはいらないと言ったのだが、無理やり、行かされたので、仕方なく、来た。
まぁ、私は、めんどくさい事は、早く終わらせたい。
誰が、正々堂々やると言ったかっての。
確かここらに、ボタンが。
「あったあった」
ボタンを押すと、最下層に続く、階段が見える。
幸い、この千年間、使われた形跡はないようだ。
では、私はこの階段で、最下層へ向かおう。
■【最下層】
無事最下層。
だが、最下層に来たからと言って、杖を簡単に手に入れられると考えるのは、馬鹿のすることだろう。
ここには、最後の仕掛けがある。
ボスが出てくるとかではなく、ここも隠し扉になっている。
ダミアンは、まだ来ないだろう。
ここの、ボタンを押せば、扉が開く。そこに、最強の杖があるはずだ。
まぁ、最強と言われるほどでもないが。たかが、威力を五倍にするだけの、失敗作だ。
それを、最強という、今の民たちは、弱くなっているのか……?
「開け」
ボタンを押す。
ちなみに、ボタンを押すときに、開けと、言わないと、開かないのだ。
これが、目当ての物。
今の時代では、最強らしいが、千年前では、失敗作として、ここに置いといた品。
これを持って行けば良いのか。
戻るの、めんどくさいな。
確か、ここらへんに、転移陣が、ある筈だ。
あった。ギリギリ、使える状態だ。
ここに、魔力を、転移一回分込める。
魔法陣が、青く光る。
乗れば、一階層に転移できる。
では、帰ろう。
「転移」
視界がゆがむ。
そして、徐々に、視界が安定してくる。
視界が完全に戻り、見ると、ダンジョンの入口。
皆、驚いた顔だ。ただ一人除いて。
やっぱり、真視眼持ちは良いな。
「皆、聞け。私はちゃんと、最強の杖を、取って、戻ったぞ。この勝負、私の勝ちだ」
周りはヒソヒソと話し始めた。
その時、一人の女子が私に向かって、言ってきた。
「嘘よ!それは偽物よ!ダミアン様が負けるわけないもの!」
これが、イケメンの力…というものか。
流石に、魔王の私でも、恐れるものよ。
「いや。これは、本物である」
「嘘よ!絶対に!」
殴りかかってくる。
なんとも暴力的な。中位としての、威厳や、プライドはないのか。
まぁ、許そう。なぜなら…
「遅い」
瞬時に後ろに回り、人差し指で、背中を一回付く。
その瞬間、壁に、飛ばされる。
「……優しくしたつもりだったのだが」
他の生徒は、唖然としている。
そして、ルララが言う。
「きょ、今日の授業はここまで!!学園に戻りましょう!!」
何かを忘れている気がするが、まぁいい。戻るとするか。
そう思い、戻るとした時、名前を呼ばれる。
「リリスティア!!」
振り向くと、ボロボロな姿で、帰ってきた、ダミアンがダンジョン入口に立っていた。
額からは、血を流している。
私は、返事をした。
「なんだ」
「お前……」
何かを言いかけたところで、周りを見るダミアン。
何かを思いついたのか、すぐに喋り始める。
「そ、そうだ。こいつが、俺を背後から襲って、杖を奪ったんだ!誰か、こいつを捕まえてくれ!」
そう来るか。結局、クズということか。
そして、ダミアンのファンが、走ってくる。
「はぁ……」
イケメンの力、か。
私からしたら、めんどくさい限りである。
私みたいな、美女を、襲わせるなんて、なんとも失礼な。
「エアーバースト」
一瞬で吹っ飛ばす。
ダミアンは目を丸くしている。
「は……?エアーバーストって……雑魚魔法だよな……」
「そうなのか?これが普通じゃ、ないのか?」
「なわけ……あるか……」
ダミアンは気絶した。
この中で、驚いていないのは、ルララだけだ。
ルララが私に耳打ちをしてきた。
「リリスティア様……これは、少々やりすぎでは……?」
「あ、ああ・少々やりすぎた。次からは、気をつけたいと思う。それと……ダミアンとの、勝負、私の勝ちであるな?」
「ええ。もちろんです」
ふぅ、これで、最下位弄りなどという、つまらないことはなくなるだろう。




