最下位でも気にしない
さて、今日は筆記試験。
まぁ、私にかかれば、余裕であろう。
「では、行ってくる」
歩く。
家からは遠い。歩いて、五分かかる。
飛行魔法で、移動しよう。
「飛行魔法」
体が浮く。
飛行魔法は、高度な魔法制御を必要とし、ほんの少し、魔力の制御を間違えるだけでも、事故になりかねない。それだけ、危険な魔法だ。
だが、私は、魔王だ。この程度の、魔力制御は間違えない。
■
何事もなく、学園についた。
多少の視線は気になるが、それほどでもない。
「筆記試験会場はこちらです」
教員の案内があり、そちらへ向かう。
「四百七番。リリスティア・エビンスだ」
「はい。あちらの建物へ、進みましたら、筆記試験会場があるので、ご自由にお座りください」
「了解した」
筆記試験会場へ、歩き、到着。
言われた通り、適当な席に座る。
数分経った。
人が集まり、試験官が入室した。
もうそろそろ、問題用紙が配られるだろう。
「問題用紙を配る。合図があるまで、表面にしないように。カンニングは失格。点などはない。どれだけ、できるかで決まる。それだけだ」
急な、説明と、制服についての話がされ、筆記試験が開始された。
全部で、五問。
たかが、五問だが、一問一問が難しいらしい。
嘆く人も多々いる。
だが、私は魔王だ。間違うわけがない。
【一問目――魔族の始祖の名前を答えよ】
リリスティア・エヴァンス
【二問目――始祖の性別を答えよ】
女性
【三問目――勇者の名前を答えよ】
シオン・アークライト
【四問目――始祖が亡くなってから、今は何年か、答えよ】
千十六年
【五問目――始祖が生まれ変わってから、何年が経過したか、答えよ】
十六年
簡単すぎやしないだろうか。
魔王復活は、歴史書に乗っているはずだから、皆わかるでしょう。
「そこまで!」
解答用紙を回収され、試験は終了。
結果発表は明日。魔力測定と、実技、筆記すべての結果をあわせて、紋と制服の色が変わる。
下位が黒の紋が入った、白と黒が使われた、制服らしく、いわゆる、落ちこぼれ。
中位が銀の紋が入った制服。
最高位が金の紋が入った制服。
どれも服の色は変わらないが、紋の色と形で、差別されるのだろう。
まぁ、私はどれになっても構わないが。
明日が楽しみだ。
■
昨日の試験から、一日が経った。
いつもと同じの、朝のルーティン。
着替えて、食べて、歯を磨き、顔を洗って、学園へ、向かう。
今日は、試験発表。せっかく、暇つぶしができるのだから、合格はしていてほしいところだ。
まぁ、確実に合格はしているはずだ。
私が死んでから、千年で、随分と平和になった。やはり、死んだのは、間違いではなかっと思える。
だが、魔王が復活したと、人間種が知れば、平和ではなくなる可能性もある。そのため私は正体を隠す。
いつかはバレるだろう。その時までは、ひっそりと暮らしていたい。本当に何もなければ…
そんな考え事をしている間に着いてしまった。
学園の校庭に、合格者番号が貼られている。
「さて、どうだろうか…四百五番…四百六番…四百七番…」
あった。さて、位は…最下位か。
まぁ、良いだろう。
確か、希望制で、答案用紙が、返却される場所があると聞いた。
結果を見てみよう。
受付にて。
「四百七番、リリスティア・エビンスだ」
「は、はい…四百七番ですね…」
「ああ。そうですが」
なんか嫌な顔をされた。
なんでだろうか。
女子なのに、男っぽい喋り方のせいか。
「こちらが、テストの答案用紙です。採点済みなので、見返してみてください」
答案用紙が返され、見てみる。
【一問目――魔族の始祖の名前を答えよ】
リリスティア・エヴァンス ✕
【二問目――始祖の性別を答えよ】
女性 ◯
【三問目――勇者の名前を答えよ】
シオン・アークライト ◯
【四問目――始祖が亡くなってから、今は何年か、答えよ】
千十六年 ◯
【五問目――始祖が生まれ変わってから、何年が経過したか、答えよ】
十六年 ◯
なぜだ…名前が、間違っているだと…
いや、待て。確かに、この千年で、変わるだろう。そうだ、そういうことだな。
さっさと、制服を貰って、帰るとしよう。
サイズなどは以前に測っているため、サイズは問題ないはずだ。
門を出るところに、制服を渡すところがある。
「四百七番だ」
この番号を言うと、職員全員が、私に、痛い視線を向けてくる。最下位がそんなにダメなのだろうか。
それとも、他に、変な噂があるのだろうか。
まぁ、平和に暮らせるのであれば、問題ない。
でも、それだけじゃ、つまらない気がするな。
じゃぁ…私の平和を、崩すものや、事件などがあったら、その、主犯を…殺そう。
ウンウン。私にしては、良い決まりだ。
では、さっと、帰って、寝るとしよう。




