入試でのトラブル
私は、リリスティア・エビンス。実名は、リリスティア・エヴァンスである。
千十七年前、私は勇者と一緒に死んだ。平和のために。
勇者も、生まれ変わっているはずだ。
私は、元の身体で、生まれ変わっている。
だけども、勇者の方はわからない。魔族で生まれたのか、人間、あるいは、精霊、そのどれかで、生まれ変わっているのは事実だ。でも、わからない、失敗しているかもしれない。
う、ううん。心配は無用と勇者も言うだろう。
気長に待つとしましょう。
そして今日は、学園の入試!!
さて、千年後の魔法はどう進化してるんだろうか!!
すぐに、着替えないと。
着替えを終え、朝ごはん。歯を磨き、両親に挨拶。
「母さん、父さん、行ってくる」
「リリスティアちゃん。あなたは、可愛いわ。ナンパされても、断ってね」
無駄なことを言う親を持ってしまった。
まぁ、良いでしょう。
「リリスティア。入試、頑張ってこい」
「わかっているわ。父さん」
ドアを開け、学園へ向かう。
名前は『魔族学園・ヴィアイン』
貴族や、良い成績者を積極的に取り入れている学園だ。
貴族は皆良い奴らである。
今もそうだろう。
そう言っている間に、入試受付に到着。
「入試を受けに来たのですが」
「種族を伺っても?」
まぁ、この肉体は、純血だが、親が魔族と人間の混血だから、混血と言うのが一番だ。
「人間と、魔族の混血ですが」
「はい。わかりました。こちらの番号札を取っていただいて、あちらの試験会場に移動ください」
「わかりました」
番号札は四百七番。
皆、明るい喋り方をしているな。自分のは上から目線な感じで、嫌がられる可能性がある。
喋り方を直そう…
「試験会場はこちらです」
試験会場へ向う。
門をくぐり、学園の、練習場らしき場所へ、案内された。
前後の番号、五人で構成されている感じだ。
試験官が説明を始める。
「まずは、魔力測定から始める。ここにある、魔力水晶に触れれば、魔力が表示される。まずは。四百五番前へ」
四百五番が、魔力を測る。
そして、自分の番がやっと、回ってくる。
「どうなるか…」
結果…〇
「…えっ」
思わず、声が出た。以前は測定不可だったはず。
その時、後ろから笑い声がする。
「お前まじかよ??魔力が〇?嬢ちゃんは、家で、家事でもしときな!」
侮辱か。まぁ、その程度で、心が折れると思っているのだろう。
魔力測定が全員終わり、次は、実力テスト。
だが、私は、魔力が〇だ。だが、そんなはずはない。
だから、私は、無理やり出た。
対戦相手は――
「やぁ。さっきぶりだね。お嬢ちゃん」
「ええ。そうね」
相手の名前は先程知った。
「名前は…オニオン・バルムスでしたっけ…」
「オリオン・バルムスだ!!間違えるな、無礼者!」
ああ、間違えだったか。なんともややこしい…改名をおすすめしたい。
「オニ…オリオン様、落ち着いて…」
そう、審判が言った。
だが、私は気になった。
「審判殿。なぜ、あの者に、『様』とつけるのですか?」
「なんだ…と」
何事か、オリオンが、怒った。
「リリスティアさん!!あまりにも、今の発言は、失礼過ぎます!!」
そう、審判が、焦ったように、言った。
「あの方は、バルムス家の御子息です!!」
バルムス…どこかで、聞いたような……あっ!思い出した。
「負け犬貴族の末裔か!」
「負け犬…貴族…だと…」
「あの頃は懐かしいです…確か、その時の当主の、プライドが高すぎて、よく、他貴族に、喧嘩を撃って、返り討ちにあってましたね…」
オリオンの怒りが、頂点へ達した。
審判も諦めている。
「リリスティアさん…貴女…死にますよ…」
「なぜです?」
「はぁ…いいです」
呆れた表情な、審判。
「実力テスト開始!!」
審判が、開始と言った直後に、オリオンが、魔法陣を構築。
リリスティアは、魔法陣を分析。
「なるほど。二重魔法陣ですかぁ…どんな、魔法が、飛んでくるのでしょうか…」
よし!こんな感じの喋り方が、いいかな。
「クソ野郎!!雑魚のくせして、調子に乗るな!!我が、バルムス家、奥義…雷光」
「なるほど」
リリスティアは、オリオンが、放った、雷光を、雷光で打ち消す。
「なん…だよ…それ…な、なんで、魔力〇のお前が…魔法を使えるんだ…しかも、我が家の奥義まで…」
その時、他の審査官が走ってきた。
「大変です!!リリスティアさんが、魔力を測定した後、魔力水晶がバラバラに割れました!!」
その、言葉を聞いて、オリオンが嘆く。
「うそだろ…」
ふっ。私の、魔力は〇ではない事が、わかったはずだろう。
明日は、筆記試験か。
早く帰って、ご飯を食おう。