城下町は綺麗だ
さて、図書室に来た。
図書室には人はいない……と思ったのだが、一人いた。
「気づいている。出てこい。エセ勇者」
「あ、えっと……」
先程より、縮小した態度だ。
「なぜここに?」
「え、えっとな……お前にこれをあげたい」
銀色の指輪型魔具を受け取る。
「なぜ、急に?怪しいぞ、お前」
「なら、魔法で調べたらどう?」
いつもの感じに戻った。
「そう、させてもらう」
「構造調査」
なるほど。
この魔具をつけると、しばらく外せなくなるが、効果は防御力の増加。
精密に作られているな。細かい魔法陣が何十も、刻まれている。
「まぁ、飾りとしてつけておこう」
「ああ。じゃぁ、俺はこれで失礼する」
「そうか」
エセ勇者は図書室を出ていった。
そして、指輪をはめる。
「なかなかだ。気に入った」
■
さて、本を読もう。
魔具の仕組みは、先程の調査で見れた。
今気になるのは、素材だ。
もう、その内容が書いてある本は取ってある。後は読むだけだ。
その後、十冊ほど読み、わかったことがある。
素材は、魔族領でも取れるものだった。
作り方の説明は載っていなかった。
おそらく、機密情報で、量産型は、工場で、オーダーメイドは、職人が。
おそらく、これだ。
良い収穫だ。では、城下町へ行こう。
■
城下町に来た。ここは、王城の近くという事もあって、高い建物が多い。
魔族領にはない形の建物が多いのもわかる。
それに……明るい。とにかく明るい。
これは、なんというか、眠らない街だな、町ではない、街だ。
キラキラしている。しかもガラスの反射で、余計にきれいに見える。
実際に綺麗だが。
それと、なぜ城下町に来たかと言うと、やはり……唐揚げだ。
早速買いに行く。
唐揚げが、美味いと評判の屋台で唐揚げを買った。
「いただきます」
一口、口の中へ。その瞬間口の中で、肉汁がジュワッっと広がる。肉も柔らかく、とにかく、自分が大好きな味。ストレスが
消える味。すべてが詰まっている。
「うまぁ〜」
魔王の圧はどこへやら。すっかり、ふやけた顔に。
唐揚げは世界を救うだろう。私は信じたい。いや、信じる。
そう考えているうちに、唐揚げを完食。
「ごちそうさまでした」
さて、明日から始まるのだが、最初に代表がやるわけではない。
ちゃんと、他の生徒も出れるようになっている。
代表はこの大会の〆の役割、一番盛り上がると思う最後に登場する。
もちろんその役にふさわしい、力があるからこそなれるものだ。
今日はゆっくりねて、明日に備える。それが一番だろう。




