プロローグ
【平和歴千十六年】
――リリスティア・エヴァンス。
彼女は、最強の魔王である。
だが、リリスティアは、伝説上の人物として、名が忘れられていった…
最古の書物には、こう書かれている。
『史上最強にして、魔族の始祖、リリスティア・エヴァンスは平和のために勇者、シオンと、共に死んだ。そして、魔族と、人間との、関係が良くなっていった。そして、その年から、平和歴という、年号が開始した、決して、偉大なる魔王の死は無駄ではなかったことがわかる。人のため、民のために考えた行動なのだろう。魔王万歳…』
だが…伝説などではない。
魔王と勇者が共に死んでから、今日が千と十六年。
とある、家庭に、リリスティア・エビンスと言う、魔族と人間の混血種族の人魔種…の十六歳の女子がいた。
だが、その女子の正体は、魔族の始祖であり、最強と言われた魔王――リリスティア・エヴァンスだ。
そのため、リリスティアは混血などではない。
そして、今日は大事な、学園入試の日である。リリスティアはそこに向かう。
リリスティアの千年前の常識は、どこまで、無双するのか、世界の平和はどうなるのか。
様々な、トラブルや事件、新しい発見など、様々な、ことが、リリスティアに降り注ぐだろう。