籠から鳥を失った(ヒロイン父目線)
サイコパスなパパンここで登場。
息子が事故死した。
妻が余りに泣き叫ぶため泣くタイミングを失いそのうち落ち着くだろうと放置していた間に死んだのは娘で息子がまだ生きている事になっていた。
実に面倒だ。
遠縁の男児と縁を結んで家を継がせる方法も妻に勝手をされてしまったため使えなくなった。
娘は死んだことになり生きている息子は本当は娘なので嫁を貰う訳にもいかない、どちらでも使えない駒はいずれ処分しないといけないと問題を先送りにしていた時に事件は起きた。
翡翠色の瞳に淡いブロンドを縦ロールに巻いた三男坊は白と黒を基調にしたフリルとリボンを使ったヘッドドレスを揺らしながら死んだ事になっている娘を嫁によこせと迫ってきた。
妻が娘などいない、家にいるのは息子だけだと金切り声をあげているため騒がしい。
しかし、状況は直ぐに変わった。
変態野郎が押しかけた部屋はもぬけの殻だった。
先程までの勢いはどこに行ったのか変態野郎が間抜けな顔をしている、あの捨て駒はおそらくこうなる事になると予測し逃げたのだろう。
クローゼットの中もほぼ何もなかった。
持ち出したかを問うと最初から何もなかったと返事が返ってきた。
妻の泣き叫ぶ声が煩いので家令に睡眠薬にアルコールを添えて休ませるよう指示した。
家令が青い顔をしながらよろしいのですか?と聞いてきたが静かになるなら構わないと伝えた。
この家から捨て駒がほぼ手ぶらで1人生きて行ける訳がないが念のため捜索を指示を行った。
変態野郎もゴスロリ感あるマント付きの甲冑を纏い捜索に参加していたようだが捨て駒が逃げ切ればあの変態が一族に名を連ねることはない。
捕まるようであれば始末するだけだ。
明け方、捜索隊から捨て駒らしい遺体すら見つかっていないようだ…
アレが平民として生きていけるとは思わないが…
…妻が目を覚まさないらしい、久しぶりに静かに休めるかもしれない。




