表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5.約束

ゴーレムは村の入口で歩みを止めた。

夢喰いをゆっくりと地面に降ろす。


静かな村の夜。家々の灯りがぽつぽつと並び、人々は穏やかな眠りについている。


「……ここなら、食べられそうね」

ゴーレムにもたれかかりながら、夢喰いはそっと目を閉じた。


感情を探る。村全体に薄く漂う恐怖や不安。それを慎重に、死なない程度に喰らっていく。


「……ふぅ、これで少しはマシになった」


夢喰いは立ち上がろうとするが、まだ身体はふらつく。


「……全然足りないわ」


もっと濃い恐怖を引き出し、より多くの感情を喰おうとする。

その時だった。


「……やめろ」


低く、小さな声。


「は?」


ゴーレムはそれ以上何も言わない。ただ静かに村の方を見つめている。

夢喰いは「なんでよ……」と呟くが、助けてもらったこともあり、渋々手を引いた。


「こんな少しじゃ、歩くのもやっとよ」


ゆっくりと立ち上がり、ゴーレムの肩に寄りかかる。


「……あんたが食べるなって言ったんだから、私が回復するまで面倒見なさいよ」


ゴーレムは何も言わない。ただ静かに、一歩を踏み出す。

夢喰いはため息をつきながらも、その歩みに合わせるように足を前へと運んだ。

こうして、二人の旅が始まった——。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ