消えたルームメイト〜「タイトルは面白そう」だが、当人にとってはくそ面白くもない話〜
全盛り今年もやってみました。
部屋のカレンダーは一か月前で止まっている。
雑然したここには、もうルームメイトはいない。
アパートのミセス達からは、その日から俺たちの噂話でもちきりだった。
卒業式に願い事を書いた紙飛行機を一緒に飛ばしたアイツはもういないのだ。
のっそりとベランダへ出てみる。
心地よい日差しに、思わず散歩でも出かけてみるかという気持ちになった。
それともジムへ行き、プールで泳ぎトレーニングでもして気を紛らわせるか・・・。
いや、やっぱ億劫だな。
俺は溜息をついてベッドに倒れ込んだ。
ふと、あいつの残り香が微かに匂ったような気がした。
俺って女々しいな。
だけど何故なんだ。
あいつがいなくなった前日、遊園地の観覧車に乗った。
眼下の景色を眺めながら「私、鳥になりたい」なんて言っていたっけ。
昨日買ったほか弁のお弁当が、そのままテーブルに置いてある。
食べるの・・・忘れていた・・・ま、いっか。
「やり直したい、会いたい」寝言がつい言葉にでてしまう。
そんな出来事をタイトルにするならば「突然、ルームメイト(世間一般には恋人)は蒸発、異世界召喚でもされたかな?でも本当は隣町にいます」・・・なんて、くそ面白くもない。
はあ・・・ふて寝でもするか。
500字っ!1/2だよん(汗)。