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第13話

「二番目でお待ちの方、こちらどうぞ〜。」


あれから僕はダンジョンギルドで事務員をすることになった。


仕事に関しては、冒険者ギルドとほとんど同じだったから、数日もすると仕事を覚え、ダンジョンギルドの環境にも馴染むことができた。最近は、裏方だけでなく、受付を任されることも増えてきた。


以前と違うのは、


「クスタ〜。これお願いゴブ。」


受付の窓口に来るのが魔物ってことぐらいだ。


「あ、ゴブリンさん。こんにちは。」


ゴブリンさんは冒険者の落としていった武器や防具、タグを持ってくる。


「いくつも・・・ゴブリンさん強いですねぇ。」


「そんなことないゴブよ。仲間はたくさん死んだゴブよ。それでも勝利したから戦ったかいがあったゴブよ。」


ダンジョンに入って初めて知ったのだが、ダンジョンの魔物はあまり死ぬことを怖がらない。


理由は分からないが、仲間の魔物が帰ってこなくてもケロッとしている。


そこは冒険者と魔物で違うところだろうか。


「・・・はい。お持ちいただいた品物の確認が終わりました。金額をご確認ください。」


「・・・うん。間違いないゴブ。」


冒険者の人たちは知らないだろう。ゴブリンは金を数えることができて、少しでも高く売れるものを選んで持ち帰っていることを。


「では、お疲れ様でした。またの利用をお待ちしています。」


この挨拶は僕が心がけている挨拶だ。なかなか同じ魔物がギルドに戻ってくることがない実態に悲しくなってしまい、口ぐせになってしまった。


思い返せば、ダンジョンでの生活も一月たった。もう終わる頃なんだが、実は、まだダンジョンギルドから出ることができない。

これは、マシュー兄妹の取った手段が悪すぎるようで、ダンジョンマスターのサランも色々と忙しく動いているのだが、僕の契約書の破棄には時間がかかっているようだ。


「クスタ君・・・約束の1か月が経つんだが、もう少し、解決までに時間がかかるようなんだ。ごめんね。」


そう言って気にかけてくれている。


今回のことはそれだけ重大なことだったようだ。


あれからマシュー兄妹も見ていない。一度ダンジョンマスターのサランに尋ねたところ、


「あいつらは本部に行って取り調べ中だ。あいつらが自分で考えて例外を使うことができるとは、到底思えないからな。」


良かったなマシュー兄妹。君たちはダンジョンマスターのサランに信用されてるよ。


「分かったことがあればすぐに知らせるからね。それまでは事務員を頼むよ。こっちとしたらとても助かってるから、このまま就職してくれるとありがたいけどね。」


そう言って笑顔で就職を勧めてくる。


「街に戻ってから考えてみます。」


僕もいつもと同じ返事をする。


いつまでここで働くことになるのか分からないけど、今できることをやっていこう。


「お待たせしました〜。次でお待ちの方、こちらどうぞ。」

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